私を分解していくと最小単位になる
例えば指先で
それは今も起こってる
人間の淡い輪郭
手をつなげば数千兆の電子が移動する
水溶性キネマ
記憶の階段を一段一段昇るたびに
潮のように満ちてくる
おじぃちゃんの机のうえには
馬の毛
たぬきの毛
頬にやわらかいリスの毛
お米にも描けそな ....
お前たちは
自分の事しか 見えていない
先に 伸びるのか
横を 蹴散らすか
腹を 下すのか
三者三様だけれど
三人寄れば文殊の知恵だと
忘れてる
蹴落とす ....
茜さす静謐な光をたたえた水面に
試しに言葉を浮かべてみたら
小さな波紋を伴いながら
向う岸まで流れていった
齢幾千と見紛う樹々の足下を抜け
鬱蒼と茂るシダを踏み分け
漸く辿り着いた湖畔 ....
月のひかりが
ぼくのとこまで染みていた
あお黒く白んでいた
その月明かりだけを頼りに
ぼくはクスリを探していた
ぜんぶ誰かが通った道だ
ぜんぶ誰もが通った道だ
....
目覚めておはようと
一人暮らしのわたしが
暦に向かって言っていた
太陽のある朝だ
まぶしくもない北東角部屋で
冷蔵庫を開けて豆乳を
そして胃のお薬もきちんと
、神さまはこのはじまり方を
....
とうとう手足は煮詰まって
かたちをうしなったうす甘い部屋で名前をつけている
のら猫、のら犬、野良の恋
そして
名付けたそばから忘れていく
どうでも良いことのように清々しく
たまにあらわれる
ちいさい鬼たちには
うそを言いなよ
忘れてくれるから
それともなにも言わずに
砂糖まぶしの夢を見るかい
いつまでたっても鳴らない手を
かわいい鬼たちがみつめてい ....
おはよう、と世界に挨拶をする
夜を朝が塗り替えている隙に
おはよう、と
返事が無いのは忙しいから
コンクリートを蹴り出す
未明の刹那
口角を歪ませる
少年は裸足のまま
ぶち撒けた
そ ....
国民から選ばれたのに
その国民を徹底的に
弾圧する人になりたい
働かないで
いっちょまえのこと言う奴らを
強制収容所送りにしたい
そしてノーベル賞受賞者から
収容所群島のドンと呼ばれたい ....
この手裏剣を使いたまえ
最期が近い祖父が言った。
人生は楽しみも多いけど
悲しみだって多いのだよ。
たくさん笑う日もあれば
涙が止まらない日もある。
悲しい時はこの手裏剣で
....
何故生きているのかと問われて
きちんと言葉にできるのは
幸せだろう
人間はただでさえ
よるべのない葦のような存在だから
いつかこの精神はほどけるだろう
いつかこの肉体は崩壊するだろう
....
空全体が
うんざりするくらい無垢な雲で覆われた日には
閉じ込められた花の蕾は開かない
どんな真実も
どんな正義も
振りかざされる度
刃物のようにキレイに煌めくけど
その切っ先で誰 ....
何かが見えたような気になる
*
空は空の色
水は水の色
あの花はあの花の色
その人はその人の色
青と透明と赤と頑固者
決めてしまえば
安心だし便利だ
でもそうは思 ....
怪物は街に来るから怪物だ
無痛で流れる血
片頬にためた煩悩
等間隔のドグマ、呆れた僧侶の鈴なり
数を数えるだけのアルバイト中に慟哭する少女
つまらない口論を売りに走る馬
つ ....
ああ わがよきひとよ
なんてさみしいことば
ああ ああ わがよきひとよ
ちいさな おんなのこだった
もうわかれて
とおくはなれて
わがよきひとよ
まだ おれの こころに
おお ....
いいんだよ
って
なにがいいのかな
もういい
ってことだったのかな
にほんごがむずかしい
あなたがむずかしい
わかるのは
あなたが怒ってること
せなかむけられるって悲 ....
それは酷く陰惨な雲が
むくむくと身をおこし
奥にある
痛いくらいの青を
無かったことにする
ディーゼル車の排ガスみたいな顔色をした
不機嫌そうなアスファルトを
....
吟遊詩人は謡う
戦の空の青さ
豊穣の夕焼け紅の村
稲穂流るる黄金
化生蔓延る夜の闇
吟遊詩人は謡う
みずからに流れる血
営みの鮮烈な肌
俯いた子供の涙
定めを ....
私の指先がたどった夢を
あなたは覚えていますか
それは柔らかな素肌の見る夢です
華やかな衣装の奥にある真実さえも
夢の一部だと想うのです
それで良いのかも知れません
いつも永遠に戻 ....
鴉よ
美しく黒々とした羽を
朝の陽に照らされたお前は
卑しくともこの土地を望んだ
だから生きろ 鴉よ
住みやすいこの土地に
文句を言いながら 黒き羽
舞う 鴉
お前はやってきたのだ
....
硬い枯葉を踏み拉きながら
散文的な午睡に遊ぶ、少年期
定規の下の眼球、
或は乾燥花を敷詰めた球瓶装置
靴の花瓶に一輪挿の薔薇があり
田舎町――それは不安の町だが私には一抹の安寧を与 ....
君が私を突き飛ばしたあの日から
私は私を捨てて
君を殺して 食べました
鮮血 美味い 全て 美味い
骨までしゃぶったよ
でもひたすら ごめんなさい
冷たく暗いアスファルト ....
ながい沈黙が饒舌をはらみ
言葉を産みおとすとき
海がきこえる。
海をついばむのは
歌を忘れて後ろの山にすてられた途端
歌いはじめたあの金糸雀でなければならない。
瞬間という永遠が ....
もしも自分が困っている時に
誰かが手を差し伸べてくれたら
うれしいよね
もしも自分が傷つき泣いている時に
誰かがそばにいてくれたら
おちつくよね
もしも自分がさみしい時に
誰かが ....
水に溶けるフィルム。
消えてしまえ、記録ども。
下手なコピーみたいだねって
つながった掌の湿り気
そこから溶けだしていたとも知らずに
私が私になるために積み上げたものが
ゆっくりと ....
不謹慎ですね
きっと
でも笑ってしまいます
感傷を持ち寄って
灯して酔いしれて
そうゆう時と場所が欲しいのですね
明日への活力
というより
デトックス
上手くできる人ほど
生き方も ....
あのひとを
想うことは
あのひとの
闇を おもうこと
はじめまして
わたしは
しきゅう
はじめまして
わたしは
らんそう
わたしたちは
じょせいの
おなかのなか
ちいさな
いのちを
はぐくむもの
そして
しんぞうや
....
無くしたものを数えていると
入ってきた物盗りが
骨髄を持っていってしまった
寒空の下漁り尽くされた
ワゴンセールの片隅に追いやられて
ひっそりと息を潜めている無力感と
....
1745 1746 1747 1748 1749 1750 1751 1752 1753 1754 1755 1756 1757 1758 1759 1760 1761 1762 1763 1764 1765 1766 1767 1768 1769 1770 1771 1772 1773 1774 1775 1776 1777 1778 1779 1780 1781 1782 1783 1784 1785
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