部屋の鏡を
うごめく時の中で 見ていた
変わらない 笑顔の思い出の中で
それを思い出していた
過去のことではないと思う
風呂に 沈みこんでいた
ナイターのチャンネルを回 ....
欠伸と溜息ばかりの酸欠美人
憂鬱な一輪挿しに蒼い微笑
死語とエゴの齟齬で過ごす
午後の惨さ
相違ありませんか
花鳥風月と課長風下劣
おやめ下さいその菓子は
名刺の角で指を切り
....
耳を塞いでよく聞きな
俺の生い立ちはこうだ
頭を巡らせてみると
格子の向こうに四角い光
その中からこっちを見ている一本の木
やっと首の据わった俺が
ベビーベッドの中にいたというわけさ
何 ....
銀色の時計を巻く
なにかの口実みたいに
夏が秋に変わったことに
驚いたようなふりをし
やがて 歌、うたい
ドレミもわからないくせに
唐変木
素っ頓 ....
がんばれなくなったひとを
ぼくは見つめながら聞いていた
それは裏切りなんだろう
そんな言い方はよしてくれ
なみだが風に吹いている
ここではないどこかにあるのか
灰色 ....
ある人だったと思う 土を掘っていると カチン
石が出てきて そこには おはようございます と 彫られていた
大変珍しいものだと 発表された
これを見るため ....
(青年期)
にびいろの空にぶら下がっていた
的をはずれた青い春の無駄矢が
(中年期)
秒針がブツブツしわぶいていた
赤い夏の夢を償却できた気楽さで
(高年期)
白い秋の月が窓を覗きこんで ....
黒くて丸い
何らかの卵と思われるものが
栃木県内の小学校で出された
給食のパンに
大量に入っていたことが分かり
問題となっている
県内のグルメ評論家に確認したところ
この卵はチョウザ ....
くるくると 空を回る 姿は
地上から 見据えれば
仲良く くっついているようにも 思えますが
実際は 空間に
それぞれ 浮いている 存在。
その 不思議
クラクラと ....
愛はカナリア
憎しみは高く
僕はフクロウになりたかったネズミ
掴まり立を始めた願望の宿主
目に映る全てを食べて
すくすくと成長を続けている
....
カラカラと
秋の終わりの晴れた空
地に帰る落ち葉たちが
燃える 燃える
その存在を燃やしながら
この命を暖める
ああ、いつかはこの命も
燃え尽きる
その時にもどうか
....
国家試験を受けられなくて
例えば人生の終焉などについて
小部屋の中の哲学を啜っていた私に
先生は声をかけてくれた
人生は終わった
人生とそれに接続する世界は終わった
終わったは ....
母の手作りする洋服は
大体において
あらかじめ寸法が大きかった
未来が足されていたから
子どもはすぐ大きくなっちゃうからって
それは言い訳というより
有無を言わせない印籠のように掲げられた ....
※中途半端に疲れた自分
ぶらりぶらぶら壊れた道で
その先にある幸せという嘘
空は全く灰色で
お日さまかんかん晴天で
雨も降らずに灰色で
光線だけが照り注ぐ
先も急がずぶら ....
クラミジア先輩が
自慢のイチモツから
ギュギュギュッと
膿を絞り取った毒タオルを
さりげなく更衣室に置いていた
自分のタオルを忘れた俺は
シャワーの後そいつで
あわてて顔を拭いちゃった
....
タラレバがやって来るときは憂鬱だ
タラレバには輝く空がない
これを言うとみんなに叱られるから
タラレバはいつもひっそりと隠れている
タラレバは食い物じゃない
タラレバは歩くのが遅 ....
一献に愛が多い
一条の光を二条にする
人が集まって満開の桜
深い森の真っ暗闇に
一人の男が佇んでいる
男の視線は何処かをさ迷い
落ち着きの無い様子だった
なんにもなんにもまったくない
ないないことすらないような
....
罵倒されても声は出さない
心が 悲鳴をあげても
代わりに 歌をうたおう
穏やかな水面が荒れないように
波音が空と海との境界を溶かす
自分にナイフの切っ先を向けて
毎夜、月明かりの下 ....
三本足の猫は
とてもはやく走るので
だれにも見られたことがない
知らないふりをしないで
外ばかりみないで
わたしがわたしになるまえに
鉢植えは育ってしまうし
なにかのふりをし ....
きっと今
歩くことが できるのだろう
たった今来た 電車は 乗るはずだった 電車だった
何度も人の横顔を乗り継いではやってきた
この街から出て行くこと
無理のない 女に走っていれ ....
宇宙から
星がふってきました
言葉
でした
広大な大地に
ぽつん、
とふってきました
やがて芽をだし
おおきな
おおきな
わたしに成りました
雨がふり
風がふき ....
雲が赤く染まる
町はうずくまっている
少し怪我をしているみたいに
どこかで華やかなパーティーが開かれている
緩められるネクタイ
グラスの触合う他人行儀な音
....
きみは黙って手をさしのべた
わたしは黙って寝巻きをおとす
まっくらな部屋のなか
きみの頬がまたそげていた
....
ハンカチに指で書いた
とうめいなそのポエムは
日なたと影のにおいがする
歯をみせてわらってよ
はにかんだきみの口元が
不思議にうごくのも好きだけど
高い ....
踏みとどまるこの地平は
無数の赤い
領域
真っ赤な
真っ赤な領域
この線から一歩踏み越えて
あの領域と領域を結ぶ境界領域で
「もうわかってしまった」
というボク
ただ
....
石が浮遊したまま 歩くものだから
おにぎりを持つ手を取ってしまった
ぱらぱらと 放物線を描いて当たる残飯を
一つまみだけ返した
大方 縦に首が動く
揺れている
様々にた ....
そのすこしの膨らみを
ぎゅーっと押しつける
ことを夢見て
タオルケットを
首もとまで寄せる
眠りながらも
上目遣いの練習に余念がない
口をひらけば裏腹な
舌っ足らずの反論を
....
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