割れた橋から
差し出される手
何も映さない
水たまり
指の上
冬の川
霧のゆく先
池を伝う陽
外灯の裏の夜を歩き
晒されつづけるはらわたと骨
水 ....
ある日
猫に似た尿意が告げた
(あなたはけして)
(あなたではない)
だからわたしは
めざめて最初に見たものへ
放った
....
西麻布の人気のない通りで
朝がくるまで踊っていた若者たち
死んだような不況の街でも
僕らは探すことを恐れない
それとも悲しみの現れなのか
わからないけれど感覚は
七色の照明の中をのたうって ....
sawagashii 世界
sazanami sazanami 波に揺られたい
sawagashii sawagashii 私は何処いった?
sazanami sazanami ....
幼い日 砂の上で感じた
うろおぼえの 愛の記憶が
繰り返される
青い青い
水平線の上
どこまで行ったら 追いつくの
あの日見た まぶしい
光の海の果てに
神社の脇に湧き出ている水を
手をかざして一口飲むと
喉をコロコロ撫でる
境内に生える大木から
風が気持ち良く流れており緑が眩しい
少しずつ身体中の細胞に広がる湧き水は
....
裏のほうの園庭は
どくだみまみれでだれも近づかなかった
しめったようなぶあつい葉と
こなこなした細ながいおしべ
どくだみはえらい植物なんだよと
先生は教えたけどもだれも近づかなかった
....
ちょき ちょき ちょっきん
ハサミはただ一生懸命 紙を切っていた
紙を切ることが 目的なのだ
ハサミは紙を切りやすい形につくられていた
紙を切ってさえいれば ご主人は大切にしてくれた
....
人生を恨みたくなった時
私はありがとうと言ってみる
感謝している瞬間は
苦しみが消えているから
ありがとう
ありがとう
まず地面があることに
ありがとう
立ったり寝たりすることができる ....
うまくいかない
うまくいかなくて普通だ
だけど
おもしろくない
自分だけにおもえる
そうだね といわれなくて
頭をうたれて
また少し背がちぢんで
背伸びしていたのに
ぽき ....
幸せ太りの設定でいる
泣くなよ東村山に志村探しに行こうぜ
蛍光ペン暗闇で光らなくて泣いている
目の色を変えるようにね
驚くようなファッションでも、
空気を馴染ませて
きちんと味がするところまで浸みている。
たいして体の仕組みは変わっていないのに
音質や画質を高めていって
色付 ....
スタイリー・ルービックキューブって
スゲエ懐かしい組み合わせだけど
何なの?再ブーム?
ワタシニデンワシテクダサイ
ドーゾヨロシク
ハイッ、10秒でフィニッシュ!
ってこと?
そういうこ ....
苦しかったら
ここにおいでと
空が囁いてくれた
でも私には
翼がなかった
辛くなったら
ここにおいでと
海が囁いてくれた
でも私には
鰓がなかった
....
五月のまんなかにライオンがいる
銀のたてがみが揺れている
ライオンのまわりを
光と風と緑のチルドレンが
回る回る 幾重にも回る
ライオンは深い瞳だ
そして静かに微笑んでいる
....
【カロート】
骨を収めるところだ
簡単じゃないよ
市民の骨を有料で収めるうつわだからね
俺はそんな仕事は嫌だったが
青焼きを渡されちゃ嫌とも言えず
自ら重機の操りも ....
優しい嘘と残酷な真実
つきたい嘘とつけない嘘
死にたい私と死ねない貴方
ぐらりぐらり
アンバランス
シーソーゲームの毎日
片足浮かせてゆらゆらと
地に足つかない私たち
知ってい ....
1.虹
紐といた
気の遠くなるひだまりの路線で
彼のもつれた襟足に
昼の星は木漏れて消えた
2.スターバックスラテの矛盾
おびただしい反則が
やがてあらしを連 ....
負けるもんか
って思ったけど
勝ち負けじゃない気がする
わかってよ
風がふきつける
わかってよ
わかってよ
いろんなものをとばしてゆく
私は
とばないよ
ふんばっている ....
雨の目覚まし湿度 程よい温
右に傾かず左に傾かず 軸を感じる
雨季を待っている 四季は美しいから
日差しを和らげる優しい曇り空 大丈夫 心の底は晴天だから
自分にしか伝えられない感覚を ....
「明日」
ATMから引き出そうとしたら
お客様の明日は残高不足です とアナウンス
借金ばかりの恋で底を着いたのか
利子もあの子ももう赤字になって去っていく
振り返るのは嫌いだが
この ....
だいぶ前に終わってしまって
今はない
あの頃はあったのに今はない
だから、
代わりのもので補填する
それで日々はまわる
ひたすらにまわる
何もない
何も変わりはしない
ただ、 ....
生きる意味をもうこれ以上考えずに 生きていたい
荒野に佇む私でいたい 大自然の一部を身に染み込ませたい
文明の方向を確かめたのか 進化を時間任せにしていないか
電波たちが各々の魂を操ろう ....
会いたいと思う時間より
会えない時間が長くなり
三分刻みの砂時計
今の僕らには遅すぎて
会わなきゃいけない時間より
会いたくない時間が長くなり
裏返らない砂時計
....
放浪
電車賃
五百円
それを残して
あてどなく
恨み辛みは
背中に
とぼとぼと
まちを彷徨う
銭を奴にと
思った事もある
....
駅裏路地の喫茶店
奥の席でわたしが
そっと開く小さなノート
八月昼下り
お店の外、炎天下
陽炎がゆら、ゆらり
でもここは
寒すぎない冷房
照明は月明かりの夜みた ....
死んだような人よ
始発の電車で何処へ帰る
死んだような人よ
心は故郷か家に置き去りだ
死んだような人よ
あなたを愛する人を裏切った朝
あなたはその体を抱え何処へ帰る
あなたの ....
重苦しさは蒸発しない空気のせいだろう
冷めた首筋の脈を促す気配に、昼と夜の違いなんて在りもしない
「凶器を手にしたまま祈る人間は信じない」
彼は地と空へ向けて強く言い放った
引力から ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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