○「相続人求む」
田舎の田畑、山、古民家、お墓などを
相続人してくれる奇特な人は
いないだろうか
子どもがいない人たちは
血のつながりのない赤の他人でも
信頼できる人ならかまわないだろう
....
たれかぼくをひとのいとなみのないところへつれさってください
....
自称詩人が泣いている
僕は自称詩人だと
泣いている
自称詩人ではない何かに
なりたいと思っても
いつまでも自称詩人でしか
あり得ないことを
お父さんのせいにも
お母さんのせいにも
社 ....
交じり合う水の響き文字にはなれず
木陰に隠れ 泣く者もなく憎まれて
契りもけむる朝 嗄らす声すらなく
爆ぜる肌 墨でなぞった夜の谷
差すべに月になじむことなく
ゆがむ静寂に 息を重ねて
....
祈りのピアノがとぎれとぎれに聞こえます
もう戻ってこい
死体より重たい体のカモメ
狂う、狂う、とカモメは鳴いて
そこら雲より手前
漂っています
漂っています
祈りのピアノが
と ....
西陽とたわむれる
噴水の水の音は
子どものようにまるくなってかけまわり
わたしへ小さく手を振って
「またね」
…… 、
鈴懸の樹が葉を落とす風に鎮もる
涼風にのっ ....
散乱したゴミが
部屋の片隅
産卵をしていた
孵化して命となったゴミに
名前をつけていく
太郎や博美は
早くに死んだ
真理子や貴文などは
長く生きて
また新たなゴミを産んだ
....
もう、
笑ってもいいんだよ
って云われた、
ような
笑っていないのは
すこし弱くみえるらしいし
ずいぶんむかしのことだが
たぶん白みはじめた鳥たち囀る早朝
いちばん悲し ....
敵であり、
味方であり、
ボクの恋人であり、
油断の出来ない女だった
彼女が欲しいのは男らしさ
弱い男なんか目じゃない
心の傷を舐めてなどくれない
辛い時に、優しくもない
だけ ....
秋が重い腰を上げて、ようやく日も少しずつ短くなり始めた、空には一文字に切り裂かれたような雲が浮かび、そいつらを見下ろすように鱗雲が多足生物の足跡のようにぽつぽつと揺れていた、秋に生まれたせいかこういう ....
命が惜しいと老人は若者に、我慢を強いる
生徒は学校で教師の言うことを聞けず
夏は暑いからと過度にエアコンに頼る
お金が欲しいと子供達は、YOUTUBEに顔を出し
難しいことは考えたくないと、人 ....
窓ガラスの向こうは
灰みたいな霧雨
しっとり濡れたふたり
長い沈黙はお互いを窺っている
温かい珈琲をブラックで飲み
空気が微笑んだ途端に
外の世界は滅んでゆく
ドアの鍵を掛けたその手で
....
ぼうとする・・・
眠る前、眠剤とれば・・・
しとどの雨も上がったようだ
僕も布団の中に
帰らなきゃならない
眠りわずらいの
詩を
沢山書いてきました
書いて消し
くりかえし
....
電線伝いに溜まった雨滴の群れ、無数無数
すぅうと膨らんではぽとっと落下していく
次々と、次々とまた膨らんでは落下して
繰り返し繰り返し
ベランダのキキョウやガーベラの花々
いっせいに ....
かたてそこ
僕の廻りにはあなたがいて
それでも僕はまわり続けている と あなたに問いかけた
....
やりたいことを
やり尽くしてしまったので
今日はもう
何もやることがありません
仕方ないのでキャスをしました
すると、若い女性から
彼氏がほしいと相談されました
はっきり言って上手い答え ....
そんなに簡単に国を割るなよ
玉子じゃねーんだからさ
貴方なら、きっとそう言う
貯めていたお金は
もうすぐ底をつきそう
生きるのは、お金がかかる
甲子園って広いね
膨大な熱量を受け止めるに ....
廃墟の森を歩く少年は
ただ風船を友達にしてた
緑は風を受ける船
青は羽、赤は流れ星、
紫は雲の上の人々
白は予感で張り詰めている
清潔な太陽を受けて
風船たちは化石や燃料や
女 ....
太陽がくもると
僕の心は晴れる
食卓の椅子を眺めながら
僕の一生が終わってもいい
地中のヘビたちが万物を知っていること
遠い空で息絶える一羽の鳥
誰も見ていないのにカラフルに咲いて、枯 ....
何処にでも行けることを忘れないで
ドイツにでもポリネシアでも
幸福を打ち合うビリヤードのように
運命の庭は心の中にもある
あなたの瞳は雨の日々のように
痛みのように弾け
狂ったポケットに落 ....
「今日は和風居酒屋
『死語の世界』にお邪魔しています
こちら壁一面にもうあまり使われなくなった
死語がたくさん貼ってあります
そしてメニューも死語になっています」
・揚げ物メニュ ....
ぼくのふるふる
まろやかなやわらかい
自慢のふるふる
たまにカチカチになる
おかしいななんでだろう
そっとなでたりいろんな角度から愛でたり
とつぜん濃厚な咆哮がこだまする
いきおいよくと ....
夕闇に光るライナー
目的地は魂
ここで眠る僕の本心を
赤と規定した推測を
先に退勤した末松さんと覆す
出荷済みの金曜日
吉日として調整が入るまでに
ごちゃごちゃ考えてるとさ
道が曲がる ....
日めくりカレンダーが
風でパラパラとめくれ
ちぎれて飛んでいく
慌てふためく私を
置き去りにして
ひっくり返すことのできない
残り時間もわからない砂時計
私が生まれると同時に
....
あなたから滲み出る匂いを嗅ぎ
やっと呼吸をすることができる
冷えたコンクリートに囲われて
息を止めたまま凍りついていた
思考回路が野生化する花の香り
ひとりでは何をするにも未熟で
あなたの ....
朝に
自らの面を
洗う
雨、
打ち付ける
アスファルト、
濡れそぼつ
銀の色に
人影 映り、
滑落する時に拍車掛け
始まる一日、
新たに 告げ
響く声
内か ....
湿っぽい風の中を歩いてきた
さくばんの雨で路傍がきらきらしていた
きらきらに意識が混濁しつつ
湿っぽい風の中を歩いてきた
僕はラッキーストライクに
カフェラテを買った
妻が何を ....
お寺の境内の一角、緑の葉が繁り、そのところどころで小さな可憐な花が咲いている。
その紫色を見ているとなぜか懐かしさでこころのうちがあたたかくなる。
「萩の花だわ」
すれ違っていく観光客の会話でそ ....
*
シューケーキ
3つのお星さま
4重層のシュー
お腹に 苺 を
隠しておきます
*
ルモンド
長かったトンネル
やっと出会えた
2人
チョコとアイス
....
秋の森には、青いそよ風が吹いて
森の中のおおきな池には
なぜか、
金色の人魚が棲んでいるらしいのです
うっそうと陽光を遮る森たちの
樹々の隙間をぬうように
さやさやとした ....
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