ね、といって目を閉じた
静かにその翼を閉じるように
ね、あなたの見る夢のなかに
白い鳥、翼をひろげて飛んでいった
その羽ばたきがかすか、耳もとにくちづける
ね、あなたは今も孤独なのだ ....
趣味的に詩を理解し
生活の合間に絵画を見る
・・・君はそれをダシに
女の子とデートの予定を組むのかもしれない
あるいは利口な大学教授はそれで
自分の息子を私立の高等学校に ....
優しい言葉を書き殴る
恨みの滲むペン先で
心を繕う紙切れで
爛れた肌は隠せない
冷たい文字を書き流す
泉に溜まった涙から
紙を流れる心の小河
運ぶ落ち葉に ....
空虚な心
何もない 多分 空虚な
暗い窓があるだけのようなその部屋で
僕は寂しい気がする目を閉じた
自ら死ぬ人を
悲しく思う だけど そうする人を
だけどそこにはいないという風 ....
スーパーで買った卵が
ふたつ割れていた
ものごとには
必ずしるしがある
リビングの時計の
電池が切れて止まっている
ほんの些細な
どうでもいいようなことだけれど
....
みんな眠ってしまった
わたしは静かな夜を履いて
よく乾いた死骸をひろいあつめる
時間、音、大型ラジオ
そういうものたちを
きっとある
この夜の留め具になる死骸が
みればすぐに ....
信号機よ
なぜ
お前らは周りの状況を把握せずに信号を繰り出す
たとえ
お前らのいる交差点で死亡事故が起きようとも
お前らは
4機で微動だにできぬ死者を囲み
進めだの
注意しろだの
....
炊事をする
きみのうなじが
とても綺麗で
思わず口づけをした
きみはくすぐったがって
首を竦めようとしたけれど
構わず舌を這わせた
今はダメ
悩ましげな声を出すきみに
後でなら良いの ....
諦めなければ
叶わぬ夢は無いと
人の幸せばかりを
追い願い続けた君は
自然分娩で
助産婦の手を借り
自宅出産で
十才の女の子を頭に
五人の子供をもうけた
つい先だって
今年 ....
iroirorz
ikinari
rock on
ishitsubute de
rock on
ring ring
zing zing
kaneganar in my h ....
一限目から必殺技の名前考えている
息つぎだけでせいいっぱい
三千世界におはよーございまーす
もしも
あなたが
何度電話をかけても
相手につながらなくて
耐えられない程 不安になったなら
あなたの部屋の窓から外を眺めてみてください
窓に近寄り
息を吹きかけ
ぼんやりした ....
今すぐ粉々にしてくださいって
誰かにすがりつきたくなるときがあるよ
肩や腕や胸ではなくて
せいぜいひざの下にしがみつく
だって
怖いからね
優しい人が
自 ....
スープ付きの秋はとうに横切って 手にしたスプーンの冷たさに思わず手を離してしまった
ありふれた夏、紺色に吐き出された雲のなかでバスに押し込まれた午前七時 見上げる彼女の表情は水色 ....
かすかな風は髪とタオルを揺らしただけだった
裸のまま 心のままで
僕は霧深き海を見下ろして立つ
睫毛が凍る
瞼が開かない
口はからからで
身体は半分もう埋れている
ポップコーンの弾ける音
君の微笑み
オレンジ色の証明
調子外れのピアノ
繋がれた手
誰が引っぺがせと言った ....
今宵は十六夜惑う月
月を抱きし龍もいる
夜陰に隠れし彷徨人
暫し佇み宙を見る
月を抱きし龍は言う
「灯りが欲しいか?
月も惑ってるおるぞ」
声無き声で彷徨人立ち竦む
....
愚かな自分を鏡に映す
冷え切ったからだにのこる温もりをさがしてみる
かつて確かにあったその感触を思い出してゆく
暖かい手を心に紡いでみる
たぶん忘れてはいない筈のことばを捜して
記憶を暖 ....
天気は病みあがり
光が降って
かろうじて息を
吹きかえす
空気は冬じたく
影が伸びて
ひそやかに息を
吐いて吸う
世界の境が裂けるとき
時は遠く
ときはなた ....
表情の少ない
甥と姪が泣いている
眼を腫らしてはにかんでいる
泣くことなど想像もつかなかった
山男の義兄が
もう少し生きて欲しかったと泣いている
葬儀の場は
涙の大きなプールで
....
雨は雪になり2週間降り続けた
そこから先は灰だった
手のひらで溶けることのない
真っ白な灰は
強く握っても固まらなかった
光をほとんど通さない厚い雲
沈んでいく石の群れ
影が ....
懐かしむ 振り返る過去が増えてくる
決してしがみつくものはなく 黄昏は生まれながらにもっている
私の夕刻の風
四季の問わない八方へ広がる 無菌空間の感情
誰にも晒されない 寂しさをずら ....
朝 目覚め コーヒーを片手に空を見上げると
真っ白なカーテンの隙間から 冬になろうとしている風を通り抜け
真っ直ぐな日差しが 私を突き抜けていく
夜 あんなにも心はざわつき 心細くな ....
朝は鞄の金具ががちゃがちゃ鳴ってやってくる
冬眠したい放し飼いの蝶蝶
いつのまにか朝をしなくてもよくなった
ただ露をながめ
ひやりを舐める
ついきのうまで往来を洗う私だったのが
い ....
もう
たぶん来ないと思うんだ
あれほど
不安だった喪失も
なんだか
親友めいていて
あなたがいない
けれど
私は生きていて
おはよう、って挨拶をして
手にしたカバン
....
殺人事件が起きたとテレビが報道した。現場のマンション付近からレポーターが事件のあらましを緊迫した口調で話していた。テレビには事件の重大さを示すようなテロップが表示された。別れ話がこじれて男 ....
何か疲れたけれど手遅れであるように思えた
何か もう 眠いのかもしれない 僕は
信じたかったけれど 言葉の力を だけどこの手は
何故なのだろう 飽きていた 僕は
そしていつのまにか目を閉じてい ....
私のなかにある悪は
時おり人に石を投げつける
それはどんな惨さか
それはいったいなんの憎悪か
私のなかの悪は
時おり両手に盗みをそそのかす
それはどんな貧しさか
それはいったいなんの ....
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