寒すぎるサーバー室で眠った彼は
真冬に新月で小指を切る夢を見た
次の朝になって彼が目覚めると
世界の半分が失われていた
空腹の彼はコードで繋がったまま
駅前まで歩いて喫茶店に入った
注 ....
ある夏の日の夕暮れ
二人は窓のそばにベッドを置き
裸になって横になる
花辺のカーテンは
窓から入るそよ風にあおられ
柔らかな午後の光の調べを奏でる
草の香りを含んだ ....
野辺に咲く花は彩りささやかな風に揺れていた
太陽の光を浴びたその場所は緑の芝生が敷かれ
青い空と白い雲が浮かび眩い光景に満ち溢れる
花園と小鳥と蝶と蜜蜂が飛びかい猫や犬と戯れ
時には小 ....
さみしいとつぶやきたくなる
こいしいとつぶやきたくなる
不安とか
自分ではどうしようもできなくなる事柄は
自分でどうにかしようとして
つぶやきたくなる
そんな10年
やっと来てく ....
獣が聖者の顔つきで説法を垂れていた同じ日に 聖者は次々と法を破った 聖人も悪人もどちらも倫理の極限に達した人 極限において正邪は区別がなくなる 遵守すべき法はなく 法は自ら作り出すものとなる 社会の被 ....
0が1を
たべつくして
朝になっても
明るくない
うすく凍りついた水たまりを割ると
世界の底で
あなたがスープみたいに眠っている
偽りに指差し また偽りで暈す
心は鳴く 笑顔でいた景色のまま
大事なものだから 亡くせずに
零れた 憂いの雲
真白になっていく 消えていく
触れていた熱 遮り 冷やす風
呟く ほんのひ ....
私の死を
誰かが殺してしまったので
私は生きることしかできない
私の生も
死と一緒に死んでしまったので
私は生きることもできない
返しておくれ
返しておくれ
私の大切な死を
....
ねぇ どうしよう
あなたのかけてくれた魔法が
とけちゃった
それはユウカイ
誘拐かい?
ううん 違うの。
誰も 「わたくし」 の中から
魔法を 捥ぎ ....
今日は悲しい
失敗は誰もが怖い
高い理想をもつからこそ
プレッシャーに押しつぶされたり
完璧な自分を想像するからこそ
同時に崩れてしまう恐怖に襲われる
空想の中の世界は ....
おまえは先物買いで
俺から魂や
ロックンロールを金で買おうとするが
....
都合の悪いことや
不快なことは
予め伏字にするという
配慮が
いつからかこの国では
行きとどいているので
よほど気をつけていなければ
事実は見えない
まして
事実を都合よく見誤ろうと ....
ムシャクシャしたら
迷わず
その時一番側にいる人間を
銃殺しろ
(ヨシフ・スータリン)
あんな悪そうな顔の奴
よく大統領に選んだな
と思ってたんですよ
だってザ・悪人面ですもん!
....
【人間】
初めてのアルバイトは中学1年の冬休みだった。
親戚の雑貨店でのレジ打ちの仕事だった。
年末のある日、事件は起きた。
その日の昼食後、レジに戻ろうとしたら、おばあさんが
お茶碗を買い ....
もしも
今朝飲んだのが
カフェオレじゃなくて
ミルクティーだったら
今 あたしはどうなってたかな
気が遠くなるほど
たくさんの分かれ道で
そのたびに立ち止まって
迷いながら選んでき ....
雨、雪、雨、雨、
雨、雨、雨、
雪解けに混じって流れ出て
大きく緩やかに結ばれる「区切り」
蕾がゆっくりと綻んでいく
少しずつ高くなっていく太陽
....
月の半分が雪を履く
霧の下で遊ぶ水
声を呑み
紋を放つ
はじまりへ還る波を
夜が照らす
浜辺の森から
風が吹いている
波は波の上
ゆるやかに変わり ....
吸えないタバコ 吸うフリして
煙に隠れて 涙する
いつも一人で 泣いていた
路地の裏の 小さな空き地
マンホールの蓋には ぺんぺん草が
天を仰いで 風にそよぐ
いつでも 一人僕が
見上げ ....
音のない窓辺で
ねこは多摩川の景色を見ている
遊びたいなと思って
幾人かの子供達を見ている
外に雪が降り積っても
ねこは多摩川の景色を見ている
外に出たいなと思って
同じ時刻 ....
いのちの素描
躍動の結晶を背景に
白い天啓の不規則性
欺くように舞って
――つめたい耳たぶに腰をかける
そとには沈黙が降り積み
うちには言の葉降り積む
....
通ってたカフェのマスターが
産直の宅配してるって
輸入雑貨店のオーナーは
いま中古レコードのお店をやってる
わたしが詩を書いてることを
知ってるひとが少しいて
わたしのお父さん ....
ボールが転がる音がして
振り向いたら
それは冬が去っていく音なんでした
冬は寒いものを転がして
古くなったものを巻き取って
辺りをふかふかの風景にしていきます
それが春なんでした
....
風が吹き抜けてもう命がない
奈落のプリズナーもつれている
乙姫をアンプにつなぎ流水爆音
元シカゴ・カブスの
サミー・ゴーチ選手は
広島シンフォニーズに移籍した昨年
年間60回代打を出され
その60回ともがすべてホームランという
前人未到の大記録を打ち立てた
代打はすべてガッキ ....
道化者
僕はただの小心者
小心だから
嘘をつく
ばれるに決まっている嘘を
はじめはうまくいっていた
あまりにも
うまくいきすぎて
引き返す道を失った
ばれるのが
怖くて
....
‘日本の凶悪犯の95%以上が
犯行直前の24時間以内に口にした食べ物がある’
これは統計上ほぼ真である
主婦A : そんな恐ろしい食べ物は禁止すべきでしょ。
会社員A : ほほう ....
最初の人間がこの列島に入ったように
この川に入った亀は何匹だったろう
ミドリガメと呼ばれていた子亀のころ
生まれ故郷から 人間に連れ出され
あげくに捨てられたのか
それとも
遙かな故 ....
いつもは耳を傾ける
街のざわめきに
今日はあえて
イヤフォンで耳を塞ぐ
こうなりたいという想い通りに
世界が動いてくれたらな
そんな幻想を抱き
一人の主人公になる
瞳にうつる世 ....
1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.39sec.