夜の荒れ野
肉厚の双葉
祈りに閉じる
滴の手のひら
瀧が桜に覆われ
音しか聞こえない
やがてすべてが
流れの先に遠のいてゆく
舗装路の亀裂に
沈み ....
氷河期が
水たまりに立っている
前を向いたまま
あとずさる
光を手放し
今も 拒んでいる
忘れた 忘れた
だからどうした
おまえ ....
洗うことを忘れた
精液まみれの手を
誰かに受け渡した
「切って、切り取ってよ、」と。
終わりなんてなかった
始まりもなかった
世界なんてものは、そうさ、
切って、切ってできたもの
愛が理由にならない最終バスのなか
女と男は指を繋いで
まっさらな舟を編むような気持でいた
ここには何もないのに
海を
みたこともないのに
ぼやけた毎日
流れる 日常
僕は どこ
40代さ
僕はひとり
殴られたとき
首都高速の窓で
泣いていた
つらい現場作業
二年前の夜
なぜ金を
心を削ってま ....
はずれるとき
音はただしい
はじめからはずれていた
輪は閉じていた
幾たびもはずれながら
いちいち動じている
しかしながら
はずれるとき
あきらめはもう終わっている
そし ....
NHKのアナウンサーが
各地の日の出の時刻を告げている
金沢6時29分6時29分
大阪6時30分6時30分
広島6時41分広島は6時41分
天体に住むぼくたちを愛おし ....
陽のあたる書棚 憩う一羽の本
タランチュラのような手が二つ
美しい表紙を捕まえると
隙間なく閉じられた頁に太い指が滑り
弛緩した貝 白いはらわたよ
青く刺青された文字は星 ....
外光が入らないため暗く、吊るされたばかりの洗濯物の
せいで湿気った階段の、狭い踏面に落とした拳骨程のあ
んぱんを拾い上げて無理やり口に押し込む。一回も掃除
しない、薄く埃が積もる階段は不服そうに ....
何か栄養素が足りないような思考
無意識に生姜湯と書いたメモに従い はちみつ不要で机の上
もう少しで つわりの時期を終える
猫がしょぼーんと鳴いている ごめん かまってあげられない
ベ ....
どういうふうに笑えばいいか知っていた
人びとが納得するために
どういうふうに傾いで、
どういうふうに泣けばよいか
いまは
だから
どういうふうに笑えばよいのかわからない
自分の納 ....
忘れようとしていたことを
思い出した
あの人だけに触れたいと思うと
あの人だけには触れられなくなると
あなたが私を失いたくないからついた嘘なのか
わたしなど失ってもかまわないから ....
僕の心には池があり
そこには
白い花が咲いている
人を憎しんだり
恨んだりするたびに
濁った水から赤い蕾を出し
パンと空気を震わせて
その花は清らかに咲く
どうしても
どうし ....
いつも待っている
誰かを
何かを
右手か
左手で
いつまでも招きながら
黄色い砂埃も
べたべたしたちっちゃな手も
酷い陽射しも
すぐに味がしなくなる憐れみも
....
見ては駄目 見ては駄目と思う心と裏腹に
視線が先にあなたを見つけてる
気づいて欲しいような 欲しくないような
そっとあなたの名前を呼んでみる
私の隣
右腕がほんの少し
触れる距離
胸をくすぐる
その意外性や
時々見せる、悪い顔
手帳に並ぶ
今日のあなたの靴下の色
一昨日はグ ....
烏よりも黒い髪
絹のように滑らかな肌
まるでルビーのような
赤い瞳
レッド・アイ・ガール
どこもみていない瞳
きみは確からしくそこにいて
どこにもいなかった
紅い少女
笑うの ....
孤独を直視せず笑っていた
素晴らしくこれ以上ないであろう
素晴らしく憂鬱な日々では
視界に入る物全てが僕をみくだしていた
信じれる勇気もない奴に
この痛む胸傷跡は見え ....
浅いドブ河に
浮かぶ溺死体は男
伊達メガネにコンタクトの男
オーダーメイドのメガネの出来次第では
バディ・ホリーに似てなくもない男に
白亜紀の大きな赤い鳥がとまって
脂色の嘴で
割れたメ ....
垂直に伸びた滑らかな心地よい破滅が、
有機LED照明の夜を華やかな血の色に染めて
犬になる、坩堝に溶かされたユダヤの歴史を切なく青い闇に灯していた
まるで愛のない‥‥産地偽装した悦びの声と
そ ....
愛のないツッコミする人のポケットにレシートがいっぱい
同じ具のおにぎりばかり買ってきている
周回遅れで先頭の気分
知ってるよ分かっていたんだよ
澱んだ水溜りを眺め暮す日々に
虚ろう僕に刺激がチクリと刺す
刺激は香り高い真紅のバラの棘
灰色の低い雲が空を覆う日々に
虚ろう僕に刺激がチクリと射す
....
肉体が発酵したことを示すように
汗は一枚の流れる衣服として肉体を飾る
俺は文明やら責任やら愛情やらの硬い網から這い出て
大地というまったくの物質に物質として衝突する
ここには人間はいないし ....
部屋の隅であなたが死んでいるから
ドアが開けられない
ぼくは部屋から出られない
せめてもの暇つぶしにと
本を探したが、
あったのは『謎の男トマ』だけだったから
窓のそとを眺めてたら、
....
また新しい朝が来て
見慣れたカーテンの隙間から
初めて出会う光が射す
窓の外は少し寒そうに
木の葉が遊んでいて
足元を這う蟻はせっせと
冬の支度を急いでいるの
この部屋に引っ越してき ....
ふゆがくるまえに
ゆきがふるまえに
きつねのてぶくろを
つけないと
....
しなしなと
深夜のラジオが
ひなびて曲を鳴き奏でる
くるくる風括る
晩秋は
始めとも終わりともなく
じりじり
砂を嚙む
ときの流れのとどこおり
いつ ....
言葉って ドミノに似ている
並べ方は無限
どんなに時間をかけて並べられた大作も
たった1ピースで壊滅
うまくいくかどうかなんて
最後はほとんど 運を天にまかせるレベル
言葉って プ ....
2131 2132 2133 2134 2135 2136 2137 2138 2139 2140 2141 2142 2143 2144 2145 2146 2147 2148 2149 2150 2151 2152 2153 2154 2155 2156 2157 2158 2159 2160 2161 2162 2163 2164 2165 2166 2167 2168 2169 2170 2171
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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