ひとりの男がいつの間にか
猫背になった
献体で三枚におろせない痩せかたで
もうひとりの奴はしらぬ間に
うつ病で不眠症となった
ターミ ....
むかしからの目
童話の目
いっしょに
いってみたいな
大聖堂のその空気
あざやかツツジ
あざやか新緑
大聖堂に呼ばれてる
むかしからの目
大人の目 ....
月明かりに照らされ
髪の束の影ができる
イヤホンから流れるギター
熱いコーヒーが似合う夜
漫然と過ごしてきたようで恥ずかしいけれど
詩作をする間は
温度をかみしめ、心に種を蒔ける
....
とうきびと甘藍を甘味の極と思いながら
私はラジオを聞く
癖のある言葉ではあったが
それは今思えば文語の終わりでもあったかもしれない
そこに意味をなくした文語が
断末魔を告げた 夏の暑 ....
一度だけ
父と取っ組み合いになった
後にも先にも
希薄な親子にとっての真剣な対峙は
それっきりだった
生意気盛りの高校生
飛行機が好きだった私は
トリポリでB747が爆破されるのを見 ....
涼しげなうなじに
舌を這わせたい
パッと見、貧乳のきみにだって
そんな欲情を抱いている奴が
ここにいるんだってこと
忘れないで欲しい
自分を一番大切に思ってくれる人が
一番大切な人な ....
8月下旬に僧羽高校では時の打つ音にあわせて縄を告訴する。
枯れ枝を折る時には決して縄を指に置いてはいけないし
またそうした同行者に席を譲ってはいけない。-トコスの法典-
壁の中でジェ ....
例えば自分達の死ぬ日がわかったら
今よりもっと人や自分を
大切に幸せにできるだろうか?
ああしていればとかこうすればよかったと
後悔しない人生を全うできるのか?
もし全う出来たとして、それは ....
銀杏の木には
パンチパーマみたいな
新緑の芽吹き
それが遠くからだと
星雲のような
新緑のふくらみ
海がこわい
狭いところ
天井の低いところ
....
滑らかな曲面を
月明かりが遠浅の影で濡らし
吹き寄せる潮風は甘い薫りをはらんで
かすかに震えるさえずりと共に
紅潮した私の耳をかすめる
青い石をうずめていた筈の砂を
しだいに満 ....
女抱いて巫女のいない神社
ハズレくじで折った飛行機が飛ばない
偶数階に止まらないエレベーターが行かず後家でぎっしり
横波 縦波 渦巻く世界
肩肘張って働いて
お疲れなんでしょうね
名も知れないゆきずりの肩に
頭を預けてしまって
安心しているあなた
満ち溢れる心労を
化粧に隠していても
あなたの髪 ....
君は知っているだろうか?
ハートの切り口をした切符があることを
改札を通るとき
年に一度だけランダムに切られる
ハートの切り口
それを持つ二人は生涯結ばれる
そんな言い伝えのあ ....
緩やかな坂道を下りると
遠くに海が見える
ここから見る海は
手のひらの中に
隠れてしまうほどの大きさ
海を目指して歩いてゆくと
潮の香りの風が吹いてくる
風は太陽の ....
今日も明日も
君の幸せを祈り
花や雲を見ては
いちいち涙を流す
この気持ちは恋なのかな
果樹よ
みはたわわか
きょうわたしは帰る
だれもいない故郷
だれも食べることない実が
熟れて落ちて土に帰るなら
わたしも帰る
静かな庭に
沈みおちる
音もなく
過ぎる
....
そのわらべうたは
作者不明だという
畑に添って
作られた石垣
その隙間から
シダやペンペン草が顔を出し
しっぽがふたつに別れた小さな虫が
忙しそうに出たり入ったり
雨が降れば
水 ....
レイアウトを女性誌からトレースしたような
ヘブンズ・ドアの使い手のような君と
街道を散策
古書店
雑貨店
ランチは
イタリアンにして
君は大学病院で言われた診断を元に
チキンとドライト ....
迎えにきた おまえを
切っ先を腹に埋めこんでいるさむらいを
かつて桃太郎と呼ばれたおまえ
殿様の不興を買ったおまえ
梨の木の下で死を待つおまえ
おお おれは鬼の屍
といっても はじめか ....
こんなこと
それも朝のこと
登校している途中
このままずっと歩いて行きたいという気持ちになる
こんなさわやかなうららかな始まりの朝が
金属+プラスチックの硬い椅子に座る一日に繋がっていてほし ....
頭のなかで音楽は鳴ってる
体の中で心が考えてる
咲く花は枯れる花
萎びる花 スピナビルを聞く夜
振り返りながら街の空に気づく
カセットテープを聴くときはパナソニック
ヘッドフォンを ....
親子三代
ホームレスって言うんだから
ある意味凄いと思うわけ
家業ってことでしょう?
嫁さんもいたってことだし
尊敬に値するよな、ほんと
親子三代サラリーマンなんて
別に有り難くも何とも ....
しあわせな瞬間を
こっそり切りとって
あわいブルーのアルバムに
貼りつけてほっとする
あとから眺めるわけでもないのに
夢中でレイアウトを考えたりして
だれに見せるわけでもないのに
....
季節が過ぎると 野山の色が変わる
忘れたり後悔したり
想ったり傷付いたりもする
言葉を選んでいる間は 世間話もできない
好きになれなければ 何を撮っても平面だ
どこかで小さな声が
どこかで ....
セバスチャン、これが先割れスプーンよ
僕の記憶はこの言葉を最後に消えている。
豆腐ハンバーグを食べていたのは確かだ。
肉と大豆のコラボに心踊ったのも確かだ。
そして先割れスプーンを手にした ....
西島大介が好きだよって
君に話したけど
そんなことリアルでは
1回も言ったことなかった
平山夢明が好きなことも
言ったことなかった
でも
君には言えたんだ
君になら
どんなことでも言 ....
2009は
僕にとって
特別な意味を持つ数字だ
2009年
僕は
活動を始めた
産まれたての子牛のように
膜を破りながら
2009年
君もそこにいた
君もそこにいたのに
僕には見 ....
街路樹を支える組み木が
窮屈になりつつある様子
いつか外されて炎に消えるのだろう
スッキリとした詩文をと思い
言葉を組み換え組み上げ
いつまでも決まらず
そうしている間 ....
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