いづくにぞかくもありつる
うまし音充つる幻さやか
たぐへたりとはの月しろ
一たびのひと夜かたらふ
そのかみはふたりありけり
今し今とふともあらじ
うるはしき風やあやなす
霧ふかき ....
さびた車輪が 降り積もった時間を振り払い
重くきしむ
巨大な動輪が レールの上をわずかに揺れて
危険な過去の岩石たちを粉々に砕く
車軸に浴びせられる 熱いオイルの飛沫が
すでに ....
誰にも知られてはいないが
レインコートの下は
スッポンポンのフルチン
つまり楽しみは
人知れず行うのが一番
という意味の諺
よく似たものに
無い袖は振れない
があるが
これは
....
ざらざらの掌で
温められ
擦られ
撫でまわされて
摩耗した挙句
まるく つややかな光を放つ
表面に一点の翳りもない
器が
轆轤の上に
遂に生成し得たとしても
掌の持ち主の
荒れた ....
ぼくの胸の中 モーターは
滑らかに 回ってる
プロペラを付ければ
きっと青い空へ 駆け上がる
ぼくの胸の中 モーターは
軽やかなビートで 回ってる
スピーカーをつなげば
きっと ....
ある日君は安らぎを見つけ僕の元から
離れてしまったね、いつか僕も
この世界から消えて安らぎの場所に訪れた時
君はその場所で待っててくれるのだろうか?
曇り空でも どちらが太陽か分かるから 向日葵
そんな名前に なったのかしら
そんな ひまわりみたいだねって 言われたら
喜ぶべきなのに
可憐な百合やスミレが 恋しくなっちゃって
ち ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようになっているか いつの日か科学は突きとめるだろう
宇宙が何故在るのか 誰も永遠に分からないだろう
テ ....
降りそそぐ5月の光が せせらぎの上を転がり 溶けて
自らの背に光を受ける 小さな魚の群れが
黄金色の川底の砂に 等間隔の影を落とす
若草の緑が流れを縁取り
木々のざわめきが ....
水星
{引用=みんなより泣き虫な私ですが
もしものときは貴方の熱い涙も、全部
私のそれに溶かして差し上げます。
その代わりといっては何ですが
私からいつもより
少しばかり濃い塩の匂いがして ....
歩き続けてもうだいぶ経つ。
目の前で扉が閉まる音がして
思わず立ち止まって振り向いて
気づくんだ。
あれ、あれ、僕は一人ですね。と。
誰もいないよ、誰かいないの?
煙草の吸殻と、掠 ....
なにが欲しいから
この星に来たんだろう
こころは乾いた風に
コートやマスクやマフラーに
水色の影はおとなしくて
今宵メリークリスマス、街にすれ違っていよう
いま ....
彼女は巡礼の足をとめ
胸のクロスを外し
川に沈める
人は一度目の奇跡で生まれて
二度目の奇跡で死ぬのよ
その血が流れる場所に
十字架を置いておきましょう
そう言って娘に
そ ....
とおくからデッサンしていた。いつも。
▽
減ってく音にまもられてた。はいいろにぬりたくったせかい。りょうてとりょうあしを伸ばしたらなにかにあたった。これがぎりぎり。 ....
駅を降りた時から
熟れた紙の匂いがしていた
一歩踏み出した時から
文字がバラけて押し寄せてきた
(ここは本の街です)
このあたり一帯が
巨大な書庫になっていて
その事実だけで
....
陽の落ちない雪原から
藍色に染まる海へ
耳鳴りがする空で
欠けた月を背にして
駅前のロータリーを
病院の花壇を
時折一軒家も
光の束で埋め尽くし
世界各地の子供たちに
期待と ....
突然君が空高く、宇宙よりも高く昇ってしまった
僕からはもう君が見えなくなってしまった
どれくらい高い所にいるだろうか
君が一人でも寂しくないように
僕の心を君に飛ばそう
....
花呑む空が赤い
虹斬る
黙してほろほろ
政治的に詩を書く
五回目で
もうやめます
私の興味も五回までしか続かなかったということだ
およそ二週間 だいぶ短いけど
国会から遠く離れた地方に住む人間には
特定秘密保護法も政治のあれこれ ....
「小さく生まれてこないでね
お母さんのおなかの中に
しっかり40週間いるんだよ」
<お母さんたちへ>
おなかの中の赤ちゃんたちは
とても賢い
お母さんの栄養が少ない ....
ブルースが聴こえない
新しい朝も訪れない
ダムの放流が始まる
辿り着ける場所が限定される
すべからく天気は雨模様で
テナントビルには入居者がない
世界は静かに眠っている
目覚 ....
イスタンブールはトルコの大都会だ。沢山の人々、群集の中で僕は佇む。
トラムでグランドバザールで街の中で行きかう人々。
僕はこんな感覚を東京で学校に通っていた頃、新宿や小田急線で味わっていた。
た ....
願い事を数えている間に、お互い年老いて死ぬだろう。
だから、そんなことをやめて、愛し合おう。
大げさだよ、とうさぎは笑う。
《劣の足掻きより:http://mi-ni-m ....
とある娘に、とある感情をいだき
とある表情に、頬を赤らめる
とある私
私に見えるのは
遠い 遠い 過去の渕
私に見えるのは
ひどく凍えた眼
私に見えるのは
そっと 覚醒た羊の夢
私に見えるのは
雑音の狭間の揺りかご
誰にもこの肌は届かない
雑音の狭間 ....
小さな村の天主堂
白い雪華飾るさなかを
天使のひとり舞いおりて
クリスマス祝う人々
共に讚美の歌を奏でる
天使は老いた牧師のもとに
み言葉とどけよき生きざまを称えつ ....
サンタは日曜日もクレーンの玉掛けをする
もうすぐクリスマスじゃけん
ガンバラニャ
サンタは祝日もクレーンの玉掛けをする
わしは大黒柱じゃけん
サンタは家族思い
....
振り向いてももう見えない
あれは何だったのか
過去への置き土産
もう見えない
思い通りのストーリー
作り上げた この
解放感 なんて
素敵
だって いらなかったから
探していたの
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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