目立たないように、だけでは淋しいので一点ものの封筒を買った
案の定きみはヴィンテージ切手風のシールを息を止めながら剥がしていく
少し厚みのある封筒
80円ではきっと届かない
不規則なぼこぼこで ....
「
誰かの為に。
これってかなり難しい
友達の為、
家族の為、
恋人の為、
自分の為、
こっちは意外と
できそうなものなのに
いや、まぁ
難し ....
ねぇ、一つだけ聞いていい?
いや、やっぱりいいや。
うーんでもやっぱり 一つだけ聞いていい?
やだ
夕暮れの空を見上げると
今日はお月さまがいない
と思ったら
真上やや後方から呼ばれた
「ココニイルヨ―」
ふりあおぐと三日月
こないだ見たときは
真っ黒な空の真ん中で
薄笑いの口みたい ....
何度きみを見送ったんだろう
あたしの涙をやさしく拭って
ひとさし指を立てて笑いかけてくれた
きみの痛みには気づきもしないで
あったかいカフェ・オレを
飲ませてあげればよかった
つめたい ....
雨の中カラスが世間話をしていた
黒い仲間は
雨にむかって顔をあげてとんでいる
そうだ
カラスは雨をこわがらない
どうしてわたしたちは
雨にうたれるとうつむくのだろう
どうして
....
たとえていうなら 雪の降る夜
裸足でマッチを売っていた少女が 自分のためにマッチを1本灯すとき
人は それを
終わりの始まり
だったというだろう
あとは終わりの終わりが ....
明日は待ちに待った卒業式だ
そして
俺はこの日を待っていた
明日で中学は終わり
みんなバラバラと散らばっていく
背水の陣
退路は断った
まゆみに
俺は今日告白する
「大事 ....
電車の通る規則的なリズムに心臓の動作を同調させながら
飲む国産のウィスキーは氷が混じる。
大切な人を失った瞬間を覚えているかい。と、尋ねたとき、
女はベッドの上で気を失っていた。
近く ....
「悪気はなかったんです
ただ、みんなを不幸せにしたかった
ただ、不幸せに・・・・」
なんか雰囲気出しちゃってるけど
悪気以外の何物でもねえだろ
堅気の生活にもそろそろ慣れた
しかしムシ ....
悲しみよ
世界に降り続ける悲しみよ
お前は可愛そうなヤツだな
みなに嫌われ憎まれてる
必要ないと言われる
居なかった方が良かったのにと言われる
ゴミ以下だと言われる
ずっと側にはいられ ....
君に会うといつも浮かれてしまう
浮かれすぎて宙に浮いてしまいそうだ
さあ僕と手を繋いで散歩に出掛けよう
誰にも見えないくらい高い場所で浮かびながら
誰よりも近い君の隣で歩き続け ....
共有出来ない秘密があれば
知らないことは減ってはいかない
誰かを傷つけないための嘘であれば
共有出来ないのも当たり前
秘密を隠すための嘘や
嘘を秘密にする真意 ....
結局思考してんのは脳味噌でさ、シナプスだかなんだかの伝達で立ちあがる出来事だけがリアルだろ__
でもお前、シナプスが喋る、シナプスがうんこするとか言わねーじゃん。せめて俺の脳味噌がうんこする ....
茶色く煤けて大地にたつ街、アンカラに雨が降る。
僕の過去を濡らし、僕の未来を濡らし、茶色いレンガ色の家並みは、
空に雲を呼び、乾いた大地を濡らすように雨が降る。
アナトリアの計画都市は静かな雨が ....
あれも喰おう これも
と皿に盛り上げた品々
同じ料金ならば
というケチな根性
ではないのだけれど
食い始めて
ちらっと目に入る隣のテーブル
皿にはサイコロステーキが載っていた
....
花をすぎる花
こぼれる花
閉じた片目から
飛び去る花
花は重なり 水になり
灰の飛跡をとどめている
空は震え
空は枯れ野
多くの音が暗がりにうなずき
....
俯き歩く僕の頬に
一筋のひかりが触れて
見上げれば雲間から
陽射しが溢れだす
そんな朝
本日は晴天なり
やがて雲を蹴散らし
大空いっぱいに
青を広げた空には
僕らの陰鬱な ....
かつて 営業時代に
一度だけ 映画を観に行ったコトが 有った
何処から サボリなのか
何処までが マジメなのか
線引きをしたかった お年頃
あの頃は 若かった なんて
十年 ....
スタートの合図も早々にライバルと逆方向に走り出した
あの黒い競走馬は今も人知れずどこかを走ってるらしい
騎手を乗せることもなく
誰かに期待されるでもなく
競馬場にに行くチャンスがあっ ....
めぐり来たれる冬の色
凍れる風に導かれ
衢閉ざしつ染めゆきぬ
ものみな重く睡りたり
想ひ出づれば夏の日の
陽光のなか戯れつ
幸いに充ち倶にあり
過ぐせし頃の束の間に
わ ....
砂漠
軽はずみで旅に出るなんて そんな僕を君は笑っただろ?
夢という鎧で武装して 年老いて時代遅れの心を隠した
弱音は外に出ないように 奴等はすぐに嗅ぎ付けてくるぞ
強気な言葉は他でもない ....
婚期の逃げ足に追いつけない
素足で地球を踏む
殺した手が水をすくう
年賀状をもらったら
ほめことばにくるんだ
苦言が書かれていた
つまり
頑張りすぎる貴女
見ててしんどい
そういうことね
それで
新年の抱負ができた
別に頑張ってないから
....
瓶の中にとり残された
ピクルスひとつ
蓋が開くのを ただ
待っているだけの日々
見通しが良すぎて
すっぱい孤独
《ピクルス:2013年11月10日》
真っ白いノートに
青いインクでスラッと書きたい
なぐさめかもしれない
ラブレターかもしれない
高らかな決意かもしれない
それとも
別れのコトバ?
ノートの表紙は
いろんな色で彩って ....
じょうりくが
ほかのと
すごく
たのしげに
はなしていると
すごく
いらいらするが
よく
かんがえ
なければいけない
たにんだし
どうでもいいとか
としまだとか
わらうと ....
十六で嫁入りした祖母は
まだ娘だったから
近所の子供達と鞠を突いて遊んでいた
すると 嫁入りした女はもう
そんな遊びをしてはいけないと
誰かの叱る声が聴こえて来たという
春の夜 ....
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