あなたが風変わりな人と知ったのは
新緑の上野動物園の入り口で
二時間後にここに集合という言葉を聞いて
会社の人らと別れて一人
不忍池方面へ消えたときのこと
みんなで群れておしゃべりしなが ....
わたしは羊を追う
いや、追われているのはわたし
長針と短針の間に指をはさみ
どれほどの間、気を失っていたのだろう
どれほどの間、夢をみていただろう
子供のままの果実が落ちる
驚いた ....
一切不具合無く俺は発進した
2メートル進んで渋滞に巻き込まれた
リタイアした
ネクタイは緩めたままだが更に緩めた
学生はネイビーの作業着の俺を馬鹿にする
ガラス越しにつまらなそうに目線を上げ ....
いつしか忘れていた赤い絲
まだ見ぬ貴方と私の赤い絲
お会い出来たらそれは奇跡
生まれる前から二人の絲が
決まっているのだとしたら
お会い出来ないまま終ると
そんな気がしてなりません
....
誰もいない街
詩を書いていた 誰もが自分をなくした
電車の中である気がする
人に知られる人間であるわけでもない
何かを書いていた そして 心の窓を
頭の中で思う自分を感じながら
僕は通 ....
一生懸命さ
ひたむきさ
その夢中になる輝ける時
その眩しさが
どこまでも虚しくさせるのだ。
旅になど出たくなかった
わたしは 部屋に鍵をかけた
カーテンをひいて静かな音楽をきいた
水をのみながら 岩間を抜けるほそい風のような
詩の言葉を待とうと思った
....
玉蜀黍よ、わたしは考えていた
家にのこしてきた洗濯物のことや
背広にしのばせた セブンスターの空き箱のこと
やがて都市は赤く染まり
猿はどこまでも愚かに
皺が ....
ビィ ハッピー
幸福になれよ
ビィ ハッピー
元気でいろよ
そんな呪いの満ちた世界
生きていれば
食い潰される可能性たち
恐怖に慄き立ち竦む
描いていたレールを
脱線するイメ ....
夏の空気に寄って立つ 少女はあざみの花
かな文字で記した遺書のような視線が
日焼けした少年のまだ皺のない心のすみに
紅い糸を縫い付けることは終になかった
四季が幾つ廻ろうと心の真中が憶えている ....
アズーリに塗り固められた一軒家
この家の長男は
原稿用紙を与えられると
原稿用紙に
“この物語は”という書き出しから書き始めて
“物語”という単語のそのものの蘊蓄などを書き連ねてしまって
....
もはや泥に塗れた腕しか持たないこの身には
何を望むこともかなわないのでしょう
一つだけ許されるのであれば
ただ
ひとすじの風のように
---------- ....
間違いたくて最終電車をやり過ごす
日付が 変わった
きょうは
だれに
さまよう
幻想を見るのは自由だと言い聞かす
差し出したものに見合うだけの温度が欲しい
どなたか
....
履く人はいない
物語はない
存在すらしない
靴、
それは詩句の一つ、
風の薫りのようなものです
夏が去って幾程経ちました
過ぎ去ろうとする秋を見過ごして
今年も紅を知りそうにありません
赤や橙の雨の中
マフラーでお互いを繋いでベンチに腰掛けるのが秋なら
あなたの隣に座るのは誰になる ....
うつろう苦痛の中で
わたしは泡を食べて生きている
カツオノエボシの青色が
わたしのアタマに浮かんでる
うつろう現の中で
わたしは米を食べて生きている
明日の生活の心配ばかり ....
木枯らしに舞う枯れ葉よりも
宇宙はその日 小さなものだった
果物の冷めた肌のような けさの通り
横断歩道を渡っていく {ルビ面皰=にきび}顔の学生は
なぜ朝がきて夜 ....
身長があと10cm高ければ
絶対に相撲取りになっていた
頭にシリコン注入しなくても
新弟子検査には合格しただろうが
問題は大横綱になれるかどうかだった
この身長では
なれても小兵の技巧派力 ....
目をひらきさがす肺の場所
つめたくもなく、つまり日も透かさない
ビー玉が
降らせられるだけ
速度がひとしい
先へ先へと
いけません
新しい 発見の出来る 場所が 大好き。
拳を 突き上げたように 見える
桑の木かと 思った 存在が
真夏に 長い葉を 垂らして
枝垂れ柳だと
気付ける 瞬間の ような。
★,。 ....
たいていの嘘に理由はないので
存在しない自由に絡まるのは
あなたの残したアンダーヘアぐらい
生きることの基本にもっと忠実だったら
楽になれるのかしら
....
スロー再生しておっぱい見えない
君にみえるように捨て猫拾っている
話題が見つからない夜ばかりである
ラブホの電飾看板の裏でコクワガタの雌
蜘蛛の巣に巻き取られて繭のよう
俺はデッキブラシでそれを絡め取って
指先で綿菓子のような蜘蛛の巣を剥がした
もはやクワガタには重さが感じられない
外 ....
目覚めればもう日の出
せみしぐれはまだ弱々しい
過眠の代償の
ぼやりと重い頭を引きずって
タオルケットを払いのけたなら
ひとつ、咳払い
空虚な部屋に広がる
わたしの粒子が
この ....
何故、涙が出てくるのだろう
僕は今、何の理由も感情もない涙を
ひたすら流す
人生が寂しかったり寂しくなかったり
人から嫌われたり、好かれたり
夢を持ったり、誰かに幻滅した ....
それは柔らかな矢印
ipodのイヤホンの片方は
彼女の耳へ繋がっていた
繋がるということは
繋がれるということとは違う
繋がるということは
ほんの一点で
存在を確かめあえること
僕 ....
チェス盤の上に立っている僕は
ポーン、哀れな駒。
号令が響くたび一歩前へ出る。
白を踏むたび孤独が深まり
黒を踏むたび恐怖が増す
可哀相なポーン、それが僕ら。
....
鰹と昆布出汁のお味噌汁には
豆腐とあさつきを浮かべただけ
甘めの卵焼きをクルクルと
上手に巻いている菜箸兄弟
グリルの中では塩鮭の皮が
薄く煙と音を立てている
起こしにやってく ....
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