若い頃は
「○かⅩ」の思考であったが
近頃は「△」が増えてきた
老いるということは
△とともに生きていくということかもしれない
お骨はゆうパックで送れるんだって
へぇ
そんなわけで叔父の骨を預かって
春と夏が過ぎた からんと
最近は近所に犬を見なくなった
骨を差し上げるあてもなし
わたしが咥えてしまおうかしら
叔 ....
ともに歩いている砂浜、
こちらをむいて、
つよい波風にすこしウェーブがかかる、
花のように、首を、傾ぐ、
ながい黒髪の、まるでオニキスのようにまるい、
とてもおおきな瞳、
しろいレース柄の ....
ふたりで拾った
透明で硬く紅い卵
ぼくが生き物係になって
手のひらで暖め孵化を待っている
何が生まれるのかわからない
虫眼鏡で眼を凝らしてみると
真ん中がトクトクと脈動している
....
おしゃれなRockが
煙るような音量で充満する
ビジネス・ホテル 3104号室
いやな感じだ
青白い天気図の影を
カーテンが弾いている
さっきか ....
なまこの指に溜まっていく
季節はうつくしい
ゴム長靴が 二、三組
傘もささずに駆け去っていく
この場所が 貴方の 唇であったなら
人類やってるね
えっ?
やってないのか。
・・・・
一番最初に火を付けた人がいるんだよね。
物理的発見であり発明の話だ
火を付けたというより、火を創ったともいえる
実用化したと ....
この夜の訪れ
闇の深まりゆき
確かに灯る明かり
橙の色に向い家から
外に温かにほんのり広がり
対し、
輝く内なる光の海
無限に拡がりゆく
銀から黄金に
未だ透明には至らず ....
うっすら淡い黄の光に包まれた木立、
朝なのだろうか夕なのだろうか
時間がふっと透明になり
地を敷き詰めた落ち葉たち、
透明な時間に舞い上がる
漆黒に渦巻く闇から解放され
う ....
似姿ばかりがある
存在するとは彷徨うことだから
ススキの穂が揺れている
首をかしげて揺れている
しなやかにゆるやかに
白銀、白銀、白銀の揺れ
ゆうらりゆうらりゆららゆら
言の葉散らし沈黙のうち
微妙なヒビキ木霊して
ひそやかに ....
好きなもののことをかんがえるの
きらいなもののことをかんがえちゃだめなの
Motherってドラマで芦田愛菜が云ってたの思い出したから
あたしもまねっこして 好きなもののはなしをするね
....
古稀を過ぎた女房が
医者から「五十肩」といわれうれしそうである
患者に喜ばれる病名なら治りが早いかもしれない
これは「美人鼻炎」です
これは「エリートハゲ」です
これは「イケメン腰」です ....
卵を割ると中には
砂しかなかった
食べ物を粗末にはできないので
そのまま火にかけると
砂の焼ける匂いがする
今ごろ砂場では妻と娘が
いつまでも完成できない
卵の城を作っていること ....
きみが望むなら
この両手をあげよう
きみが望むなら
この心臓をあげよう
ぼくは風となって遠い旅をして来たから
もういいんだよ
いま欲しいのは
きみの頬笑みをひとつだけ
....
透明な大気のそよぎ
青一色の天空、
視界に現れる
アナタは誰?
僕には知らないアナタ
好みでも嫌いでもない
顔の女、クッキリと
小麦色の肌の微笑んで
石階段を下りながら昇っていく ....
君のこと 好きに決まってるだろ
もちろん君の旦那も 君以上に好きだ
ゴメン ボクたちには
君に話せない 秘密があるんだ
察してくれ あまり深く訊かないでほしい
ボクたち 誰か ....
濃緑の葉群れ、
波打ち照り輝き
歓びの眩しさ
命の純粋
恐ろしい迄の
命の威力
新緑の季節、進み深まり
街道沿いの落葉樹たち、
枝葉を繁茂させ絡ませ合い
五月の青空、五月の風に
....
「天罰は忘れた頃にやってくる」
数十年も前の
虐待
体罰
いじめ
セクハラ
暴力などの
被害訴えが
次々と表に出てくる
人権意識の高まりとともに
封印されていたものが
次々と表に ....
テイクアウトのピザを
たらふく食べ
飲みすぎた赤ワイン
炬燵で寝落ちし
ふと目覚める 耳の底の音だけしかない
深夜
空ビン洗って
ベランダの収納ボックスへ入れる音 ....
夜に潜む影
永遠の哀しみに藻搔く者
{ルビ紅=くれない}の、生し刹那を求めて
彷徨う我は ひとり
青白い肌に朱の唇
尖った牙と真珠色の爪
その姿は、美しくも恐ろし
夜の帳に包まれ ....
言葉をつづりたくなる
眠る時間は決まってない
なのに
真夜中は押し寄せて来る
ひとを求めている
スマートフォンの中に
誰かいないかさがしてる
話をきいて欲しいわけじゃない
この時 ....
人間ごときと
寂鬱が漂う鳥瞰
見渡した
人との間が詰まった人混みが
本棚に隙間がないのと同じ
居場所のような
詞のような
君がいられなかった後悔や
もっと素敵で飾れなかった後悔が
押 ....
あの日
粉雪が降っていて
黒曜に閉ざされた狭い部屋
ふたり キャンドルを灯し
薄い毛布にくるまって
しがみつくように抱きしめたね
寒いかい…
ううん、大丈夫。
....
いくつもの出会いを
得て
知った
大切な喜びに
私はつくられている
器、
使えば使うほど
汚れヒビ割れゆくもの
汚れヒビ割れゆく肉体に
宿る魂、使えば使うほど進化スル意志
手のひらにのりそうなぐらいに
ちっちゃくなったあたしの夜を
三鷹の空に解き放した
全ての人々が信じるあらゆる神々へ
あなたがたを信じる人々の心を敬います
信じるその心 ....
いくつもの別れを
得て
知った
大切な悲しみに
私はつくられている
硬いソファまで差す陽が
サキの太腿を切り取り
新居、印鑑、身分証。近くの
小学校から 子どもたちの声が微かに
聞こえる? サキの下腹部に
耳を押し当て 子ども 欲しいな、
....
水流水底に沈み
静かさに群れ成す
様々な形の岩岩岩、
何処までもひろがり在りて
すると今突然正に光のスポット顕れ
底に灰の色群れ成す透明水流に
黄金の色 垂直な貫入
生きて注がれ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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