女を待つ雨が速く落ちたり遅く落ちたり
電車を待つ駅のホームで
小さい両手いっぱいに
飴玉をのせ
ほら、とパパに見せる女の子
(夢がたくさんあるんだねぇ…)
改札口を出た脇で
人々の過ぎゆく中に
突っ立って
開いた本とに ....
在りし日の哲学者は、背後を振り返り
あの朧な真理のひかりを、指さしている。
すでに肉体は消えて久しい、彼の
想いを継ぐ者は同じ方角を、指さすだろう。
あまりにも遠く離れる
朧なひかり ....
妻の首にスイッチをつける
昼間はAに
夜はBに
旅行に行くときはCに
切り替える
子供の首にスイッチをつける
勉強をするときはAに
遊ぶ時はBに
ウサギを追う時にはCに
政治 ....
切り花のうつくしさ
根を持たぬ、管理された美
土からとおく
まいにち、冷たい水を待っている
淀んだ水では、たちどころに腐ってしまう花
そうあるように求められたおんなたち
彼女らの容色が ....
■僕らが首を吊る理由■
産まれ落ちてからしばらくして
自分の体を初めて顧みた時
最初に気付いたのは
自分の手のあまりの小ささだった
どうしていいか分からないまま
少しずつ何かをする ....
ど近眼の俺等一寸先も見えず
手探りで進んではすぐに壁にぶつかって体をよろめかせる
悔し涙で滲む夕日
帰り道に
思い浮かんだのは
夜祭りの日に300円払って遊んだピンボール
勢いよく飛び出た ....
これからの話をしよう
過去に浸るには
僕らまだ若すぎる
思い出は今の僕の一部
全て抱えて受け止めたなら
前に進もう
まっさらな心で
愛して欲しいと嘆く
私は淋しい薔薇の花
きっと嫉妬で燃えたぎる
炎のような黄色い薔薇
本当は清楚にたたずむ
白い薔薇になりたかった
やわらかくはにかむ
ピンクの薔薇の花でもいい
....
鳥は羽ばたき
車は車輪を回転させ
互いに併走し
時を追いかけ
滑らかに太陽に向かう
羽ばたきと回転
鳥も車も
全く異なる動きで
自分のリズムと歌で
滑らかに太陽に向かう
....
ドイツ農民戦争では17万人が
30年戦争では400万人が
フランス革命では489万人が
第一次世界大戦では2600万人が
第二次世界大戦では5300万人が
朝鮮戦争では300万人が
ベ ....
我々は新しい太陽を目指す
おれらは新しい太陽を ....
きっと初めから
死を覚悟して恋をしていた
随分前のことだけれど
彼女から
死にたいのだと
こっそりと
打ち明けられたことがあった
どんなに哀しくても
明るく振舞う
気立てのい ....
私はもういい加減26だから
涙が出るのを女の子のせいにして
結婚するまでお泊り禁止だなんて
綺麗な女のフリなんてしないけど
いつまでたっても頭には
四季折々の花が咲き
落としたハン ....
どんだけの無意味さ、重ねたっけ
真心と優しさと愛情と後悔
あと、何だっけかの夢物語
最高の笑顔の前に並べられた思い出の品
僕は多分、貴方と何度か言葉を交わしたことのある
ちょっとした存在 ....
人や動物は寝るけれど
草木や青い空や白い雲も
寝るのかな?もし一緒に寝れたなら
夢を見よう 楽しい夢を
そして朝になったら
また一緒に遊びましょう
君の背中に羽がある
そう思った
いつも
どこへでも
連れて行ってくれるから
わたしも、
飛べますか?
未来へ少しだけ
一緒に飛ぼう
....
犬と歩いていた畦道
蓮華草の洪水、うららかな風
晩春の自然は生命を礼賛していた
突然、犬が強く引っ張る
そして、嬉しそうに吠える
畦道の行く手に
冬眠から覚めた蝮が横たわって
ぬらぬ ....
1週間に1、2回しか
食事を与えなかった親は
5年に1、2回しか
食事を与えられない刑に処す
ブタ箱入って
くさい飯食えると思ったら
大間違いだかんな!
おまえなんか
5年に1、2 ....
石段かけ登り大人になれないような予感
赤いヒヨコ青いヒヨコ帰る場所がない
拙句集の火でメンソールの煙草
困難なゆえ
選択肢のない
一本道
簡単ならば
迷いも多い
別れ道
どこいく道か
さらなる道だ
いついく道か
今さらの道
小さく纏まって
生きていくのも ....
かつて日本は
西欧列強の仲間入りをしようとした
同じように植民地を得ようと
五族協和等々美名を掲げて
アジア諸国に軍を進めた
首相の好きな福沢諭吉
その福沢の論のまま
歴史が動いたか ....
ねぇ 覚えてる
あの日助けた子ダヌキ
それがわたしよ
そういって妻は
スカートの後ろから
大きな尻尾を出して見せた
そんなことは
トウの昔にわかっていたさ
私もズボンの ....
地下道の真っ白な道歩きます
違う、どうのこうの言ってないで
宿題でも片付けなさいチミ
男子高生始皇帝を学ぶ
中国史
遅刻して
中間撃沈
中華帝国の終わり
だからゲオ ....
やめておけ
国家主義など
あれは
国民という集団への信仰にすぎない
集団への信仰は
いつしか
個人の
人間としての判断力を
鈍らせる
先の戦争がいい例ではないか
私は
人間とし ....
未だこぼれ出ぬ涙のために
1tの鉄塊を失って
また人らしく踊れるかもな
大腸の横穴の奥で溶けない氷
夏を越えていく中で
浮き出て腐る
いつぞやの恋は
未熟な枝付枯葉
機械が核の ....
真理かまやかしか
ずれたまなこでやぶ睨みした
雑草だらけのあけすけな世界
齢だけがひとかどになり
手の中にあるのは
ぎりぎりの蒸し暑い部屋
あちらこちらと
分 ....
今年友達になった人が
フウセン蔓の種をくれた
うちの庭に咲いたの
私が種を採ったのだから
春になったら撒いてねと言った
フウセン蔓の花というものを
私は見たことが無い
二十年も前に
....
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