かつてお酒の好きな詩人が
青い背広を着て旅に出ようと言った
夏の来るのを待つ短い ひと時
休日の真昼間
私の心はスーツケース持たず旅に出る
海もあった
太平洋の波の音に吹 ....
それは知ってる僕のせい
ひとみな僕から遠ざかる
むろん知ってる君のせい
僕のこころは泣いている
国の初めが天国ならば
僕の初めは君とのくちづけ
世界が突然キラ ....
あの原稿を送った後のことだ。ジュネの『葬儀』を読んでいたら、こんなことが書いてあって、驚かされた。
とつぜん私は孤独におそわれる、なぜなら空は青く、樹々は緑で、街路は静まりかえり、そして ....
『イル ポスティーノ』という映画を見ていたら、パブロ・ネルーダの詩の一節が引用されていた。
俺は人間であることにうんざりしている
俺が洋服屋に寄ったり映画館にはいるのは
始原と灰の海に漂 ....
揺れる楕円がことばを塞ぐ
甘い香りと露出した果皮が目前に迫り、
獰猛な括れと若い膨らみが
荒い呼吸とともに 静寂を犯した
仮面を剥いだ匂いを指がなぞる
然も危険な場所を呼び覚ますように
....
また新しい痛みを探してる?
この前みたいにはいかないと思うよ
力いっぱい何かをやるなんて
想像もできないし、したこともないし
笑顔とポジティブな言葉
拡張された感情
あなたが思って ....
つぎから
つぎに
つめを下にした
指が
降ってくる
ただしいことの
降灰
ただしくない欲は
ロケット花火
高層12000階のすみかに
移り住んでしまって
もどるには
地 ....
奪還する疎外感
我がもの顔で
一人ぼっちの振りする
不快な支配
転げ落ちる坂道
勾配による強制
崩れるようにして
走る足の音
続くエンドロール
向かい風と同時に
氷結す ....
遠い祈りのように カーテンの隙間から青白い月が見える 青白いものを見ているのは私以外にいない
今楽しいことと言えば
昔の詩作品を分かりやすく
丁寧に 自分の解釈で
改変して 書き直してみること
やっぱり一番楽しいのは
高校の頃に熱中した 中也の詩
いかようにも解釈できる 幅を持って ....
1 誰にも言えない秘密
誰にも言えない秘密なんて誰にでもあるよねと思うけど、これは困った。「俺誰にも言えない秘密があってさ」と壁ドンされつつ体育館裏で言われるとか嬉しくない。しかもそのあと「俺、 ....
光をいただき
空気をいただき
水をいただき
食事をいただき
愛をいただく
1 また明日
また明日、と言って彼女は顔を伏せた。また明日、明日はいつくるのかと聞いたらまた明日なんだから明日来るに決まってるだろうと笑われたがここは明日が明日来るかわからない土地なのだ。みんな ....
病室の午睡時、
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵の如く残り
自分が此処に居ることが
怖いくらいはっきりと浮き立つ
*
病院の午睡時は誰も居なくなる
ただ人の気 ....
アマゾンの巨大魚
ピラルクを釣ろうと思い
ワイヤー製の頑丈な仕掛けを作った
これでは電車に乗れないので
少しコンパクトな仕掛けを作り
1mの鯉を釣ろうと餌を調合した
ひき肉とサツマイモと数 ....
俺は光を手に入れた
全ての言葉が自分に向けられたナイフのように感じるとき
街燈の口から肛門までは広い路地裏で
背中を刺された水溜まりがうつ伏せになっている
太陽と月が手を繋いで流れる日々
....
罪を
ね、
時間がやさしい風で
洗い流してくれるよ
これは
ほんとうの経験さ
恋愛も
ね、
そんな風に忘れられるなら
憎しみも
悲しみも
ね、
透明になるま ....
いまとなっては
すこし悲しいくらいの
干からびた笑い話だが
僕は
じつは
二十歳になるまでに
死にたかったから
世界をバカにするのも当然だと
信じていた
どんなあたた ....
37℃を超えたあたりから ちょっと虚な意識の中で
なんとなく ようやく
スマホの写真を消し始めた
一緒に行った旅行 あなたの写真だけ消していくと
あの時間から あなただけが消え ....
苦しみのひとつひとつに名前が付いていて
悲しみのひとつひとつにも名前が付いている
そのうちのひとつは
アイ・ショット・ザ・シェリフ
....
凪の日に書いた手紙を燃やすのは
祈りにも似てる
といっても差支えないんじゃないだろうかと
ふと思う
カタツムリと紫陽花が見たい
ともおもう
ねる
....
カサヲサセバ
素直になれるだろうか
オチテシマエバ
寂しさは治るだろうか
アメガフレバ
消えてなくなるだろうか
ヨルニナレバ
子どもに戻れるだろうか
....
神なるものに孕まれ
神なるものの内に在る
私なるものは
神の内に詩想し生きて
今やすべて私の自由意志に任され
この荒涼として混沌の人間界 、
私自らが加担し造り出したのなら
....
生きたい。生き残りたい。この宇宙のいのちの星に
一つのいのちとして生まれたからには、生まれ持っ
たこの本能を、せいいっぱい開放して謳歌したい。
だから俺は、自らをごまかさない。自分の欲求を恥
....
食べたもので人の身体は出来ています。
そんなことはいちいち考えずに
その日の風まかせで
献立を決めてきた
心は何で出来ているんだろう
手元が狂うのは永遠の一瞬
包丁の刃で切り落とし ....
○「時だけは」
ストーブをしまおうか
扇風機を出そうか
決めかねている間に
時だけは確実に過ぎ去っていく
○「ミヤマキリシマ」
今年も山の斜面に
きれいな花が咲いている
植物は
....
私たちから離れた世界中の多くの人々が
私たちのことを祝福していると思うのは
確かなこと
毎日を生きてきたという
何もないのは
純粋な証拠なのだから
善と悪が交じり合った ....
夕暮れになると虫を求めて燕が飛び回る
蝙蝠の飛翔よりずっと気分がいい
燕はハレの礼服になれたけど
蝙蝠は傘にしかなれなかった
自分の大学がイスラエルの企業から恩恵を受けている
そ ....
紺碧の空のもと
緑の{ルビ渓=たに}に分け入り
髪より細い糸を頼りに
ときめく胸を押さえ
銀鱗が舞い踊る
「個人はなにものかに達するためには、
自己を諦めなければならないということを、だれも理解しない」
(ボアスレーへ、ゲーテより 一八ニ七年九月二十五日)
「一ふき風の木の葉しづまる」 ....
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