つばさがあったころ
言葉を捨てるまえのおはなし
がりがりの背中に
綺麗とは言えないけれど
一対のつばさが生えていて
鉄塔に上り
飛べるかためしてみた
つばさは意思とは関係なくはば ....
何気ない日常にある
心をときめかせてくれる景色
自然が創り出したものは
純粋な心に溶け込みやすい
風通しがいいから
あなたがくれた綺麗なままの言葉
私を光らせる波動を持っている
....
毎朝電車に乗ると
犬も猫も狸もライオンも
色んな動物が一緒に乗ってきます
僕はさしずめ犬といったところ
動物たちは黙ったまま座席に座って
それぞれのしぐさと毛色とまなざしで
電 ....
夜
カエルの鳴き声はひっきりなし
奴らの鳴き声のリズムのゆらぎで
僕はクラクラ酔っ払う
そんな奴らが何かを感じたのか
突然一斉に鳴き止み
あたりは
深い静寂に包まれる
耳が ....
命綱が首に絡まって
死んじゃったんだ
昨日
よく覚えてないけど
安心しなよ
怖いのははじめの一歩だけで
あとは鳥になれるって
言われたはずなのに
どうして
背中を押されたわけ ....
嘘で固めた
メールを送って
背徳の恋に
終わりが来た
正午すぎのスタバで
偶然はち合わせた昨日
日差しの下で
初めて見た相手の表情に
嬉しく、哀しんだ
ふたり
そして ....
やっぱりだめだった
知っていたのに
ずっと前から
泣こうが
わめこうが
わたしには
あなただけ
そんなこと
言わないけれど
いつだって想う
....
懸命に手を 声を
あげているのに
揺れて 波打って
あなたは ただ
こちらを見ているだけで
わたしは 泣いています
今だけです
あなたは ただ
....
形の無いものから逃れようと、必死に奔るうちに
地平線は、もう、どこにも、見えなくなってしまう。
「待機せよ」と、ひとりの純白の少女が起ち上がり祈るが、
またふたたび、真理が降ることは、ないのだ。 ....
悲しみの深さは
ずっと後になって
分かるもの
今は感情の欠片すら
なくなった
空っぽの胸に
風に似た風が吹き抜けるだけ
もし風に表情があるのなら
微笑んだように見えたのは
あ ....
なぜ、
ふるえてるの、
しろい、じめんは、
うすく、
つもった、
じめん、
ゆかに、
ねそべる、
あお色が、
はいだして、
きた、
とき、
に、
みた、
ことを ....
海鳴りが今日はここまで届くね
ごうごうとはためく夜の空を
僕たちははっきりと開いた眼で見つめている
一人ぼっち、二人ぼっち
その違いはきっとない
誰といてもどこにいても人は寂しい
....
銀行のとびらをでると
白亜紀の湿原だった
羊歯植物が繁茂する中
鋭い牙の恐竜と目が合った
とっさにボクは出来たばかりのカードを取 ....
僕の声が届かない
力の限りに叫んでいるのに
まるで君との間に見えない壁があるようだ
僕の声が届かない
ただそこに居ること
居続けること
走り出したい衝動を必死に抑え込む ....
ヒッヒッフー
ヒッヒッフー
ママが呼吸法の練習をしている
ボクがスルンッ産まれるように
一緒に頑張ろうねといつも届けてくれる 優しい声
あの子がまた膀胱を頭突きする
おかげでトイレ ....
陰口をわざわざ伝えに来る女の肌が荒れている
同級生に先輩と呼ばせているのか
旅に出ない足がまた眠る
『ひらり』
泣くことを 許さなかった
わたしは 自分を
「弱いな」って笑った
ここで 思い切って泣いてしまえば
あなたを困らせることが
できたかもしれないのに…
自分を頑に強く見せた ....
大粒の水滴がつたう窓辺で
1人頬杖をついてまどろんでいる
轟音と共にひび割れる空
その破片を恐れてどこか違う空へと飛んで行った鳥達
母なる大地が容赦のない雨に鞭打たれる姿を見て いたたまれなく ....
雨のジュネーブ
過ぎ去るクルマ
道がジュルジュル泣いている
こどもんときとおんなじだ
雨のジュネーブ
ときどきクラクション
道がジュルジュル泣いている
知 ....
オイ、コーヒー
熱いのな
今夜は徹夜なんだ
最近どうも疲れちまってな
肩とか腰がずっと痛えんだよ
年かな
なあ、アイツはもう寝たのか?
そうか
構ってあげられてないんだよな、最 ....
淡い色あいと
やわらかな花の模様に惹かれ
去年の春に衝動買いしたストール
今年も私に
似合うだろうか
流れる時代の
はやりすたりと
日々変化していく自分の容貌
鏡を見ながら
....
ねじれの位置 と言う言葉を 思い出したくて
メビウスの輪を 連想しました
その後で 歪み ゆがみ ひずみ と
曖昧な記憶から 辿る内に
歪みの角度 ねじれの角度 ねじれの位置 と
パ ....
花が笑うような日だから
つんのめった想いからビー玉みたいな嘘が転がっても
誰をも恨むことはないじゃないか
翼を切られた幼子も
失くした以上に強奪しながら
物足りなさに役立たずの爪を研ぎながら ....
梅雨の晴れ間に、ひときわ
紫陽花は朝陽に輝いていた、その朝
報せの電話が真夜中に鳴った
冷静と言えば、聞こえはよいが
私の応対は驚くほど事務的であった
どこかに、安堵が潜んでいた
....
光が少ししか
届かずに
かすかに耀く
とても小さな
砂漠だけの星へと
旅行をする
少女を描く
ある絵本を作ろうとする
少年がいるのでした
はるか彼方の銀河への旅を
描いた絵本を ....
上手く折れない
紙飛行機が
放り込んだ屑籠の
縁から顔を覗かせている
拾い上げて
半開きの窓に向けて
今一度、飛ばしてみるが
盲の鳥のように
あさっての方向へ ....
指で織ったことばのハンカチを
わたしは丁寧に折りたたみ
そっとタンスへしまいこんだ
楽しいことだけ思い出せなくて
悲しいことだけ思い出す
ことばさえ出てこない
毎日だったの ....
精神科のスタッフルームで、
あっち側にはいきたくないと、
面接を終えた上司が呟く。
あっちとこっち
異常と正常
障害者と健常者
病人と医者
クライエントとセラピスト
助けてもらう人 ....
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