「台風が来たぞ!」
ブタの3兄弟ボーフーウーは
そう嘘をついて
村人があわてふためくのを
楽しんでいました
村人はボーフーウーが言うことは
嘘ばかりだと気づき
ボーフーウーが何を言っても ....
海に行けないから
カラオケボックスで大声で叫ぶ
それが日常
毎朝5時に起きて
最寄駅へ向かうと
いつも作業着のおじさん
水曜日以外は毎朝いて
黙ってタバコを吸っている
おじさん ....
あしもとで
春の風が巻く
潰れた缶が
音立てて去る
猫背になって
それを無視する
鼻さきを冷やして
会社までの道を
猫背は急いだ
あしもと ....
かきけされたものを
かきけしていく
はぎとられた爪が
残した影は
えぐりとられた
月の皮膚
窓にうつるその
....
灰の中を駆けるくらい、どうということは無いと思った
どんなに汚れたって、体の中まで汚れるわけではないと信じた
汚れた服を脱ぎ捨てれば、また同じように愛されるはずだと信じた
駆け抜けているうち ....
ひとたび彼が其の場所にあらわれたなら
ひとことも言葉を発さずとも
彼の身体が その動きが生きた詩と化す
時に抒情であり 時に抒事であり
時にそれらを超えた何かである
彼の背後の書き割りは ....
細い髪の毛は実にからまりやすく
しじゅう梳かしてあげないと
やけっぱちになった団子になる
しこりになったそれ
まるで永遠に解くことのできない
知恵の輪みたいで
まるで
宇宙だねと
....
意味は逆立ちしても同じ意味をしている
つまり本を逆さから読めばただ読みにくく
もしくは読めないそういう意味で
わたしがたとえ後ろを向いても
その後ろにも世界がある
季節の後ろ姿は淋しみで ....
友人が子猫を二匹拾ってきた
寂しそうにしている僕を見兼ねたのかどっちか一匹もらってくれと言う
…どっちにしても雑種の野良猫だから美しくはないが、と前置きをして…
訪ねてみれば、確かに顔は ....
夢は常に遥か遠くに横たわっている。
僕らはあらゆる手段を用いて少しでもそれに近づこうとする。
幾つになってもそれは大事で光り輝く真夏の太陽のようだ。
空には気さくな雲が流れている。
....
正しく脈うつ
うつ伏せる
四角い教室
フェイスブックで
懐かしい名前をたどっていくと
変わり果てたひとに行き着いた
整形し尽くしても
残る面影に
そうなりたかったんだ
って笑う
ドバイの富豪のしっぽ
すっぽぬけ ....
すまーとふおん
たれながされるぐれつちえんぱーらと
きみはいない
しんじえこうのよふけ
そうぞうするよ
きみがことばにする
あやいやうやえやお
そしていけないこと
ああぼくよりえれふあ ....
恋して 弱くなりました
愛して 強くなりました
向き合って 真実を得ました
顔ヨガしながら散歩しているのか
本屋で万引きしたレモンが硬い
あなたが深いところに落ちないように
手を差し伸べて 支えていきますから
私が寂しくならないように
どうか お隣にいてください
でも笑ってばかりだと変だし
二人で泣いたりすると ....
母親らしき人が秋を告げた
ずぶ濡れのアパートを 飛び出して
たよりない街の たよりない自分から
駆け出して行く
「お前を産んだ途端に、
お母さんの人生は終わってしまったんだ」と、
罵る泣き声のようなもの ....
傷だらけの身体
見ただけで涙がでる
泣いちゃいけないのに
それでも腫れ上がった顔で
笑ったあなた
寄りかかっちゃいけないのに
ただあなたの胸で泣きたいと思った
抱きしめてあ ....
「いつか、会わせてください。」と
12歳の女の子は呟いた。
ランドセルを背負い
スクールバスを待つ公民館の前で。
土曜日の夜
すれた匂いの飲み屋前
酔っぱらいを背に ....
秋の町は、
くれないのさざなみ
思い出はずっと乾いていた
ポケットのなかの木の葉
あのひとからはもらい損ねた
微笑みの匂いがする
きみと帰る ....
なにか
あたらしい生命を宿したように
ある種の覚悟を
はらんだようにもみえる
鮮やかな紅の群れ
陽をあびて
風にながれて
堅くも軟らかな血脈として
秋を運んでいる
そ ....
朝目が覚めてもまだ眠たいと思うのは
昨日が終わって欲しくないから
おはようと言って昨日の終わりに
さよならしよう
夜寝ている時に夢を見るのは
今日が終わって欲しくないから
おや ....
その靴は私の足にあわないので
履くたびに痛みが増しました
1日その靴を履かなかったら
少し痛みがやわらぎました
どうしても
その靴をはきたかったので
翌日は我慢して履きました
....
むしられた羽根が
散らばる四畳半は
着古した洋服の匂いが漂う
何週間も閉じられたままの
ノートパソコンは
化石になって ....
1
憧れを追い駆ける時の虚しさ
その中でしか見つけられない{ルビ理由=わけ}を求めていること
いつからか
僕の片手には孔が開いていた
その寒さの中で屈まっている君よ
なんて空疎 ....
誰かが 私の家の
屋根裏部屋に上がって オナニーしている
階下には 小さな人形が
黒い大きな座椅子に 足を開げて 置いてある
その人が 上で 思春期をふるわせた声を漏らす度
....
おじいちゃんが
台風が来るから
窓に板を釘で
打ち付けるんじゃと言い出した
サザエさんマニアで引きこもりの
お兄ちゃんも同調し
二人で作業しはじめた
お父さんもお母さんも
同じ病院に通 ....
インターネットが席巻し
情報砂漠が広がった
見渡す限りの情報は
握りしめてはすり抜けて
踏み固めてもすくわれる
潤いのない発言に
心の奥が渇いていく
砂漠化した情報は
元に戻ること ....
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