葉月の昼下がりのどうしようもなくもてあました窓の
したで、たったいま、わたしにできることをすべて思
い浮かべてみても、ただ、雨の日の猫のように四つ足
を投げだして眠ることしかできなかった。
....
真白い蝶が飛んでゆく
空へ 私の生きる地から逃れるように
あの{ルビ暖かい=燃え盛る}太陽という名の安らぎへ
{ルビ脆い=もろい}羽をはためかせ
黒い蝶が飛んでゆく
空へ 私の横たわる大 ....
耳はかたむく零雨にしげる
無職でサラリーマン川柳を吐く
未来の自分へ書いた手紙に苦しめられている
一円にもならぬ詩を書いて寝ている
きめたの
あなたと、いきてゆくこと
そして
きめてくれたの
わたしと、いきてゆくこと
そんなこと
ゆめみたひとが、
いたけど
そのきもちは
きらめきを
はなって
....
取り敢えず
正社員を目指しなさい
正社員を!
それはさておき
通勤前のひとときを
ソファーに深く腰を沈めて
コーヒーを飲みながら
タブレット端末で
エロ動画を見て過ごす
おっ ....
第一レースで君は僕に向かって
「いきそうになったら言って」と溜め息を吐くように言う
それは優しさですか? それとも愛ですか
そんなこと、どうでもいいんだ
たまに小さな嘘が吐けたらいい
誰 ....
頬を伝った涙の滴は、
構造的に口角へと落ち、
なんとなしに舌で掬って、
馴染んだ味が思い出されると、
センチメンタルでもなくなって、
濡れた口角は持ち上がり、
出来すぎた機能美 ....
たとえば海に沈んでゆくあいだ
仰向けに真っ青な空を眺めながら
ゆっくりと溶け合うように
その感情に浸っている
太陽の光を浴びた無色透明の
その澄み切った色をキャンパスに描いてみたくなる
誰 ....
おれの家にはカミサマがいる
毎朝公園を散歩する
おれがよりそって歩くので
怪しげな影は近づかない
近所で揉め事だ
カミサマを守っておれが出ていく番だ
言葉に気合を入れる
四十年近くも会社 ....
ゆっくりと目覚めた休日の朝
起きるとテーブルにはもう目玉焼きができていた
おはようを交わしたまではよかったのだ
目玉焼きの ....
*
あおい夜のシナプスが
ピアノ線のよう
音もなくしのびこむ
月の影
月は ぼくを
しらない
ぼくも 月を
しらない
*
風のない夜
オオミズアオ ....
会社の女の子は俺に緊張している
いつのまにか会合でも
年下の奴には偉そうになっている
出会うひと
出会うひと
もう自然体で偉そうになっている
いつ頃くらいからだろ
....
アルデヒドの香青紫
腹式呼吸が囁く息遣い
鐘が透き通り鳴らす
いつも奴がやって来る
登場人物の証明書を手に
今から会議だと言う
出席決行な目線で誘う
アルデヒドNO5をつ ....
ツキの尽きた夜
月の欠片を突き合わせ
とろりと混ぜた液体を
そそくさと流し込む
この身体に
この心に
乱れた図体は
案外 頑丈で
どこまでも
壊れない
ように ....
いまさら、あきばではないだろう。そのくらいわかってる。まきばの朝でもない。こそばゆいメルヘンみたいで絶対ありえない。むしろ上野だな。まだまだあまちゃんだし、じぇ!が足りないし、
夏ノ雨にとけたトイレ ....
伝えられない告白ならいらない
伝わらない言葉ならいらない
視線だけで伝える告白
視線だけで伝わる言葉
それが幸せなのか
それが切ないのか
君だけが知っている僕の気持ち
君だ ....
濃霧のような夜の中で揺らめく影、ぼんやりとした輪郭を辿って…壊死したような思考がまるで要領を得ない文脈を蒸気のように吹き上げている夜の帳、渇いた砂のような身体を壊さないように、胡坐をかいて目の ....
顔背けて
二本の指で
摘まみ上げるっちゅうのは
余りにも
情がないんじゃないの?
加齢臭は認めます
でもね、それは仕方ないンじゃないかしら?
年なんだから
洗濯すればいいでしょ
....
激しい熱帯夜に ミヤマクワガタが歌います
♪あー 明日の朝 ぼくのとまってるクヌギの木を
蹴らないでー
どうかー おねがいー
どれだけーしがみついてもー ....
<材料>
トマト4個
玉ねぎ1個
パプリカ2個
ちくわ1本
オクラ3本
オリーブオイル大さじ2
夏の風1分
現代詩2作品
遠くの歌声1曲
ホースで庭につくった虹7色
<作り方 ....
頭が良くても
手先が不器用な外科医より
無学でも
腕の良い大工になりたい
(AV女優 紅力彩乃)
それはさておき
ネットで悪口を言われたからと
逆上して
歩行者天国に
突っ込み ....
言語ゲームと生活様式
詩人という存在に
意味を与えるとするなら
“話せばわかりあえる”
そんな平和をもたらすことに
あるのだろう
言語活動やそれにともなう諸活動の総体をあら ....
海馬が海を欲しがる
海馬が馬を欲しがる
僕は君を欲しがる
非常に脈絡がないが整合しているさ
君の内臓を貫いて心臓へ達する
もちろん致命傷だ
それが僕の返礼
海馬は賢いんだから
海馬は透 ....
仄かに月は翳りようよう薄明が始まろう
短縮された歴史はこの一点に凝縮する
ストレンジデイ 僕は 獣になっていた
フロイトに精神分析されている夢をみる
そう僕の中の彼女を苦しめてはいけない
僕 ....
僕は今日は怒ってないがいつか拳振り上げて立ち上がろうと思っているんだ
何にって 僕にもよくわからないんだが 何か僕に巣喰う不条理とか
それは俺がお袋の熱いあそこからうまれた証なんだ
....
「ぼくの夢」 と書かれた作文用紙に、続きを書かない。
それを見咎めた先生がぼくに近づいてくる。
お前に夢はないのかなんて熱血ゼリフを言ってる先生がいる。
先生には夢があるんですか?なんていう ....
未聞の覚えを悟情の親指と人差し指 編んで図る
負ける訳にはいかない されど 落とさずに拾って手渡す
無心が斥力を浴び 彼方を駆け巡る とりわけ宙に趣く
そんな浅はかな脳はいらない 無心 ....
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