汲みあげる
言葉になる前の想いが
溶けている井戸水から
丸い壁の井戸の底の水面には
手がとどかない
のぞきこむと
そこには何十年もつきあってきた
おれに似た顔がいる
顔はつぶや ....
路傍
死んだ鳥の目の見開き
この陽射しより強烈な光が映っている
頭上
毟った蜻蛉の羽根だけ飛び立つ
腸まで透けていく陽射しの下置いて行かれた
空調の微風が室内に積もり
あらわにな ....
熱湯を浴びたあと
綺羅綺羅しくこおりが浮かんだ
キンキンな水に投げ込まれる。
いちばん色鮮やかで、歯ごたえのある状態でとまる。
サッて血が昇って(顔が熱い!)
サッて血が落ちる。
わた ....
手紙を書いた
何枚も便箋を使って
何度も鉛筆を削って
辞書も引いたし 有名な詩集だって見た
伝えたいことはたったひとつなのに
その一言が見つからなくて
どの言葉も足りなく ....
幸せの意味求め 呟き合う
何度でも そう何度でも 飽きぬ空
ここが安寧の居所と決め 互い待ち合わせて
そこは ふたりだけの場所
「誰が為に」
ふたりの笑顔が揺れる その赤の映えるは
「 ....
童謡を読んで
書いた詩人を紡ぎだした
環境を排除して
言葉を撫でるように
なぞるだけで
現代の裕福な子供たちが
詩を受け取ることは
出来るのか
会場にいた観 ....
季節は冬
空はいちめん曇っていて
あたりは薄いベールをかぶったように
淡くてうすぐらいコントラストだ
右に目を向けると
彼女の左脚とそれを抱える左手が見える
体育座りをしている
ぶ厚 ....
したたかに濡れたひな菊のとなりで
腐り果てた一羽の雀
受け止める土は泥のようで
月の光も届かない
空家と廃屋に挟まれた僅かな路地のことだった
塗り潰されたような目
塗り潰された ....
すごく燃えてて
限りなく壁がなく
数億数兆 星の数
薄っぺらや
分厚い難解 必然不必要
目が 目が 眼が 焦げちゃいそう 強すぎて
でも 面倒くさいんです! どうしようもない。
エネルギ ....
右腕を残像が目で追えるかの如くの動きで上げ 右顔面を覆う
左目はこっちを恭しくも冷たく見る 凝視を 含み笑い隠しながら
艶を消した呂色化の湿度感
首から下は呂色の黒身
気にも ....
異様な色の雲が
頭上を物凄いスピードで流れ
不吉な予感が
風に乗った電波で
直接的に送信される
老婆が路上に倒れて
泡を吹き
幼児が2人
互いの髪を引っ張り合い
若妻は
....
分断されてゆく
もうなんどめの喪失感だろう
季節やこころのことは
もう書き尽くされていた
また熱帯夜がやって来ようが
秋の虫たちは鳴くのをやめなかった
考えると ....
その木の葉が伸び盛り
いろづき終えたのち
その木の葉は
いさぎよく散った
ニンゲンも産声を
四次元に響かせたのち
その歓声は名残おしく ....
Casterをすってはいてあまいふうりん
君がいて僕は完成形
傷つくにしても苦しむにしても
一番近くで愛していたい
いくつもの交差点を越えて
道はまだ続いている
緩やかに弧を描くカーブの先に
終わりはまだ見えない
進んで 止まって 曲がって 進んで
約束事を守って運転していても
右折してきた ....
夏の暑さを和らげる
昔から飲まれているラムネ
瓶のラムネは殆どなくて
プラスチックのものに変わった
ビー玉だけは硝子
プラスチックでは物足りない
瓶のほうが透き通って夏らしい
....
慕情とか
郷愁とか
そんな古めかしい語句を
あてはめてみたくなる
吊り革につかまってみていた
車窓の風景
たくさんの人々の日常が
幾重にも重なり すれ違っているはずの
それでいて私 ....
細長い廊下の突当り
洗面台で顔を洗う
銀十字の蛇口をひねり
白いしぶきを手ですくい
顔にかける
清潔な白いタオルの
やわらかな糸で水をこすり取る
鏡の向こう
自分と目が合った
....
その
かんざしから
ふとももから
くしゅから
つけまから
れいざーびーむ
やえば
と
えくぼ
から
れいざーびーむ
うなじ
と
けんこ ....
最強パンチ
この世で一番痛いのは?
神田みち子の平手打ち
滝れんたろうのゲンコツ
教師の愛のムチ
愛の無知は
あんとき痛かったけど
大人 ....
電子レンジの中で何が起きているのか
ぼくはよく知らない
中に入れた物が熱くなって出てくる
そういうものだということの他は
操作方法だけ知っていれば困らない
ターンテーブル ....
深みどりの雷雲が
午後から夜へ沈みゆく
生乾きの蜜の壁
羽を持つ虫に埋もれながら
暗がりの履歴を見つめている
霧の頂点に落ちる光
窓の無い家に映る四角い明かり
壁 ....
誰もいない貧民窟に
火をつけてまわっている
腕に落ちる黒い滴
横顔を映して動かない
棄てられた木製の遊園地で
コースターだけが走りつづけている
午後の灰が
残 ....
死と
チェスをしていた
これが二度めの生だと
負けた後で気が付いた
九月十三日の朝
風のこどもたちは
キッチンの西窓の向こうで
すでに足踏みを繰り返していたとみえ
私が縦長の窓を押し開くと同時に
遠慮なんかこれっぽっちもしないで
じゃれあうように
とびこ ....
お湯をそそいで台無し
お義母さんから昨日メールがあった
ここ2・3日夏が惜しんで最期の力を振り絞っているから体調大丈夫とのこと
若くして最愛の伴侶を亡くしながら 女手一つであの人を
逞しくそして優しく育て上げ ....
雨上がりの木立の緑は歓喜に溢れている。
森の音楽隊が優しい音色を響かせる。
今はオルゴールの狂乱も記憶の彼方に薄れゆき、
深い瞑想の時に親しむ。ある厳かな雰囲気を持って。
等身大の天使 ....
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