夜が明けて、花が咲く。
暁は白く燃え、
揺れて落ちる。
まるで、
さざめく波のように...
....
ぼぉお ぼぉお ぼぉお
ぷくぷく ぷくぷく
よう食用、元気かい
うるせえ、食用って言うな
何度言ったら分かるんだ
だいたいおまえだって食えるじゃねえか
....
さあ こいさん着きましたで
わてら思い出の法善寺
水掛け不動さんへ
覚えたはりまっかこいさん
わてが初めて〈元祖メカ割烹・Fuji=Yoshi〉に
奉公に上がった晩
....
梁のきしみ
建具のゆがみ
樋のあかさび
側壁のひびわれ
鬼瓦のかたむき
築半世紀もの木造家屋
それでも かろうじて
....
息子は仮眠室で眠っている。
ぼくは杉下さんの容態をメモを録りながら聞いている。
今夜は杉下さんのおられる107号室がぼくの居場所だ。
居場所なんて言い方はおかしいのかも知れない。
....
「宇宙人を噛んだら歯がぬけたの」
あなたがこんなはなしについて、ひゃくまんかい租借したあと
つまんない意味をやさしく添えてくれたけれど、おっきなお世話だった。
だっただったと駆けていったから ....
骨格をあらわに
白い野に立つ
背筋を伸ばし
左右対称に枝を張り
あるいは 捻れ
歪みながら
闇雲に空へ手を延べる
曝け出された履歴のあげく
無防備に芽吹くものを
先端 ....
時となく
海しか生きる道はないと
誰もがアキラメルのに
あいつは、天へと想いを馳せた
けして夢などという 幻でなく、
だから、
俺は
恋をした 誰もがそうするように 思いのとどか ....
風の変り身に
逆立つ産毛はあるが
人の変り身を
捉える触角はない
好奇心の玩具は
すぐに揮発させてしまうくせに
邪推の深海魚は
いつまでも対流させている
賞賛の燃料があれば ....
リップクリーム禁止ね
滑らかなのもいいんだけども
ザラッとした感触の方が
よりいいんだわさ
あなたも、ほら
犬の舌の方が気持ちいいって
よく言うじゃない
あれと一緒
春はもうそこま ....
頁をめくる旅に疲れた私は
前世へ遡ることにした
海の彼方から 押し寄せる敵衆は
一昔前までは 友だった
その一昔前までは 来客お断りの 一見さんで
そのまた一昔前までは 問屋でよく見かけ ....
蟻たち、潰れろ。
そうやって踏んづけても
蟻たちは行進を止めない
畜生め。きっと人間だって多すぎる
戦争だ、
疫病だ、
地震だ、
飢餓だ、
ひび割れたアトミックパワーが ....
難しいことを
ムズカシイことのまま、放って
そらを仰いだ
{引用= 窓から細く伸びたひかりの帯に
ひるがえる
わたしの頭から、逃げ出していったもの ....
それは、
大まかに表したのなら踏切
もしくは縁が擦り切れた、
クラウドの束
私はなかなか爪を切れない性分で、
街には、
ローディング時間がない
そんな夢すら見ないのは
昆虫、
路地、 ....
おまえらがつねに嫌いです
ネイル先で彼氏の蓋をはじきとばしたり、
車両の揺れに合わせ欲情を波打たせる性癖などを飾られても、なんの興味も沸かない
(そうやっていつも、わざわざ口にする
(ヒトは青 ....
カモメが鳴いている。ゲームボーイが発するエイトビットの効果音に似ている。ぼくらのあらゆる体液を染み込ませたエロ本だらけのこの廃小屋が、蒸し暑い潮風を吸ってさらに膨張している。ぼくはかげろうの中にいる ....
子どもたちの語彙が拙いから。
とんぼ
だけど
車
高いビル
飛行機
ねこ
ぬれてる
もうツバキが、
だって
ともだち
晴れ
寒い
/ぼくらの/聞こえないうた/呼ばないで
....
ワイングラスの双曲線、
横顔が解けて砂丘に、一擲の腕を展ばす。
塩の柱、砂糖漬の蜜蜂、良き教説、神父。
壜詰の色褪せた八月、
憂愁の貴婦人と砂糖工場。
産業革命、労働夫の銅版画、反民衆史の子 ....
爪先のリテラシーが
思い出に殺されていく
はんだ付けを間違えた回路が
デスマッチを繰り広げ
四季の裏話が
SNSの距離感を錯覚させて
鋭利な月で
寝がえりをうたないようにして
西の ....
明け方目覚める
喉が痛い
咳が止まらない
身体を丸めながら
台所へ行き鍋に牛乳を入れ火にかける
そこに茶葉を摘まんで放りこみ
しょうがをすりこみ沸騰させ
しばし煮る
囁くような
....
私が好きな淡い色
夜の下を上ってくる
迷子は星の井戸に落ち
いそいで獏が去ってゆく
溜息は草も揺らさない
だんな様の瞳が火事だ
何も言葉は約束しないだろう
出て行くことも 住んでいる 部屋から
そんなふうに思いとどまる 窓辺
すべてが現実だけれど 虚しい
秋葉原で僕は音楽を聴いた
価値は パソコンには も ....
公園にひとり男の子
空を見上げたら
花びらが舞っていたから
これは夢なんだと気づく
くしゃみする間にも
悲しみは正しく生まれていて
目薬を注しても
溢れ出てくるものは止ま ....
弱かろうが情けなかろうが
日常は過ぎていく
淡々と
そうして僕は生かされている
見方によっては
捨て置かれている
と気づいた時に
何かが弾けてしまった
悩みなんかお構いなし ....
次の駅まで5分25秒
話した
他愛もないことたち
人見知りのあなたと
人見知りのわたしの人生が
はじめて交わった
まっすぐに話せないはずの視線が
まんまるな瞳に吸い込まれていく
ね ....
水平線が欲しいと泣いた
混ざらぬふたつが眩しすぎ
泣くしかなかった
空は碧に準じて深すぎて
....
便器を丹念に拭いた
トイレクイックルで
夫の茶碗を
一心不乱に磨く妻は
果たして気が触れているのか
それとも
あら、わたしも時たまやるわよー
なのか
真実は
便器の黄ばみのみぞ知る
仮に、僕の中にいる僕をぼくとしよう。
そして、僕の外にいる僕をボクとしよう。
すると、じゃあ、この僕は一体、何だろう、誰だろう。
ぼくは、
僕になれずにいる僕。
外に出ることがないから、 ....
あなたの悩みなんか
早起きして
乾布摩擦すりゃ
消えて無くなっちゃうとか
インド人なら
カレー食って忘れちゃうとか
そんな
乱暴なことは言いませんよ
言いませんけど
いい加減病院行っ ....
君に煙が届かないよう
そっぽを向いて煙を吐いた
本当は違う
視線外して吐き出したのは
長いため息
君の我が儘、僕のエゴ
どうしたら
分かち合えるんだろう
言いたい事もまとま ....
2300 2301 2302 2303 2304 2305 2306 2307 2308 2309 2310 2311 2312 2313 2314 2315 2316 2317 2318 2319 2320 2321 2322 2323 2324 2325 2326 2327 2328 2329 2330 2331 2332 2333 2334 2335 2336 2337 2338 2339 2340
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.99sec.