割れないように電球を回す。
妄想 昔好きだった人 嫉妬 行き違い 冷めた晩御飯
黒板を爪で掻いたような音がして、肩が竦む。
薄くなる財布 内緒のお金 本当は嫌いなチョコレート
....
お線香をひとつつまんで
おばちゃん ごめんねと
ぼくはいった
ごめんね
あら いたるちゃん よくきたね
おまえはしんでからだと
よくおいでになるね
いきているうちは 何か不都合でもあ ....
生きるということはこういうことです
そう言ってせんせいは
聴診器をはずした
わたしを見つめているのか
ずっと遠くを眺めているのか
わからなかった
眉間に深 ....
神様が参観に来ている
オーロラに乗ってやって来た
教室の後ろの方で
子供たちの様子を見守っている
神様が見ている
子供たちは、はりきって手を挙げる
良いところを見せたい、と思っている
....
秒針だけの静かな時計
飛び込もうとして
やっぱりやめる
仄かに光って揺らめく水面を
乱したくないと思って
つま先から
トポンと
辛くても生きる体温を
鎮めてくれる水 ....
1 ベランダのアマガエル あるいは セミ
人工石に囲まれた中空にひらひら揺れる緑色の片鱗が
さまざまな生き物の宿る大木の小枝に見えたのか
ベランダに並んだ化学合成陶器に盛られた疑似土に
....
様式美も形骸化した愛も欲しくはない。痛みの先に甘美な法悦があると信ずるきみの、石膏製のような鎖骨に空いたピアス穴に針を通すこと。その時、いつもは無口なきみの瞳が恍惚の色に染まること。それだけが私を満 ....
忌み言葉の多いスピーチに祝われている
句読点のない手紙が励まそうとしている
身を粉にして何も残らない
七夕ばたばたアブラカタブラ
笹に願いをかけました
みんな仕事ができますように
仕事ができるなら
たぶん金持ちでなくてもいい
お星さま願いを叶えて
七夕ばたばたアブラ ....
{引用=鉄砲がつめたくなりて‥(賢治)}
銃身のつめたさ{注=作者は、銃に触ったことはありません。また、事実は、寝台は各部屋2つ備えられていました。}は 心のほてり
夏至の長い日が暮れると窓 ....
訳の分からない上司に
訳の分からない仕事を頼まれ
クソつまらない一日を過ごし
手取り15万程度のはした金を
貰うぐらいなら
自慢の巨乳が萎びる前に
一花咲かせようと思うのは
間違いどころ ....
うつくしいことばがのみこめない
ぼくらはもうほんものじゃなくなったというのに
まだわらえないでいる
とうめいなゆびがぼくにささったことをきみはしらない
ぱらぱらとふるあめ、このまま ....
戦士は傷ついていた
胸に深い傷を負っていた
傷口から溢れる透明の血には
誰ひとり気づかなかった
時が経ち
傷は癒えたかのようだった
時々傷跡の奥深くがじりじりと痛む ....
色の薄いピンクした煙が空を漂っている
この場所は、世界の屋根の下にある火葬場だ
おどろくべきことに、神さまは面倒を見ないという
薄汚れたビル群が、異邦の地を区分けしている
言い訳と嘘がごちゃま ....
心に元気がなければ
身体のバランスが悪くなる
何か上手くいかない感じがする
瑞々しい心で過ごせたら
光を帯びた日常が広がっていく
乾燥しきった心では
潤った創造が出来なくなる
....
誰でもない者たちへ
焼け落ちたこの町で
青ざめた面もちで
永遠の夜を知れ
ガラクタのような知恵
散りばめたこの町で
溜め込んだ悪い血で
眠れない夜を知れ
──その命 ....
今 私の中心に私はいない
好きだった男に 中心を持っていかれて
棄てられたから
私は スーパーのゴミ箱や
彼とはぐれた バス停に
私の真ん中が 落ちていないか探し歩いた
寂 ....
駅に向かう坂の途中に咲いている朝顔に人形の首がぶらさがっている。天気は訪れる時期を間違え続け、今日も橙に人々の肉を染め上げている。鉛なのか鋼なのか定かではないが、いつでも重い金属が鼻孔の奥 ....
〈幸せそれとも不幸せ〉
辺りが闇に包まれるとそこに尊い神具があったとしても何も見えなくなる。
僕の眼の前には幸福が大きく広がっているが残念ながら僕の時間はいつでも夜。
星明りひとつない真の闇だか ....
去る日──
虚空は躁病となって
ルビーの文月が真夏日となった
風と光と雨と土は
ぺんぺん草だけを増長させた
趣きの貧相なおらが裏庭一面に
あゝ 網戸をすりぬけて匂ってく ....
太れ!
太れ!
太れ!
太れ!
太れ!
この病は皆痩せてから死ぬ
ダイエットなんか糞食らえだ
病院食なんか糞食らえだ
だから太れ!
太れ!
太れ!
太れ!
太ってくれ!
ヒィ.ヒィ・ヒィ
と短い喘ぎ声をあげると
まだ僅かに動く前足を震わせながら
今はもう土塊と化した後肢を引き摺り
必死に転げるように小屋から這い出て来る
排せつ物を小屋でしないという
犬本来 ....
波打ち際で花束のような人
野にある姿は幻だったの
手の内を隠して
笑いかけるだけ
振り向いたら負けと言いながら
波に呑まれて魚と愛し合った
夕立の前に
....
あれはたぶん、あの世とこの世の境だったんだろう。
夕暮れに染まったけだるい空気の中。
全身が鉛のように重く
言葉を発するのも困難だった。
私は高い高い塀に囲まれ ....
いつから
奥歯を噛み締める癖が
ついたんだろう。
こんなにも
自由なのに。
「太郎」と呼ばれるのは
小学生 ケンカ仲間の幼なじみ
「太郎君」と呼ばれるのは
小学生 片思いだった 同級生
「山田」と呼ばれるのは
中学生 柔道部での ライバル
「山田 ....
エスキモービッグなトリュフに
エクレアモンキーパンチ フル回転
だってせ ユニークなナンバー聴いても
心落ち着かないクールダウン目前
それゆえピーチもコーラも
ルードリッヒ級に ノー ....
くそくだらない人の恋路を
特急列車が踏み潰す
お腹の減りすぎた少女の頭から
おかしなアンテナが伸びている
食欲と性欲の区別もつかず
リンリンリリンと手の中が鳴る
ウッドベースでも良いけれど ....
1885 1886 1887 1888 1889 1890 1891 1892 1893 1894 1895 1896 1897 1898 1899 1900 1901 1902 1903 1904 1905 1906 1907 1908 1909 1910 1911 1912 1913 1914 1915 1916 1917 1918 1919 1920 1921 1922 1923 1924 1925
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.6sec.