粟立つ肌が
早く歩けと脚を鞭打つ
凍雲のすきま
十九時の満月はまだ低く
拾い損ねた人や物より
よっぽど近くにありそうだ
スピードを落とさず
曲がり角も無視して
ひたすらまっすぐ進ん ....
気難しい顔をした男が独り
横顔に夕陽を浴びて
刻まれ顔の皺の陰影
海面から反射した悪意を身に纏う
人生の黄昏時
手ぶらのまま男が独り
視線の先には水平線
海鳥の獲物を掠め取ろうと
....
夕食時って、なんて読む?
――ゆうぐれどき、
に伏せた目線を追われてしまうのは、
この睫毛が人工衛星で、軌道に乗っかるクドリャフカ(わたしたち)が、
ゆるやかに沈(し)んでいくことを知らないせ ....
いつか天を
指差して
立ち上がれる日を
待っている
この世のうねりに
波乗り遊び
飲み込まれることの
ないように
持てるものは
何もないけど
この身ひとつで
体当 ....
目覚めはじめた街の夜を 置き去りにして
東京発二〇時三〇分 のぞみに乗り込む
この列車に乗って人はどんな望みを持つのだろう
あるいは捨てたのだろう
夜と昼の混濁したこの街は わたしに ....
月はね 二つあるのだよ
望遠鏡から離れて 自分の目で見てごらん
三日月の尖ったあごは二つに分かれているだろ
昔の人が見た乙女や兎が住んでいる月
今見る乾いた月の後ろに少しずれて
ぼくに ....
私の胸にはいつも夕子さんがいらっしゃいます。
物静かで、それでいて情緒的な女性です。
ある晴れた午後のこと、買い物をする私の背中に触れる夕子さん。
5月の太陽は暑く、ひんやりとし ....
たまに歩けばにょろにょろと這い出し止まれば肩をめがけて落ちてくる毛虫
驚くのは勝手だよと百足が道を遮れば、ここぞとばかりに網を張る蜘蛛の糸
気分がいい日には何故か嫌な奴にもよく会うものだ ....
途中からただの悪口
たまたま駄洒落言ったみたいになった
勝利の女神は去年死にました
草が倒れ
花が飛び
ビルたちは溶けあう
本棚は崩れ
写真は粉々
音楽は眠った
空が落ちてもかまわない
かまわないよ
愛している
交差点で立ち止まる
君の肩に
桜の若枝が
撓垂れていた
あたらしい通学路に
あたらしい微熱が
恥しげに
淀んでいた
火葬場の匂いのこもる
鉈の重さの
春に
赤か ....
為すべきことはこの世には存在しない
真っ直ぐに歩けないくらい疲れているから
人間は誰かに支えて貰う
壁を乗り越えれないくらい疲れているから
人間は誰かに担いで貰う
真っ暗で何も見えないくらい疲れているから
人間は誰かに ....
死んだ生命の行く先が
綺麗に光る星ではなくて
誰かの心に灯るとし
想いは消えないままで
昨日も今日も明日でさえも
完全な暗闇に綴じない意味は
きっと、
誰かを忘 ....
ないだけ金髪の見透けた青に濡れる紫こそ滲む
境界線をまたぎする病葉(わしらば)は踏み込めず
テケにても履けるパンツ白地のまぶしくて汚れ落ちず
気持ち高ぶればうつつ
更に先の橋擦り過ぎた灯籠 ....
いつもヒーローのかげで彼の役回りは決まっていたんだ邪悪の仮面を纏わされてね
子煩悩な彼の私生活なんて誰も取り沙汰もしないんだね
彼の故郷は地球よりも遥かに道徳的に高次な世界善悪さえもありはしな ....
西麻布で顔も知らない
女の子と抱き合う時の
虹色の夢が今も
はっきりと目をかすめる
友達の先に帰ってしまった
君は今でもあの夜のことを思い
窓の外を見つめているのか
ワイン片手に
甘い愛の味
目まぐるしく廻る
夜に浮かんだ光の海に
堕ちて
堕ち
て
闇の なか
優しい人の面影は
凍える身体の
記憶に染みて
....
アカシアの雨がやむときをききながら
雨がふっているんじゃないかと、窓をあけてみる
月夜なのに、こんなに明るい月夜なのに、
*YouTube アカシアの雨がやむとき (西 ....
「夢を持て」
人それぞれかもしれないが
僕の場合は
現実を壊したい
という一心からだ
常識に逆らいたければ
常識に逆らえばいいのだ
世の中に逆らう事は決して
独りよがりでも ....
世界にたったひとり
取り残された気分で
自転車を走らせる
コンビニを通り過ぎ
高架下をくぐり
収穫を終えた田んぼの
あぜ道をカタカタ走る
目の前の景色は
時と同じスピードで
....
イエスとノーで点滅する夜の街
煙を挟んで向かい合った僕とあなた
時々目が合ったり合わなかったり
弾まない会話と駆け引き
それは多分無意味
赤い唇の中で唾液が糸を引いた
何故か咄嗟に
....
あなたがはやく眠る夜
悲しいことのながれる夜
でもね
あのお店や土手の道には
外灯や緑の匂いが
ひとや自転車が
ぼくらの轍や優しさが
過去から未来に吹く風が
....
おかあさんのことを
ちゃんと想っています今日
カーネーションやリボンつきの包装紙を
横目でみて通り過ぎ
なにをいっても
もう遅いと
それもいいわけ
とにかく
おかあさんはげ ....
緑の匂いがします
鼻と胸が気持ちいいです
外灯が目にしみます
夜風が腕にやさしいです
くっきりあなたを想うのです
いつもあなたがそばにいます
緑の匂いがしま ....
正直に言うよ
君ほど愛した女はいない
だから自分の心を捨てることができた
俺が一番幸せになることと
君が一番幸せになれることが
なぜ同じじゃないんだろうな
悔しいけど悲しいけど
同じじゃ ....
星は一生を終えると
ブラックホールとなるらしい
自身の重さに耐えきれず
あるとき自然に崩壊する
質量だけが生き残り
ただひたすらに落ちている
周囲のものを巻き添えに
人も一生を終 ....
回転寿司屋の板前のブルースとか
山手線の運転手のブルースとか
今でもそんな事ばかり考えているんだ
この前の事なんだけど
風呂場の鏡に捨てられた犬みたいなのが写ってたんだ
誰だって聞いたら ....
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