君は例えば三十六才の犬に遭った事があるか?
三十六歳の猫は?
....
夏の日のスイカよりも好きになりたい
大きなスーパーマーケット
よごれた小川
眠る幼児
泣いてる大人
そういう日々が
ありふれた風景になって
傷つくことを忘れても
夏の日のスイカ ....
真顔でトマトの返り血を浴びる
きっと金の話だ御土産持ってきた
同期が出世していく暗いトイレで眠る
かつての細胞が 未だ僕の中に生き残っているとして
記憶を二度三度、ノック ノック 「聞こえますか?」
かくして才能は 綿菓子が千切れて憂鬱が落ちた日に
あらわれたんだ あられもないSCENE ....
見えている未来に うんざりし
見えない未来に 不安を覚える
どちらも本当ではないのにね
疎開のために
中のものはすべて持ち去られた
その物置小屋には窓がない
暗がりの中は
板の間からのわずかな光が射すのみである
今そこに鉄パイプが生まれて
中に人間の血液と同じ成分の
液体を ....
夜は蒸し暑い。
室外機が鳴る街路。
黒いゴキブリが棲家を探していた。
通り過ぎる私に
「家はありませんか」と尋ねた。
私は通り過ぎた。
街は許し難い。
私は振 ....
僻み根性のかけらも持っていない人の
笑顔はほんとに美しい
心まで透き通ってみえるよう
周りの人まで
幸せにしてしまう
あなたは日差しの中に咲く
どんな花にもよく似合う
あなたが少しも ....
まるで
三十分で
いっきに大人になったみたいだったよ
疑問符そのもののような顔をした檸檬
突然
目の焦点を断ち切られたように
視界が曖昧になった
いびつな夜明け
青空の穴か ....
コールタールの
夕ぐれは さびしい匂い
潮風のながれを瞳にうつしながら
ちいさな犬を飼いたいと思っているあなただ
いつだったか
お父さんと歩いた砂漠の谷は
どれくらい深くて、どれくらい広かったか
お父さんは、
よるは寒くなるからな、と
谷は水が走ってくるからな、を
ただ繰り返して
私は谷の底 ....
『ミーハー宣言』
最近いろいろあるな
我ながら思っていた
坂本龍一氏までガンなんて
意気消沈してた
テレビを付けっぱなしにした
そうしたら閉ざされていた
感覚がよみがえった
お ....
首を絞めながら思い出すのは
やわらかな日差しのもと
いっしょに丸くなって昼寝をしたこと
きみの白いからだが ぼんやり光って見えた日のこと
こんなにも無垢な生き物を 汚せるもののあるものかと ....
下着泥棒の人は
下着の所有者を選ばない
とんでもないブスが
穿いていたって
別に構わない
美人のパンティだからと
特別視しない
下着は下着
それで十分だ
僕はそんな下着泥棒の
人み ....
シタタタタン、シタタタタン
気が付いたら降っていた
白い雨の中に進み
差しかけた傘を放り投げた
もう、どうでも良い
と思って
僕の全ても放り投げてから
浴びた白い雨は
なん ....
窓越しに、ぼやけた信号が青に、赤に。
車椅子の通る二本線を追って使われなく
なったトンネルへ。
影、足を引きずって歩く後ろ姿。
雨が上がり、乾いた水溜り。
きれいなものが結構見つかる
たとえば、スマホを引っ掻いてるお姉さんの青い爪
赤ん坊の透明な耳たぶと、三角形の耳のついた帽子
きれいなものが結構見つかる
たとえば、合わせ鏡みたいに続く、とな ....
白い彼女は夜に来て
暗い独りを照らす
私たちをしっかり見て
白い彼女は朝には消え
切ない笑顔を残す
いつかの再会を望んで
考えるのは止めない
脳裏を撫でて離れない
白い ....
金色のひかりが
静けさの青を深くする
ねむっている
あなたのまつげに
いとおしい夢のかけら
燃えのこる 十七夜
はじめて あなたに
抱きしめられた
風が囁く笹の月夜
まる ....
特撮映画の基地みたいな音がした
僕は静かを見つめて身構えていた
やがて小さな地滑りみたいな予感に身をまかせていた
地下500メートルの岩盤につくられた個室にも
攻撃の震動が届い ....
酔っぱらったならば 吐ける本音と
酔い潰れたって 守る 秘密
秘密を ヒミツじゃ なくする セリフ
「ヒミツなので 誰にも 話しません」
そんな常套句ばかり
ドヤ顔で告げるアイツに ....
タクが失踪した
親にも知らせず彼女ものこしたまま行方不明
刑務所から出て保護監察下ながらM工業で働いていた
将来独立するという意欲もこめて作った名刺ももらったのだが
僕が名義を貸して彼 ....
オマエが銃を取り
生者にその銃口を向けるなら
オレは花を摘み
生者にも死者にも手向けよう
生者には「生き抜け」と伝え
死者には「マシな世を作ってみせる」と誓う
オマエは上官の命令だ ....
お前が殺ったんだろう!
ち、違う、俺じゃない!
お前が殺虫剤を持って
呆然としているところを
隣の佐藤さんが見ているんだ!
そうじゃないんだ、俺は何もしちゃいない!
いい加減認めたらどうな ....
窓に背をむけて
なにかを書きとめていた
あなたに小さく呼びかけた
微かな灯りのともる夏、
砂のまじったわたしの思いは
野良猫のとなりで寝ていた
やんごとなき添い寝に ミシンは要らない
クレヲパトラブームに乗っかって ミシン目ギリギリ
スペックまずまず
ミスタースポック ゆるキャラ自慢に辟易
トマトブリーズ
トマトが染 ....
見栄えが悪いから、と
売店は滝から離れたところへ移転したらしい
水滴は一滴でも目に見えて
だけど滝を一滴ずつに分けてみる人はいない
マイナスイオンの感じない香りよりも
ひんやりとした抹茶アイ ....
頬にできた腫れ物を
結んでいったら門になった
誰も通らないので
自分で通ったら
門も自分も消えてしまった
....
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