真夜中にピッチの着信音
どんな目覚ましよりも効果がある
気がつくと白衣を引っ掛け
廊下を小走りに駆けている
おとなしい茶色い目の
奥さんを思い浮かべる
父親に似て意志の強そうな
....
じょうりくの
きげんが
わるいから
だんごとか
あげて
きげんを
とって
じょうりくが
わらって
くれるかと
いうと
わらって
くれないし
あげない
だんごとか
じょ ....
ばばあやじじいが
木や花や風や山をうたうのをみると
あんたらもそろそろ
土に帰るんだもんなあと
一瞬優しい気持ちになって赦したくなるが
その割に月水金と医者通いして
12種類の薬品漬けで
....
ほっほっ、ほおたるこい
ほっほっ、ほおたるこい
自転車に乗って帰ったり
ぬるい夜風に咳込んだり
ほっほっ、ほおたるこい
ほっほっ、ほおたるこい
楽しいことなんか ....
遠くから冷たい風が吹いてきて
ぺろりと剥げた顔が排水口に吸いこまれた
あわてて手を突っこんでももう遅い
その日から鏡もガラスもすっかり曇ってしまい
自分の顔というものがわからなくなった
写真 ....
きみの顔を
思い出そうとしても
ただ美しかったということだけが
輪郭として浮かぶ
それが
きみにとって
幸せなのか
そうでないのか
僕にはわからなくなっている
だから
きみ ....
濡れた暗闇を放射する
硬くて厚い椿の葉群
静かな時間になって
森の奥へと僕を誘う
ポトリポトリ
夜の壁から剥がれる様に
甘い紅白の花が落ちる
落ち続けて
踏まれ続けた花は
乱れる ....
バス大好きな子供は言い残して 公園のバ
ス停から 車庫行きのバスに乗った 肌身離
さず持っていたバス路線図で 描いた世界の
なかで子供はもうすぐ 国境を越える
雪は降り止み
風も途絶えた
満天の星空は
きりきりと冴えわたる
放射冷却の夜
氷のランタン
雪の壁
立ち止まり
眺める
子どもの頬
母親の手のひら
蝋燭の炎は揺れながら
あ ....
夢精の度に水子供養
青黴チーズ齧って有明の月
そのタネ知ってるの声が聞こえた
妊娠すると涙もろくなる
涙腺は加速する
幼児虐待のニュースが目に入り
頭が痛くなるほど 泣いた
悲しい世の中は終わらない
養子問題のニュースが目に入り
身勝手な ....
幼稚園の豆まきでは
殻付きピーナッツと一緒に
キャンディーやチョコ玉や
たまにチロルチョコなんかも混ぜて
撒いてくれるので
鬼のお面をつけた子どもたちが
懸命にそれを拾うという
奇妙な光 ....
葉は鎧のように
厚く
隙なく密生し
足元を覆い隠して
無防備な細い茎は
強情な決意のように屹立し
その上に僅かにうつむいて
そう 基本姿勢は
あくまで謙虚に
だけど譲れない
....
猫になりたい
すまして本を読む
あなたの足もとでじゃれつきたい
猫になりたい
そのページをたどる指先で
やさしくのどを撫でて欲しい
猫になりたい
こんなに寒い冬の日は
あなたと ....
ニチギメ 節分祭のおしらせ
本日の日付で投稿された作品のうち、
五七五の浮かんだ 作品についてのみ
ポイントなしで コメントさせていただきます。
きまぐれにおこないますので
何粒の ....
娘の反抗期も
そろそろ終わりかなあと
やれやれと思う反面
なんだかそれはそれで
一抹のさみしさもあり
手放した自覚もなく
ああ、季節というものは
こんな風に過ぎてゆくものなんだと思う
....
名前を尋ねられたので
火葬場の薪とわたしは答えた
山の落ち窪んだ場所にある
コンクリートの壁のなかの
あの鉄扉
白手袋
手袋は二足歩行して
乾燥した骨を拾っている
くすんだ ....
万歳!ぼく。
万歳!
ぼくが国は希望の国、絶望の国
TENGAを崇拝する国
特にフリップ.ホールの黒
又はキース.へリング シリーズ全般
友達はいらない
敵の敵は味方、で ....
恋は青短、赤短、猪鹿蝶
こいこい こいこい! こいこい!!
あっ、やっぱ親(彼女)はつぇーや
前奏の綺麗な歌謡曲が終わる頃、目を閉じると
そこに灰色に溶いた悲しみがあった。
白い、目の裏側にある心の何かをなぞる。思い
浮かぶ母の後姿。
幾度も流れる声は子音は掠れた隣りの精巧な笑 ....
右から左へと内耳を駆け抜ける人間的なハムノイズ脳下垂体の隙間に詰め込んで昇天の妄想、暗証コード知らされぬままの包装紙の中の暗闇で息を詰めている瞬間的に選択されなかった反応の悪い ....
誰もいない
夜だった 今日も
書く詩のために
ペンを取る
疲れた 目は
何も見えないのはなぜ
物事が 犬の
目つきの街が 怖かった
ぼやけたように
春のお台場 カ ....
だいすきです
どうしよう そんなことばしかみつからない
なにがすきか よくわからない
あのころよりひくくなったこえ
やさしい め
さりげなくきにしてくれる せなか
このいっしゅ ....
夕暮れの死は淋しい
夕陽が容赦なく
色を注ぎ込む部屋
異界から配膳の喧騒
疲れ果てて
干からびた唇は静止する
腐臭の隙間を漂い来る
まずい魚の煮物
LEDライトで確認する
....
誰がこまどり殺したの
そう問うてみても
こたえはなかった
誰もおぼえていないのだ
すずめも 雄牛も ヤマバトさえも
夏祭り
遠くに母を見つけて
手を降ったあなた
振り袖で
回 ....
もうじき。あなたより。十年、トシ上になる。おれのほうが、大先輩だぜ。あ。ずいぶん若くして。死んだのだな。ふるさとの、丘のうえの。砂の吹きだまりに、消えた父よ。肉体がないから、いつまでも。そばにいてくれ ....
夕暮れが近づき
わたしの中に霧が生まれると
過去は砂糖菓子に姿を変えて
死者の日の祭りの喧騒へと
まぎれこんでしまった
何もかもが冷たく静かだ
退屈したわたしは
自分の隙をついて
....
春のような陽気だから
クロスバイクを転がして
街にでてみた
観光客でざわめく中
聞こえてきたメロディー
目指すとそこに
ストリート出身デュオ
(誰もが心の奥にボロボロにな ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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