ちいさな錯覚
のぞんだものはちいさな錯覚
祝福も花束も要らないちいさな錯覚
それだけで良かったのに
ありふれた水も飲み干せてしまうような
不安定な曇りの昼下がり
虚無の ....
挨拶したのに
ぼくを見て
顔を横にして
何もいわない人の
その一瞬が
ぼくのこころに
小さな傷を作る
返さない人の
こころのうちは
苦しくはないのだろうか
その人のことを
....
バサラ街カオス4番地
米ミズーリ州ホワイトマン空軍基地から、闇の中を密かに4機のステルス爆撃機が飛び立った。
同じ夜、人妻が出歩いているのは、基本、家にダンナがいないせいだ。
....
いつも他人だから いない
いつも 眠かった 自分の
眠くない 電車で帰宅 今 僕は歩いている
今の僕の 足を讃えられるような残業代も稼げずに
地球が回している昔の時計の姿を見ている
空間 ....
カバーガラスの風が吹いて
舌の先で飴は鋭く溶けて
バラバラ落ちて
切り裂く視線がカーテンの隙間からおくられる
夏だるまが溶けて
部屋は口を閉じて
ひかれた猫も車の標識も覆われて ....
屋根が雨に叩かれている
僕を濡らさないように
屋根は僕を守っている
何かから
けれど
どうしようもない雨音が
僕の何かを貫いて
濡れないはずの袖口が
どうしようも ....
雨が好き
外出しない理由に出来る
何の予定もない休日に
雨が好き
水滴の音が心に浸みる
考えがまとまらない昼さがり
雨が好き
乾いた気持ちに潤いを
さよならを言われた夜に
....
何も誰にも期待しないから
自分がするべきことだけしていた
ボンアトレのボンボンショコラ
パテシェになりたい
あっちゅの勉強の為にと
買いにいったけれど
お酒が入っている ....
ほうきで掃く役の人が
「ロシアに来てまで、あたいは何してんだ?」
と我にかえり
ほうきを放棄すると
滑ってきた漬け物石みたいなのを持ち上げ
大して美人でもないのに
その気になっている
漬 ....
雪雪らしく
ずっしりと降る降る
けれどけれど
踏まれて踏まれてるからさ
ただの氷ね
なんて効果音つかえば
いいかな
ってたくさん会話で頭
使うんだけど
けっきょく ....
ソチオリンピック
フィギュアスケート男子
ショートプログラムで
佐村小路ゆづる選手が
フィギュアスケート史上初となる
ダブルコーク69を鮮やかに決め首位となった
ダブルコーク69は
スノ ....
バレンタインにIKEAの椅子を組み立てるなんて
まっぴらだ
Costcoの買い物カートに
チップス積み上げるのも
どうかしてる
商店街でコロッケ食べよ
アーケード抜けて
お地 ....
The-so-mato-LAND
「こっちへ来ちゃダメだ!」
昨日もおとついも明明後日も一時間前もお昼だって海月は海を漂い、僕らはペンヲ握ってカリカリを音をたてたて、赤ん坊 ....
夕暮れの中で長い坂道を
ゆっくりと下っていく僕は
幽霊のように曖昧な輪郭で
揺りかごの記憶だけが頼りだ
草臥れた靴が愚痴をこぼすのを
僕は無言で見下ろしている
口を開け剥離した季節の断 ....
オールクリア!
問題は何もない
いつものように大量死
アァ、今日も空が青い(腐)
朝食はベーコンエッグス
そして缶入りのトマトジュース
パンを焦がしてしちゃったよバカ
トランジスタ・ラジ ....
「ああ,嫌だ」
彼女は台所の隅でぬか床を愛撫しながら言う
手を入れるたびに 「さくっ,さくっ」と音がする
重みに耐えかねた雪が どさっと落ちる
たまの大雪くらいで大騒ぎできるほど平和だ
....
手をかざすと こぼれる 木漏れ日のように
胸の奥の あったかいところで
あなたのことを ただ想う
元気でいますか
ごはんは 食べられたかな
苦しんではいないかな
笑顔で 過ごせてい ....
翻って鑑みて
許しておくれと哀願す
惚けておいて一言、
捨て置けと
あぁ、
どうしようも無きことかなと
夜空を見上げて
涙が伝う
最後の最後、
目の端にちらと輝く
女皇様
な ....
試食用だと思ってた
触れると痛い花を抱く
ちょうちょをまるくむすんだ
かわいい皿と
小さなフォークと
まるいグラスに注がれたソーダ
ひとり暮らしの彼女の部屋には
見慣れぬ物が多すぎて
しばらくキョロキョロ
彼女はせっせと
ガトー・ショコラなるも ....
凍り付いた坂道を
滑り落ちて来た
75歳のババアにぶつかって
3人の子持ち
40歳サラリーマンが死んだ
ババアの方は
右足親指の爪の内出血で済んだ
調べによると
ババアは
昨夜見たス ....
煙草の煙が青みがかって見える
今日は昨日と同じだったけど
明日も今日と同じかも知れないけど
僕はその中で生きてく強さを
君のためにも手にしたいんだ
神経細胞全般花火散らして踊る踊り明かす
神経は単純の多馬力花束の向き先の日の出前
高揚の陰溶かす余韻余興 陽
踊り腕は両腕隻腕たらふく地球に差し込み 天下を掴む
弾み胸は心中中枢光年超す魂を重 ....
童歌は遠く
匕枯れた母親に灯る
アカイ放射線の染み
緩い地盤の亀裂は埋まらず
極北から吹く風に骨も耐えきれず
見守るのは行き場のない木馬
土壁がぬくもりを吐き出せば
季節を待て ....
忘れられない。
「 無理して忘れようとしなくていい 」
慰めるように
自分に言い聞かせる。
けれど、忘れたい。
やっぱり忘れたい。
忘れないことには
....
冬の下総台地の端に
小さな家一軒
剥き出しの枝と幹だけの
梨畑の中に
小さな家一軒
落葉高木の梨の樹
畑の樹は灌木のようで
海軍レーダーのように
針金が渡されている
白い季節 ....
言葉に出来ないほどの想いを
君に伝えられなくて
僕は紙飛行機に想いを乗せて飛ばした
紙飛行機よ飛んで行け
どこへも着かずにずっと
紙飛行機が飛んで行く
君に届くまで
紙飛 ....
私達の生活はいつからか映像化され
その細部の細部まで
いつの間にか、演劇的なものになっている
私達は日夜、自分と他人に
「そのような見かけ」を与える為に奮闘し
....
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