嘘をつくのなら
貝殻がごとく
言葉にしても
言葉にしなくても
おなじ結果なら
貝殻がごとく
傷つくことには、もう慣れた
冷たいことにも、もう慣れた
....
斑入りの朝顔の葉
白い斑
子供の頃は病気の葉だと思っていた
今では朝顔の個性であると想っている
今では斑のアクセントに自然の美を感じる様になった
斑入りの朝顔の葉
不効率な自然の葉 ....
骨にくっついた価値を涙に乗せて
夢に突き刺したなら
溢れたその想いは
いずれ泡のように消滅するだろう
大事だから誰かに奪われると恐れ
生命の求める夢を
誰かに見せつけられた才能に
自 ....
『平行線』
とおくで
銃声が泣く
この手と
隣り合った君の手は
こんなに近くにあるのに
ものすごく遠い
銃声が響きわたる
この街の片隅の
四角い空は ....
私がまだ21か22だった頃
燃やすゴミ用の袋を入れている袋は
果たして燃やすゴミなのだろうか?
なんてことはどうでもよかった
(なのに、ナーゼ
歯をくいし、バーリー、
バリーマニロウ・・・ ....
金髪のあの子
耳朶にはたくさんのピアス
煙草をふかす
ふーっ
そのまま
キスする
舌を絡ませる
体液が滲む
真っ暗な部屋
月の灯りに
ピアスが反射する
きらきら
....
夜の空をずっと眺めて居ると
独り言だけで済んで仕舞う時に全てが満たされて行くのが感じられる
細い糸の様な雨が、分かりづらい雨が止まない
夜の空を細い糸が、分かりづらい雨が降って居る
柱時計 ....
優しい言葉ばかりを 紡ぎ出す事は 容易い
思っても居ない心を 並べ立てて
笑顔で お喋り
そういうモノでは 無いでしょう
一つ 一つの 糸を 絡め合えば
喧嘩にも なる
....
さそりはいい虫じゃないよ
少年が立ち上がり主張する
だけれど姉さんは落ち着き払って
さそりが星になったときのお話をする
だからさそりはいい虫
空焦がす大花火
さそりは年中燃えている ....
あなたは 年老いた家の姿を見たことがあるか
台所からは 骨と皮だけになった皮膚の隙間から
食器と血が 毎日滑り落ちて死ぬ音
骸骨のような運転手になった父が
赤信号のまま 車を通 ....
2014年、30歳の夏に
彼女は
こころの半分を、お空にもっていかれてしまった
未婚のまま
卵巣がんと子宮体がんのため、子宮と
卵巣全摘出手術をうけたのだ
生きることに必死だった
....
今日も同じ場所で立ち止まれば
聞こえて来る 母の明るい声
「あんたはヤクルトが大好きでね、
お風呂上がりに必ず一本飲まないと寝てくれなかった。
ある時買い置きがなくなっちゃった時があっ ....
夜
君の体を触る
まさぐっているうちに
ぐにゃぐにゃの体は
人のかたちを取り戻す
これでまた
明日も会社に
行けそうな感じだ
朝が来るまで起きていて
布団から這い出す
君はまだ眠っ ....
盂蘭盆会
大きな篝火 お寺の境内照らします
小さな迎え火 辻のうらうら灯します
あれは送り火、 花火が散ります。遊ぶ子らの指の先
真昼の流し踊りの賑わいに子供たちはお囃 ....
笑わせたつもりはないが
君は満面の笑み
つられて 僕も わけわからずに笑う
僕はなんだか照れくさくて 冷蔵庫に麦茶を取りにいく
コップに麦茶を注いていると 君のすすり泣く声
....
きれいなものは とおくにあるから きれいと
ちかくになったら いやなところが みえてくると
ごちゅうこく してくれた ひとがいたけれど
あなたは ちかくになっても きれいでした
あなたはつ ....
どこまでもきらびやかで
まぶしい灯りの下
見えないものは
どこまでも見えないままでいる
通りすぎる車という車の硝子を
緑色に塗りつぶしている
何をされても
何 ....
玄関の網戸
寝たきりの犬
みんな跨いで通る
風とおしのいい
ぴくりともしない
玄関の網戸
寝たきりの犬
....
八月のフェイクな午後
焼けたボディを持て余す車たちの間を
盗っ人のような急ぎ足の俺。
金で調達した相手との
たった2時間の悪戯の為に
ホテルのエレベーターに滑り込む
アスファルトの上に ....
夢の中で男と二人連れで歩いていた。河原に降りていくと一面のススキで、その間の小道をさらに河沿いまで下っていった。辺りはもう夕方に近く、光の濃度が高まっていた。「見なさい。」男は言った。「あ ....
宮本輝の泥の河を閉じて雄太は病室をでて用をたしにいった。
点滴をしたまま廊下を歩く中山さんとすれ違って雄太は顔も向けずに頷くような挨拶をした。
雄太の胸にすっと冷たい風が差し込んだ。
雄太は用を ....
ししゅんきに
少年たち、少女たち
秘密をはぐくむ
親友にも打ちあけない
まして 親なんか話さない
大事な秘密をそだてる
それは
生きてゆくために必要な秘密
けっして
解か ....
目蓋を閉じて
皮膚の下に流れる音を辿る
爪先から心臓まで
留まる事なく巡る
透明な、その筋を、
罪と言うならば
この牢獄から逃れられる者は
誰も居ない、と
永い月日が織り上 ....
あの夏を忘れない あの夏を忘れない
あの夏を忘れない あの夏を忘れない
ウラシマタロウ君(28歳)のナツヤスミに終わりはない
何故なら高校3年のナツヤスミからずっと
1 ....
なんとなく分かるさ
それは、たぶん嘘
それならそれで構わない
なんとなく分かっていたさ
それは、多分うそ
何だか酷く疲れてる
その嘘の裏側にある想いが
実るのを願ってみよ ....
こんなにも幸せな誕生日は初めてだ
今まで
今日という日まで
生きてて本当に良かった
って思えた
今までだったら嬉しい時に
“今なら死んでも良い”
って ....
アトピーを掻きむしることのほかに
何ができるわけでもない夜
手の甲をがりがりと掻けば
私がこぼれる
私であったものが
はらはらと床に落ちて蓄積する
少し血の滲んだ指に絆創膏を貼って ....
約束は
果たされないことの方が多いから
寂しそうに微笑むんだね
きっと、だれしも
去りぎわに
けれど
約束は
全く果たされないわけではないから
なおさら人は微笑んで ....
沈黙の夏
一緒に溺れてしまいましょう
強く右手左手赤いロープで結って
動けなくなるまで
私たちは夢の中
心優しき人が胸を痛めているように
振る舞うのが詩人らしいと思うの
でも、たまに心優しくない人の
刺々しい言葉に接すると
「あんだあ、おめえみたいなクズ
消えちまいな!」と
いっそうハートフ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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