彼はきっと
暗い影を背負っているのだ
暗い影を背負って立つのだ
彼はたぶん
曖昧な世界を光の中で見過ぎた
一度遠退いた世界で
明日を失くして
明日を配り始めて
波打ち際
本当 ....
六枚目 座布団ふっかり包んだら
にっこり笑う 我ストラップ
二枚目とは 行かなくっても ねぇ
ちょこっと 格好つけて
お嫁に行って 欲しいのよって
眺める君は ....
昔から演劇ぱ人生の縮図なんて申しますが。こと歌舞伎というのぱこの世の似姿。舞台にぽっかり空いた穴なぞ傑作じゃございませんか。人ぱそれを“奈落”と呼ぷのでごさいます。その奈落の底に待機するのぱ奈落番と申 ....
犬より猫
猫も好きだが
鼠も好きだ
鼠も好きだが
昆虫も好き
どうも小さいのが好きらしい
犬は嫌いでは無いが
愛玩動物とはしない
猫可愛がりはしても
犬を可愛がる気はしない
....
小さい花咲いたからっぽの海
独居房へブーブークッション
帰りたくない家へ特急列車
怖く 暗い 部屋の中で
冷たく 嫌な 夢を見ました
震えながら 午前4時
吐く息は白く 消える
暑い 塩水が頬を垂れて
少しだけ 私は海に還る
この時が最後だった
....
月の光がぼくに問う
ぼくもまた心のなかで
それをひとに問うのだ
楽しいことを
見つけたときのように
ビニールが発する光の
美しさや無意味さのように
き ....
リルケの詩集を 雪の積もった日に
重いコートの襟を立てて 携えてきた
大事な宝物のように 頬を赤くして
そんな時代に きみの後姿が重なる
茶色くなった 欅の落ち葉に書いた
秋の香 ....
奥行のない思い出が
照らされてみじめにめだっている
逃げても逃がしてもはりつく影のために
やさしくなろうとした
それは
咲く花を手折るようなやさしさで
正しいかどうか問うあいだに
花 ....
カップのふちが くちびるのかたちに濡れている
わたしたち
いま
出会ったってかまわないのにね
わたしのふちも
ちょうどのかたちに濡れている
人には名前があるのに
自分の名前を呼ばれた事がない
あれと言われたりこれだとかそれと言うけれど
自分にはちゃんと○○と言う名前があるんだ
大陸で、
枯葉をペンキで塗ったような芸術が
砂浜で、
新しい季節を注文するらしいよ
噂では
鈍い犯罪は鮮やかな生姜の味
(意味わかるでしょ?
ひな菊を食べながら
逃亡する無意味が
情 ....
死にたくないから苦しいのだ
だから死にたくなればいい
死にたくないから死にたいへ
それとも死に対して鈍感になる?
命綱なしで命懸けで生きてゆく!
死にたくないから ....
壁に小さな穴が空いていた
落ちていた髪の毛がちょうど入るくらいの穴だったので入れてみた
すると穴は少し大きくなった
折れたシャーペンの芯を押し込んで
しばらくするとまた少し大きくなっていた ....
より良き生活のため神経の野菜畑を耕し、
朝日眩しい熱病に身体を委ね、
街を徘徊するのだ。
貪欲の沼を啜り、文字列に擬態するのだ。
嘘の窓の隙間を滑るように、
明日の腕を引 ....
深い悲しみを溶かした色をした夜は
音のないいつしみで満たされて静かに
涙に濡れた木々は
かみさまのことを考えるのだろう
夜の底に沈むもののことなど
誰も想起しやしないと
諦めたのは ....
A点からB点へ
車両を移動する
B点にて
柔らかさを失いかけ
固さを含みかけた風が
胸元を刺す
傷口は身震いする
B点からB'点へ
車両を移動する
B'点にて
葉緑素を ....
うだる暑さ
幻の潮流
裸足のままの冷たい感応
とろけるような空気
張りつめた表情
金色の陽光
粘性の肉
紫色の煙
干からびた右手
壊れた意識
虹の欠片
彼の左目
ひ ....
私の奥底で低く唸り続けるもの
情熱なんていう綺麗事ではない
誰かが約束を破ってあの実に口をつけた
その罪をいまこの身体が償っている
あのまま裸でいられたら幸せだったものを
黒く疼く情 ....
オレはオートバイで
高速道路を走っていた
岡山県に入ったところで
大型バスの後ろの広告に釘付けになった
赤い文字だけで大きく書いてある
「運は一瞬、縁は一生。」
行き先は出雲
島根県観光 ....
精一杯
精一杯の、やさしさ
精一杯の、愛情
精一杯の、 (嫉妬)
特別に
なにかをしてもらったことなど
ない
だから
束縛など されない
だから
私の意思は自由
じゆう
悲しいくらい ジユウ
眠れないのは少し良い
電灯も点けず薄暗い
六畳間にカラカラと
回し車の音がするのは
眠れないのは少し良い
苦い過去を吐き戻し
くちゃくちゃと咀嚼
案外甘みもあるのだと
眠れない ....
運気の流れが悪くなると
神社巡りすると決めている
家の周りには
たくさんの神社がある
見慣れた景色で心が落ち着く
神聖なエネルギーが
神社境内に絶え間なく流れて
完全に守られてい ....
ひとつ心の紫陽花は記憶の静寂で雨を待つ
いつまでも、
視野に入れてはよそ行きの
祇園寺町河原町
どこへ向かへば夏祭り
愚鈍かもね熱々の
ライスカレーはひ ....
ダイダラのうえにダイダラをのせて
最初の神は作った。作った。
走りきったはじめてのわたしの機械達
油の流れる身体のすみずみまで
その線形に織りなす世界とそこにひろが った 岩 コケ 非
....
消灯した病院の屋上に苗を植えました
コンクリートの上に植えましたそれは
新月にもかかわらず囁き始めていて
考えていることが夜に溶け出すのは
ずるずると引き摺る昔日の想い ....
誰かが誰かを愛するように
わたしはあなたを愛さない
あまりにも空が青いから
あなたは人を殺し
わたしは誰かを愛した
1771 1772 1773 1774 1775 1776 1777 1778 1779 1780 1781 1782 1783 1784 1785 1786 1787 1788 1789 1790 1791 1792 1793 1794 1795 1796 1797 1798 1799 1800 1801 1802 1803 1804 1805 1806 1807 1808 1809 1810 1811
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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