僕が息をしていられるだけの、空間をください。
それ以上のものは、いりません。
僕が一日一日を生きていけるだけの、食べ物をください。
出来れば三食。
僕が欲しくなった時に、必要な分だけい ....
僕はゴーヤを育てている
最近 ベランダで だけど 何も無いよりましだろう
僕が育てている ゴーヤは 鑑賞するには
あまり美しい植物ではなかった
そして僕はコーヒーを飲んでいた
ぼ ....
せわしなく魂を洗う
生身のまんま立ち止まる
永久なる過去より聞いている
蝉の鳴く緑のほの暗さよ
ゆくりなく道を行く
遠く消えゆく波間に
空を見上げる
天使 ....
我涙ぐむ
蟹と戯る
我涙ぐむ
蟹と戯る
海と思想の測量船
虹と数字の測量船
我涙ぐむ
蟹と戯る
我涙ぐむ
蟹と戯る
まだ身体と外側が
まだ血潮と海風が
....
耐えることは得意だ
潜水は気を失うまで
長距離走は手足が千切れるまで
あなたがストップと言うまでどこまでも
痛くも痒くもない
なんともない
なんともない
無でいることは楽だ
私はひ ....
人のこころは
陽炎に揺らめく砂漠に置かれた
少しだけ水の入った
壊れやすい硝子のコップ
君の言葉で水は満ちる
放っておけばすぐ乾く
君の言葉が
君の愛が
僕を満たし潤し ....
いくつになっても答えは見つからない。
もしかしたら見つけた答えから目をそらし続けているだけかも知れないけれど。
上手く行かない理由を見つけるのが上手になっただけかも知れないし、
夢を ....
床の上で夜中に何時間もノートに何かを書いてました
それは小説と言ってもいいのかもしれないですが
とても人には見せられない 滅茶苦茶な小説でした
一日の睡眠時間は2時間で 夜中に滅茶苦茶な小説 ....
書きたいことなんて何もありません
本当は書きたい事だらけなのですが
もう そんな気持ちも差し置いて
上手い事ばかり言おうとする自分が
嫌で嫌でたまらないのです
僕は今 また一つ嫌な癖が出 ....
嵐のように怒り
自分のために大雨を降らす
周りの者は巻き添えになる
はた迷惑な幸せ者
誰にも悟られたくはない
暗い海の底へ
暴れる心を鉛に詰めて
幾つも 幾つも
寛容と ....
とととととと、とと、ととと
ラジオの周波数を雨音にあわせる
ちいさな水滴が上空四万メートルを落下してゆく
かぜに巻かれて空を泳ぎながら引力にひかれて
くっつきあって離れあって目に見える ....
一般病室に引っ越して窓が明るい
忠犬に黒歴史を掘り返されている
一日中、
こわれた雨樋をみていた
網戸にささって死んだ虫をみていた
あなたがこのよにいきているなら
わたしがしぬことはぜったいにない
わたしたちのなかで 言葉 ....
毎年エジソンを読んだ感想文
しをかんがえる。
詩をかんがえる。
死をかんがえる。
詩は、
死の鏡
人は死ぬ瞬間に
必ずひとつの詩を残す
*
ぽとん、
グラスのなかの
水に赤い汁 ....
マリエ、隣のクラスのマリエ
呼び捨てなんて失礼だから
マリエさんと呼びます すいません
図書館で本を読んでるときの
長いまつげが目にかかる姿が
誰よりも綺麗なの
マリエさん自身 ....
夥しい計算式の詰まった階段を
毎日一段ずつ登るためには
パソコンの皮をきれいに剥いて
機械の瑞々しい果肉に
自分もなってしまえばいい
機械も人間も絞れば同じ果汁が出てくる
....
今のところ、
雨漏りバケツ半。
溢れることはない。
自信がある。
長雨は、
天井裏に住んでる奴らの糞塊を
丹念にドリップしてくれる。
「凛子、コーヒー的のが、入ったよ。」
....
台風が近づいている
博多発 こだま758号
速くなる雨足と進行速度
夜の闇を裁断して行く
誰かの咳き込む声
冷房のノイズ
四角窓を打つ雨音
時速220kmの静 ....
手首が落ちていた
拾って見聞
多分女性のもので
若い
爪は綺麗なピンク色に塗られていて
指はすらっとしている
中指が人差し指より
少し長くて
生命線がはっきり見える
匂いを書いで ....
猫がならんで立っている
おまえはもう十六ではないのだよ、と
言ってくれるが
なんの救いにもならなかった
良いのかどうか
問いかける気持の裏がわで
浮かんでいるふたつのひざ小僧
がさがさで傷だらけでちいさくて口をつけたら割れそうだった
ママ
と言ったかどうかは
おぼえてない
言いたか ....
元従軍慰安婦を見ると
70年の月日を考慮したとしても
兵士にも選ぶ権利はあるぞ
と強く思う
強制するなら
もちょっとチョイスすんだろ
ああ、あさし新聞さんよ
そうだろうが?
雨の中
強がりずんずん歩いて行く
知らんぷりしたいけど
それだと足が止まる
坂道を登ってゼエゼエなっても
歩みを止めない
過去から進むため 生きるための
これは試練
....
なくなる
なくなる
いずれ
いなくなる
いなくなる
いずれ
ならば
悔いなく
悔いという悔いを焼べて
....
大雨洪水注意報
彼女に涙を流させてはいけない
そのあとですごく経費がかかるから
落雷警報
電気ショックで何かが復旧するとは想わない方がいい
普通のひとは死ぬ
落石注意
気がついた ....
四日後
銀の風船を
腰に繋ぎ止め
兵隊はやってくる
ずっと街で
警報器が鳴って
現場の一角で
野次馬が騒ぐも
いそいそと
消防隊は
ホースを巻き上げ
ぼやだったと
笑いあう
....
仕事を終えて
アパートの玄関を開ける
先日
酔いすぎてもどした
消化途中の言葉尻が
まだ
黒ずんだ上がり框に
飛び散っている
向かいの棟の方から
チリチリと音がする
数日前か ....
冬の西日が射し込む病室で
みっちょんが見舞いに来てくれた
「朝一番の新幹線で
大阪から来たんだよ
お見舞いには何がいいか
オカンと喧嘩しちゃった」
そう言って笑ったみ ....
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