親愛なるショウコ様
わたしは有りもしない食事を温めます
冷静な面持ちで 本質は野蛮
回りくどくて執拗 ときには結果オーライの力技
事の恥部を明らかにしたならば
したり顔で仮想の敵をフォー ....
スーパーの棚で
一年中,姿を見かける
外は夏日だというのに
エアコンかけて,鶏の水炊き
あなたは嬉しそうに
年中売られているダイコンを
すりおろしている
あたしは,なんとなく ....
リビングの照明カバーの中に黒い小さいものがある
多分小さい虫の死骸
当分蛍光灯を交換しなくていいように
LEDの照明にしたのに
1年も経てばこんな状況
何でお前ら
明かりを求め迷い込む ....
ひょろろん と 伸びたスライム 手にとって
オロロン と 嘆く
声も 細く 通らないのは 冬の所為?
すじ雲も いわし雲も
理解できないくらいの 夕闇に
全て 溶かして シュークリーム ....
あなたに見えている
わたしがすべてです
なんて
言えたら
こんなに苦しくはないのに
俺の言うことを聞け!
さもないと、このブスを撃ち殺すぞ!
「いやああ、助けてええ!」
うるさいっ、静かにしろ!
今から24時間以内に
このブスの顔面を整形して
佐々木希並みにしろ!
いい ....
1
灰色のソネット
燃え尽き、まっ白な灰に
なり、風に散った、
夢がまだ、今も瞼の裏で、
燃えている。
焼けた誰かの夢を、
今日も世界が、
ふぅふぅ吹 ....
意地を張る胸なんて 私が風になって吹き飛ばしてあげたい
意地の自覚のない幼い心の齢に 強靭な風になって泣かせてあげたい
知ったからこそ 自分の心と普遍の心の泉をもって 伝えたい
時 ....
春の汗を犬がひっぱっている
フォークの握りでボール抜けなくなっている
工具買って直せず
たまごやきを焼いた
ウインナーを焼いた
普通のお昼ごはんをたべる
病んでいるという
君からのメールをみた後で
人との関わりを断っていたという
君をまるごと食べたいとおもう
き ....
病棟の面談室で
並んで座った僕と君は
三五年前と同じで
とりとめもないことを話す
天井は低く殺風景な面談室
飾るものは作者不詳の風景画
部屋の隅のテーブルでは
患者を囲んだ四人がひそ ....
初めて名刺を作ったころ
職場には峰が幾つもあって
明るい未来が透けていた
登りはじめて気付いたことだが
山道は九十九(つづら)折り
いくつかのコーナーには
清水がキラキラ輝いて
口を ....
かあさんは白
とうさんは黒
ばあちゃんは茶色で
じいちゃんは巻き尾
そのまたばあちゃんが
どんなだったか知らないけど
たぶんボクの中にいるんだろう
抜け落ちた
冬毛のなかに
いろ ....
桜 花咲くその奥に
飛行機雲伸びてゆく
柔らかな 春
でも 私は知っている
君の心は 静かに
痛んでいることを
花開くことのなかった
あの、日
君は飛行機雲よりも
もっともっと はる ....
本能を呼びさます最高の力は母性である
個体の保存よりも重大な利害のある種の維持をつかさどっている母性は、最も愚昧な知性の中に、脅威すべき先々までの用意を呼び起こす。
その祖先たちの手で ....
初夏の月から
降りそそぐ
その耀く光だけではなくて
少しずつ零れる
綺麗事のような陰は
どこまでも柔らかくて
穏やかな音色がする
夜空のずっと西にある街には
月の光は差し込まない
....
山の桜は満開でした
おとうさん桜だよ
見える?
父は眼を見開いて
悲しげに少し眉を寄せて
(眩しかったからかもしれない)
車いすの上で
桜をじっと見上げた
あー見てる見てる
....
アドバルーン再再稿
「目的地まであと10分です」
(母 世田谷区)
音声で表示されていく地図たち
がひろがって
信号待ちから動き始めた列を追っかけて
くろく ....
塀のそばをとぼとぼ歩く
五月のゆくえはただ次の季節を目指し
露を散らしたばらを放つように咲かせている
人はいない 付き添いの影だけで
影と影が二人で歩いているのか
葉陰の路地になにかが焼けた ....
そのAは
ほとんどBだった
CはそもそもDだし
EとFは難しく
GはいつだってHで
朝からIについて考えて
JとKを眺めながら
Lを食べている
MはNと ....
痩せ太った私
体は痩せているのに
神経が太くて鈍い私
痩せ太った私
財布は痩せているのに
見栄ばかり大きくなる私
痩せ太った私
やる気は痩せているのに
仕事が膨れるばかりの私
....
もしも猫だったら?
あたいは、段ボールの角で凍える子猫さ
何も信じやしないさという目をして、何かを待つ捨て猫さ
いくつかの断片を繋ぎ合わせると
私達は深く愛し合っていた
(それは思い違い)
記憶は時間を経るごとに
正しい記憶も思い違いもすり潰されて
いくつかの断片しか残らない
あなたに私の断 ....
ああ困ったなあ、
(宮沢賢治「注文の多い料理店」)
本当にこのやり方でいいのかい?
(浦沢直樹「20世紀少年」)
胸の中でつぶやいた
(川上弘美「どこから行っても遠い町」)
私 ....
不可思議の海へ飛び込んで 崩れた満月を嘲笑ってた
暗闇に火は点かなくて 萎れた煙草を君は指で撫でた 何遍も
虹をつくるレシピが 虚無の奥へと逃げ込んでから
何度も何度も 掲げてきたはずなのに ....
なんでかな ひどく苛々してる
チョコレート食べたら口内炎にしみる
すべて君のせいだよ
君が約束の場所に来ないせい
忘れるために寝ようとしても
君の笑顔がちらついて
そ ....
気づいたら独りだった
あふれる思いは溶けあって
言葉なんていらなかったはずの僕らが
いつの間にか言葉を失っていた
思いは何処へ
澄ました顔でルージュをひく
君はきっとまだ気づいてい ....
母がいたから私がいる
父がいたから私がいる
今日は言えないけど
やっぱりありがとうかもしれない
カーネーションの赤いギザギザが
忘れられなくて
1927 1928 1929 1930 1931 1932 1933 1934 1935 1936 1937 1938 1939 1940 1941 1942 1943 1944 1945 1946 1947 1948 1949 1950 1951 1952 1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959 1960 1961 1962 1963 1964 1965 1966 1967
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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