もうさがさないでくださいあたいのこと
どこにもいないのですから
かぜのなかにさえ
あなたのこころにさえ
人魚でもない星でもない
あるいはおんなでもない
もう時間がないのです
いつ ....
背中に一本の薔薇を生やした猫が
窓辺に座って、ずっと外を見ていた
一度だけ晴れてみたいという
空の悩みを聞いているのか
目の前の邸宅の主人のハゲ頭の上に
苔むした狡猾を笑っているのか
隣か ....
1000日まえに
あなたがはじいた額のうぶ毛が
わたしの下腹であわい振動となって
いまではすっかり花のよう
つぼみとも種ともつかぬ時間が
おいしい毒になって
いつかあなたにも届くと ....
なんか
おいめの
ある
にんげんの
ほうが
すきな
きが
して
ぶさいく
とか
としま
とか
そっちの
ほうが
なんか
だめだし
すきな
きが
した
かわいい
....
大きな鍋にカレーを作る
一日目
仕事前にカレー
昼に持参カレー弁当
夜寝る前に腹一杯カレー
二日目
仕事前にカレー
昼に持参カレー弁当
夜寝る前に腹一杯カレー
三日目
仕事前にカレ ....
いくつもの季節踏みしめ
過ぎゆく時を気にもせず
駆け続け ひたすらに
足元だけ見つめて
こころ揺らす野辺の花
こころ誘う憧れを
しまい込んだ小箱の
朽ちるにも気づかず ....
日本に住む憎き妻を
殺害するために
赴任先のアメリカから
韓国で開かれる学会に
出席することにして
一旦韓国に入国した後
手漕ぎボートで
日本に密入国する
妻を殺害したあと
また、ボ ....
僕は自分の心を持て余す
君は君なりに気持ちを表現しようと
躊躇いながら恥ずかしげに
僕にキスしてくれるのに
僕は自分の心を持て余す
抱きしめても
抱きしめられても
それでも欲深く
....
高気圧が低い
保険効くのか聴いてから帝王切開
履けない草鞋を編む
おにさんこちらてのなるほうへ
追いかけても
誰も捕まえられなかった
嫌になって
薄目をあけると
どうやら
周りに誰もいない
口惜しくて
やみくもに走ったら
迷子になった
何 ....
じょうりくが
さいきん
やさしいから
たぶん
つきあえる
きが
する
けど
ほんとうに
ほんとうなのかと
おもって
たぶん
ちがう
きみの手を握ったとき
カモメたちが空の低いところを横切った
それから 二人で歩き出したとき
潮風が鼻をつんとついた
沈んでいく夕日のせいなのか
き ....
雪がふる夜は、まぶしくてどこにいたらいいのかわからない
でも適度にフラッシュを焚かれて白飛びした街は綺麗で、
ずっと同じ時間にいたいと思わせてくれる
背中の骨がつばさの名残だなんて言われても ....
女は戯画のなかのインディアンみたいな出で立ちをして
紙紐を使って ベッドに男の四肢を括り付けていた
人工の冷めた光は磨りガラスの窓を白く染め
取れかけた口紅を不気味に照ら ....
この冬 市内に雪は降っていない
睡眠中 姿を見せたかもしれない
長年 南の島にいたので この冬も雪を見たい
私の心ばかり銀白が赴いてくる
輝く空気は 銀白は表とは裏腹に 暖かい
この ....
ギザギザの鋏が切り分ける
夕暮れ時の空と山を
営業車に乗って
ただぼんやありと見ていたら
早く家に直帰して
キッチンに立つ妻を
背後から抱きしめたくなった
フロントガラスの映像が
....
朝の心地良い風が優しく吹き込んでくる窓辺にほんの少し黄ばんだキャンバスを置く。
そこに描かれた幾重にも塗りたくられた意識の高揚をじっと見つめる。
その高揚の中には、自信と自惚れ、嫉妬と蔑み、夢 ....
掘削船がやって来る
おれの堆積した泥土を掘り返す
脳だけクラゲの揺蕩いで
光の海に温む予定が台無しだ
山の麓に猫女が住んでいるという
噂の真相を求めて捜す者も多いらしい
捜 ....
私は何も知りません
生きているか死んでいるかなんて知らないのです
私が知っていることは
この世界にいるというだけです
ただそれだけ
優しい乖離を抱きしめている空白の午前、見開いた眼の充血はすでに失われたかけがえのないものに照準を合わせ、ショート気味の脳細胞が認識するものは片手で足りる理由だけだった、窓の外には希望を ....
キミは ちょっと イマイチだ
容姿 性格 正確に
変更 不可な モノならば
負荷を かけずに 駆け抜ける
だけど キミは イマイチだ
何が イマイチかって 言うと
年配者へ ....
雪のなかにあらわれる
物語
色もなく
声もなく
ただ
ただ
素直な物語
わたしの指に
たとえ消えてしまっても
物語までは
なくならない
それが
雪
誰かの灯りに
....
時間の浪費。
少しだけ伸びた爪を切ってみたり、
2週間ぶりに耳垢を掃除してみたり、
急に何かに駆り立てられたように部屋の整理を始めてみたり、
ターンテーブルを持っていないくせに ....
『時』が『時間』になるまで
僕達は一体、いくら待てばいいのか
僕の言葉を解釈したとして
その解釈にも言葉そのものにも
多分、何一つ確かな意味は含まれていないのだろう
もし ....
寒い季節に
ちゃんと寒いと少し
安心する
うまく笑えない私だけど
咲いている花をみて
少し安心する
道路工事のおじさん
地面をほっている
がりがりとどかどかと
そのうえに
....
誰かの何気ない言葉に
突然引っ掻かれたりする
私とは何の関係もなく投げ出された
明るい言葉なのに
いきなり蹴飛ばされたりする
だから
TwitterもFacebookも
とてもこ ....
行きなれたスーパーに買い物
行きなれた道
歩きなれた10分間
頭に帽子深々被って
首にマフラーぐるぐる巻いて
耳にイヤホン突っ込んで
丸まって下を向いて歩くの
行きなれたスーパーだから
....
中3の時建国記念日に授業があった
社会科の先生が生徒を集めて行った
その中に僕もいた
授業は教科書を使わなかった
「神話は歴史じゃない」
と 先生は言った
突然
教頭が怒って教室に入って ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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