私に背中を見せたまま
茫然と立ち尽くしている人を
振り向かせたいから
静寂の悲しみを震わせるために
遠くまで聞こえるように
私は心を刻むのです
私の影に隠れてしまって
ひざを抱え ....
ねずみのご飯が炊きたてだ
とりあえずは笑って過ごせるほど
空気はゆるんだ
ねずみはだんらん
きっと終わりないさむさからのがれたせいで
しっぽを振っては愛情を交換しあっている
ひどい世界で仕 ....
若い頃の情熱は妄想に支えられている
世界をコントロールできる術がどこかにあるのではないか?
そんな妄想に支えられてぼくらははニートになる
老いを発見するようになると
コントロー ....
時が経てば
みんな忘れてしまう
誰も覚えていてはくれない
だからもしあなたの記憶の
スペースに
ちょっとだけでも
私を残してくれるなら
私にとって
忘れたい思い出でも
とてもうれしい ....
*一番
今強いか
今弱いか
正しいのか
卑しいのか
楽しいのか
苦しいのか
進んでいるか
落ちているか
見られていいか
誰も見ないか
隣の人は善人か
そのまた隣 ....
父がハーモニカを吹く
孫らに
子らに
万感の思いを込めて
「花の街」を吹く
私は父が奏でるハーモニカが好きだ
80歳になっても奥深い響きは変わらない
何十年経っても変わらない響き ....
放射冷却の夜があけて
風もなく
日中の気温は上がる
この穏やかな春霞
雪どけの水蒸気
あふれる陽光に
紛れ込んだ
毒の微粒子
笑顔に溶かした
敵意のように
言葉に塗られた殺 ....
親指を包丁の刃に押し付ける。
すっと傷がつき、たらと血が垂れる。
ポタポタと音をたてながら廊下を渡る。
ポタポタ、ポタポタ、ポタポタ。
尾を引く血痕。
流れる血。
親指はジンジンと痛む。
....
夜明け
窓を開けると
空に明星が瞬いている
テーブルにこぼした煙草の灰を
手で掬いとっているうちに
夜が終わっていく
春先の
暖かい雨は降り止み
朝日が微かにひかる
神経が泡 ....
あむりたを
すすめられたのを
ことわって
でもどうしても行きたかった
金をつめば
舟がだせる
すべりだした舟のうえで
ゆめごこちの
ふなべりにほおづえする
はるか長い ....
あごがはずれたまま二週間経ちました。
新聞でよく見る小さな豆。知識を、きりとって一枚の紙にまとめて
また新聞紙を作ってみたり、多分その後、その紙を隣の誰かにあげて
あげた紙がツイートされる、 ....
「劣等生」の レッテルが 悔しくて
「優等生」に 書き換えた
悪戯に気付いた 先生は
「遊等生だな」と 叱ったが
ボクは 気にしない
気にくわぬ 看板は
描きなおせと 教えられた ....
SNSでつながろう。
オンラインゲームで仲間と一緒に。
ほんのつぶやきをリアルタイムで受け止めて、意味のある言葉を返そうよ。
江流のような言葉はとめどなく流れ、これが本当のライン川(寒)。
だ ....
蝶の影
枝のかたまり
倒れた船から
ひろがる色
午後の空
ひとつの鈴
森が鳴り
去る光
色のない径
曇と交差する
草笛 石笛
穂に似た雪
....
冷たい空気が流れても
温かい言葉が一瞬で変える
愛は場の空気を
和ませて楽しい雰囲気を生む
大きな輪の中にいる感覚
身体は敏感に反応する
ちょっとしたことでもすぐわかる
今はこん ....
火のついた白い煙草を
きみが 一の指と二の指から
二の指と三の指に移すのを見ていた
なんでまた 髪なんて伸ばしてるんだ
くちびるから 夢まぼ ....
きみの王国には
ママとパパがいて
きみの法に翻弄されている
きみの王国には
どんなものでも住めるから
かえるもクマもお友だち
くるまも絵本もお友だち
きみの王国には
....
連絡船はさいはてに
列車を積みて揺らぎたり
吹雪く海峡暮れゆきつ
霧笛のおもく迫りくる
行手に君のありぬとぞ
文にちかひて来たりけり
東都さかりてはるけくも
夜行列車の幾時間
....
片耳にさしたイヤフォンのなかで泳ぐ深海魚たちはゾンビみたいでも尾ひれで光る水泡は悪くない
ドラッグストアのシャッターの絵クリスチャン.ラッセンかよ
行き交う誰もが振り返らないねいつまでも
優 ....
子供部屋はできたが俺の部屋はない
俺は窓を開けて煙草を吸っている
工事現場の赤いランプが見える
遠くに鉄塔がある
通りを越えればそこは埼玉だ
歯周病が進行している
歯磨きをしても歯 ....
練馬インターは関越自動車道につながっている
関越とはたぶん、関東と北信越のことではないか
俺は車に乗らないのでわからない
車とは人殺しだ
窓からマクドナルド1.8kmという看板が見える
....
因果が 眼鏡をかけた男の統計的手段によって
幾何学的なネットワーク構造に編まれている
秩序だって組立てられたものも
カオスも情緒も彼にはいらなかった。
不合理と不可解
つまり必要なの ....
僕は以前住んでいたマンションに帰ってきた。
駐車場でたくさんの女の人が踊っていて、おしりが丸出しだったけど、あけすけで魅力がなかった。僕は部屋に帰るのをやめて、持っていたはずのない車に向かった。僕の ....
向かいのホームから出たのが最終電車だったようです
村八分八厘 24本 79打点
フェンスよじのぼって夏つかまえた
さて、私はこの気持ちの良い夜を吸い込もう。
満天の星空もろともだ。
あなたも私も輝ける朝を待っている。
何をしようが何もしまいが朝は来るのだ。
私はしばしば夜の香気に身を委ねる事があ ....
窓を開けると練馬インターが見える
皆ここからどこかへ行き
或いはどこかから帰ってくる
けれどこの街に立ち寄るわけではない
行き過ぎる人たちの中心に僕らは住んでいる
引っ越してきたばかりの ....
地球はどうだい
悲しみにみちているかい
浮上しかけのヘリコプターに飛び乗った
髪や衣服がはためく
だれかの期待に応えたくて
緑の景色を滑ってゆく
こちら管制塔よりト ....
悲しい夢のなかにひたって
目覚めた後も
ムードだけは引きずっている
今朝もあなたはいないんだから
窓から流れこんできそうな
ミルク色の霧
ディテールをおおい隠す魔術
今朝もあたし ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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