東京の街へは二度と来るものか
、と誓った夏の終わりの東京。
ノンアルコールを片手に私はヤモリだった。
* * *
{ルビ「あれ? 未成年だっけ?」=大人の男の人の声}が私に当 ....
フライパンのうえの未成熟な太陽系に、うっかりと落としてしまった、
君のしろい星のかけらが、
ぼくの宇宙(コスモ)を未だに巡る、ひとつの彗星となっている、
漂泊の路は白く乾き
振り返ってみれば
足跡は曲がりくねり
彼方に霞み 消えてゆく
あれから{ルビ幾年=いくとせ}経ったのだろう
春は桜の花びらに埋もれ
夏の陽はヒマワリを照らし
....
豊羽鉱山で働いてた高橋のおじさんと
おばさんの家のみゆきちゃんは
ボクが小学校の時
泊まりに行って
夜中におしっこに起きて怖くて
動けなくなった時に
「一緒に寝るかい?」と
声をかけてく ....
能登の震災で
みんな困っているのに
相変わらず
お前らは自分語りのクソ
自称詩に終始して
全く恥じるところもなく
アホみたいな顔していやがる
なあんでお前らの頭の上に
瓦礫が落ちな ....
ゆるやかに
意識ほどかれ
やわらかに
見慣れた景色
ふと浮き立ち在り
波打つ岩の割れ目
ゆるりひらいて
見慣れぬ初めての
景色ひろがる光景
ゆるやかに
ほどかれた意識
今ひと ....
現の底から
浮かび上がる
思い出の予感に
陶然と
現の過去の遠さが
俄に近く狭まって
古代の太鼓の打刻音
木霊となり鳴り響き
底の底に横たわる
わたし独りのたましい
融通無碍に踊り ....
関西風のだしがおいしかったうどんの店は
コロナが始まってすぐのころ店を閉じた
よくお世話になってたのになあ
売り上げが落ちてかどうかは知らないよ
四月にはなくなってたから
それで、ちょっとし ....
ゲット・アップ・ルーシー
『われわ ....
....
凍ったフロントガラス
朝日が少しづつ彼らを懐柔すれば
やがてそこは完璧な薔薇園になる
回旋塔のはがれかかった塗装から
こぼれ落ちるドライフラワー
校舎の壁にはヒビの花が
鉄屑には錆の花が
....
何か一歩踏み出したら 素敵な何かに出会えるかしら
きっと 何かあるのでしょうね 確率はゼロじゃない
でも その素敵なコミュニティに 迷惑をかけない自信がない
素敵なものは須らく 私と ....
――外気温2℃。
深夜の阪和自動車道を
オートクルーズで突っ走る
後部座席には竿がある
目的は、磯釣りだ
前回の屈辱を晴らすべく
ウキをハリス側にセットした
これで仕掛けは撒き餌と同 ....
ドラッグストアのレジのところで
「お疲れではありませんか」
と聞かれるときがある
僕はそのたびに
「いいや ちっとも」
と返す
すると店員が
何か困ったような期待はずれのような顔をする
....
天がすることも
私に都合のいい
ことばかりではない
それでも
これも運命 天の自由だ
・
空を
見ている
私を
見ている
空を
・
宙の闇に
冷えた星が
ひ ....
ゆるせないことを
ゆるすことにより
前へ進めるので
私は振り返り
黙礼をする
年を取ると
悲しむ力さえなくなる
わんわん涙を流しながら泣いたのは
いつだろう?
知人や友人の葬式に行っても
焼香して故人の顔を見て
「お疲れ様でした ありがとうございました」
などと言 ....
異様さの
呪いの深み入り
夜闇に沈む天井の
一角だけ真白い光の帯
凝視し次第顕われ確か在り
終わりから逆算される残余の日々、
生き生きと生き天真爛漫さ失わずに
戻り水を飲みな ....
天使の翼に乗って
羽ばたく花の
聴き入る
北極星の蒼い声、
〈君は何処から来たの?
そんなに冷え切って〉
深い闇の奥から
引き裂く声のヒビキ渦中
深い闇の奥に潜むヒカリ掴 ....
イタコ、暖炉、雲の姿。ガスの目論んだ固体。
いたこ だんろ くものすがた がすのもくろんだこたい
重く語ってったか、蜘蛛を。
おもくかたってったか くもを
餅の命の要素。滅ぼそ ....
....
カーテン開ける
東の窓辺は柔らかな
柳の芽吹き おもわす光
三度目に
鳴っていた携帯のアラーム消して
私を 執拗に抱きしめるコットン毛布から
這い出してきた脳みそが
....
ぬれた星を見上げ
渇きをいやす
眼球は
キリギリスを歌う
風見の舌と睦みながら
吐血の祈り
内視鏡では
さかしまに蜷局を巻く
死は累々と
あどけなく惨めに
染みはそのまま
母の着 ....
社会の底辺で生きる
意識の高い人は
四角四面の性格を
三角社会に収めるために
半分諦めている
半分諦めなければ
絶望の面積になるので
それよりはいいかなと
2で割って生きる
....
君と僕とのあいだに
置きたい言葉があるとして
それはいつも最初の言葉であり
最後の言葉
初めての言葉であり
いくたびも繰り返されてきた言葉
すでに過ぎ去ったこと
あるいはいま ....
山茶花の
散り染めし途、
花片もえたち
明るさ投げかけるのは
心の所為
夜のしげみに
いく重にも
折り畳む
紅を、抱いて目映いのは
心の所為
....
従順さで囚人の憂いは免れぬ
自由を求め、逡巡するな
散々説かれ
陰惨な世に野垂れ死に
どうしようもなく
相手が悪いと
今、諦観す
お隣のベランダで
お葬式が始まっている
空は澄んでいて
ご焼香の良い香りが漂っている
わたしの持っている図書館は
翼が無いのに透明だから
時々午睡をすると
豆腐の表面にも
良い ....
○「人間というものは」
「希望があれば立ち上がり
見通しが持てれば歩き始め
目標が決まれば全力で駆け出すものだろう」
○「詰め」
弓道に
「五分の詰め」と「八部の詰 ....
ひこうきぐも、
それは、ひこうきが飛んでゆくように、
あっというまに経過してゆく、
とても楽しい、
ひとときのあとの余韻、
ひこうきぐも、
それは青空にもきざみたい、
ぼくのよろ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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