(鼓膜裂ける、言っ笑った違う、切れ切れぬ)
境界湾曲だと言われた
蝶は鳴いている
処女の亡霊が止まり木にたばこ
ハートなものかしましい
ラッキーストライク!
ヘッドフォンスピー ....
アパートの暗い階段を上って行くと
二階には嵌め殺しの窓があり
そこだけがまるで古い教会の天窓のよう
純粋に光だけを招き入れていた
迷い込んでいた一羽のすずめは
幼子の震える心臓のよう
....
キミが マーユを 買って来た
確か 馬の油と 書くんだよねぇ
それって あすこの ラーメンに
入ってた 気が するんだけど
と言う 呟きごと カットして
キミは すする
黄身は と ....
あなたの会社ね
コンペロイランスを
どう考えているのかね
コンペロイランスを
はあ、じゃないよ君!
これだけ世間から
叩かれてるのに
他人事みたいに
それで反省してるのかね
ええ ....
静かな和音がこだまして
鼓膜をかすかに震わす
しかし携帯の履歴はなし
空耳のようだったかなあと
ふと
うしろをふりかえり空を見上げると
やっぱりどこかから
静 ....
マスクマン
ごほっごほっ
花
粉よ
り
も
風邪、
よりも
ヒドイ、鼻水。。。
―ごほんごほん
....
からだじゅうがジンジン哀しい
だあれも悪いわけでもない
空がまあるいわけでもない
それでも謝ってしまうのだ
なみだで夜道の外灯たちが
お花畑んなってにじんでいるよ
....
なぜ生まれてきたのか
考えるために人は生まれてきたと
詩人は答えた
納得できない環境こそ
生きる燃料なのだ
でも
なぜ生まれてきたのか
考えて解ったら
その時点で死ぬのかも知れない ....
髪の一本一本を
毛穴の一つ一つを
しわのあいだを
襞の縫い目を
歯の表を裏を
すべてを磨く ....
富裕層も貧困層も
ギャンブルに
夢中になっている
働くことで
お金を得ることが
当たり前だった時代
街は輝いていた
人の笑顔も輝いていた
悲しみもまた
気持ちを希 ....
少女は ある年の四月からというもの バラードの中のヤマネだった
両親と同じ名ではなく ヤマネだった
冬眠のように まどろんで
春眠のような いつくしみで育てられ
ひかりが はねようが ....
午後の曇を浴び
しなる枝
鉛に降る銀
径をふちどる滴と滴
水を歩む蝶の後ろに
投げ棄てられたように虹は来て
飛沫 飛沫
水紋と歩幅の間をつなぐ
路の脇の ....
人の背たけほどある
横長の宇宙船を縦にかかえ
横断歩道をわたり
洞窟に入った
なかには同じかたちの
巨きな宇宙船があり
底のほうにある継ぎ目を押すと
むかって左側 ....
空は青くて
当たり前だし
雲は白くて
当たり前だし
夕日は赤くて
当たり前だけど
月が赤いと
なんか不気味で
理屈を知って
賢くなって
なんか僕らは
小さくなった
....
質素の中の曼陀羅 血液の中は赤だけに止まらない
溢れ出す 吐き出す息に 染め上げる曼陀羅地図
辿れよ硬直に不動の直感
木漏れ日の隙間 紫外線の害を圏外に寄せ
高級の煌きの蓄積される ....
WBC の裏で
密かに行われる
異空間野球世界一決定戦
果たして栄冠を手にするのは
どのベイスターズか
あのベイスターズの三連覇か
このベイスターズの雪辱か
それとも
他のベイ ....
もうありったけの陰を踏んでしまった
気がつけば空はゆるゆるになっていて
気が狂いそうにやさしい
どのまどろみも平等だった
角のはえた恋人がわたしを映して割れていく
心中みたいなラメが散らばり ....
偽善の多くが
ひとにぎりの
懐を潤して
ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカは
世界の強者と豪語する
911はそれに対する
一つの答えだろう
本土を攻撃される怯えを
彼らは知って居な ....
130305
名高い幻影城趾に佇んでは
古くさい携帯式の並四ラジオを鳴らしていた
城趾とは名ばかりの小高い丘は
松の疎林に囲まれて
がさごそと石ころを踏み ....
僕はいつでも敗戦投手
君のこころのミットにボールを投げ続ける
変化球はいらない
走らない直球だけが僕の武器だが
九回裏観客席のざわめきが鎮まる
打席にはイチローではなく
ど ....
営業途中のランチタイム
環状8号線沿いのラーメン屋で
こども警察から職務質問を受けた
好き嫌いはありますか?
無邪気な質問に対して
トマトが嫌いですと答えたら
ミニパトで本庁に連行された
....
あたくしは 残り物の 炒め物で
ごはん一杯 いただこうかしらん
茶碗に 一杯なのか
イッパイ!! なのか
それが 問題だ
キャベツと 豚肉が
アタシを 待ってる
フライパンの ....
もしもし
もしもし
住むところを
いくども変わったので
電話番号も
いくども変わった
電話番号をたずねられると
一瞬のとまどいがある
0でもなかったし9でもなかった
新しい番 ....
早く起きすぎちゃって
人並みじゃないことがはずかしくって
分針をいたずらして
ほら午前五時を過ぎた
人が生きている音が聞こえ始める
おはよう同じビルに住む人
おはよう見知らぬ人々
営 ....
夕べ見た理不尽な夢を
起きぬけのコーヒーに浮かべ
スプーンでぐるぐるかきまわす
寝起きの頭はぼさぼさで
....
言葉がカランコランと音を立てて
積み上がっていくと
そこには
ぼんやりとした、影が
カチコチに勃起しているよ
勃起すると
サイコロみたいな言葉を
壊して 壊して 壊して
....
団地の三階から友人の父親が、不可知を投げ捨てるように
叫んだ。「お前ら二度と戻って来るなよ!」
ベランダで干されていた傘が、二月の光を
すくい取っていた。雨が降ったのは―
三日前か後に ....
失業者として歩く街は
頭をもたげるようだった
そんな僕を さげすむことなく抱きしめてくれる人を
探していた 池袋の あの子に
おにぎりをもらおうとして ビンタされ 新宿のあの子に
包んで ....
声帯とは何だったか、ドリス。
それは最初、産声のように
孤独を置き去りにして、
ひび割れた食器に投げ入れられた
硬貨のように
丸くはなく、
無数に穴があいている。
「見ろよ、血しぶき ....
三原色が消えた庭で
眠気を誘うバイアスをささやく
後知恵を仕込む月がほほえんで
ドキュメンタリーは終わり
と夜を拡げた
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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