大人びていく幸福に
ついていけないもどかしさを
毛布のやわさでまやかしながら
わたしは夏を食いつぶしている
開け放した窓からは
額を撫ぜる弱風と
時点に留まる笑い声
途切れること ....
しろく しかくい たてものの中から かわいた無数の命の声がするのを
しずめるかのような噴水
しろさ きわだつ 広島平和記念資料館を想いながら
床についてみた夢は
しろい塩で できた ....
濁音だけでも、半濁音だけでも、
ポイズンにはなりませんでした。
ポイときて、ズンと効くから、
ズイポンではいけませんでした。
空気に混じってたくさん殺す。
紫色の飛沫。
よい毒製薬 ....
県民歴3年
まだ「知心剣」を使いこなせない
大分川沿いを毎日 散歩していた 普通の大きな川
私にとっては新天地の特別な川
川沿いの舞鶴高校生がカヌーの練習をしていた土曜の午前
先 ....
夜というものがやってきて
わたしからほとんどの言葉を奪いました
傘のないわたしは
鉛色の丘へゆき
現代詩をつくりました
誰にも響かない詩
それでも
それは、
ばらまいたら星になりました ....
道端にタバコの吸殻が点々と
公園のゴミ箱に空き缶がなみなみと
今日の汚れが明日には雨に流されて
またいつも通りの表情を浮かべる街
漂うカレーの匂い
独りでに揺れるブランコ ....
ひとは
母音だけで会話するときに
かならずしも
自分に正直だとはかぎらない
相手に誠実だともかぎらない
水色のキャンディが
口の中で溶けていく速さで
きみはやがて
いろいろなことを ....
二次元に見放される
策士策に溺れて藁を掴んでいる
君の前で溺れるから人工呼吸してください
切り株は年輪をあらわにごろりと傾く。
森は風の音もなく 葉が降り続く。
朽ちることを拒むものはここにはいらない。
いつまでもあり続けようとすれば
真っ逆さまに高い梢から堕ちるだろう。
ありと ....
未来が見てみたかった
二〇?Ý年、僕は60歳…
そんな僕が、何してるのか見てみたかった。
タイムマシンなんていうもののモニターに
ぼくは真っ先に飛びついた。
ああ、なん ....
やさしい歌しか歌えない君は
どれだけ瘡蓋を剥がされたのだろう
もう止めにしないか、
止めにしようか
新宿の南口
人波を掻き分けるように歌っていた
存在して良 ....
ヒューヒューヒュー
ドーンと叫んで両手を高くあげ
おもいっきり地面を蹴ると
おじさんの体は
そのまま夜空へあがってゆく
おじさんの花火だった
おじさんは夜しか現れない
ビョーキかもし ....
一杯の珈琲に人は人生を眺める事がある。
私は常にストレートでゆきたいが時にはミルクを入れたくなることもある。
私はあなたに想像の余地を与えない悪戯をしたくなる時があるが、
今回はやめておこう ....
その重たい扉の向こうにはあらゆる人生が生きている。
その人生を見ようと見まいと全ては自分の意思に委ねられている。
ふと足を止めるが答えは最初から決まっている。
私はその重い扉をゆっくりと開け ....
私は力強いものを求める時、大海を想う。
海はその不思議な力で私の挫けた心を救ってくれる。
雄大な空間に大きく放たれた魂が私に投げかける言葉、
『生きていればこそ。』
私は悲しみに暮れる ....
壁なのだろうか
雨だったのだろうか
全てを忘れてしまった
前に進む言葉もなく
手のひらの上を
くるくると いくつもの雪が 舞っている
ただただ
思うことは何もない
恥ずかし ....
....
夏の夜に
思い出す
同じ日
一年前の
熱い気持ち
日曜日
公園端にひまわりが伸びていた
二輪はふてぶてしい黄色
子ども達のはしゃぎ声を
したり顔で見下ろしている
あと四、五本のはまだ早緑
背丈は一人前なのにねー
大きな葉っぱを着て
....
透明な鍵盤に置くかのように
あなたの指が宙にとどまる
噎せ返るほどに暑い八月
そんな形で朝は始まる
夢のなかでそれは確かに
風靡く草原を鳴り渡って ....
詩?
「興味ない」
まあまあ、そう言わずに。
流し読み感覚で。
はじまりの朝だ。
もう、夕暮れだとしても。
はじまろうとしているなら、それは朝だ。
はじまりの ....
羽化する前の 蝉が
黄色い傘に 必死で 捕まっている
リアルな 姿に 出会いました
中の 緑色の 羽根が
微かに 見えて
それは しっとりと 土に眠る頃
描かれている 心のよう ....
まだ、帰るわけにはいかない
決意に追われ故郷を出た
寄せては返す人波に魂を焦がしながら
有象無象にこの身を投じる
揺れる魂
ぶつかる光と闇
そう、分化する地球
なぜ比べる
....
この時期になると
日本中あちこちで
ある花火大会
君と行った初めての
花火大会を思い出すよ
君の喜ぶ顔が見たくて
内緒で始発の電車に乗って
場所取りに行った
山下公園の特等席に ....
しゃりしゃり しゃりしゃり かき氷
アベックぺたぺた かき氷
夏やねぇ あつっ!
私は午後のコーヒーショップで
独り読書をしている
斜め前のテーブルでは
女子高生達がお喋りしている
BGMは懐かしい曲
『You Don't Know What Love Is』
邦題 ....
その鳥には名前が無い 永く忘れていたのかも知れない
その馬には乗り手がいない あまりに荒々しいから
その石には角が無い ずっと転がってきたから
僕は銀河の鳥の名前を知りたかった
....
色は光にかざして
乳首から乳輪にかけて
その濃さで年代がわかる
香りは
ミルクの匂いがしたら
ヴィンテージ品
軽く口に含んで
舌先に載せ
転がして
舌触りを確かめる
二三度吸ってみ ....
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