疾うの昔に
  灯りは消されてしまっていたが
  {ルビ空=そら}の部屋に、青さだけ残っている
  それ以外はみな どこかへいってしまった
  わたしは 幾つか咳をこぼす
  そ ....
ひと目をひく
早乙女たちに
風が少しの春と
神の訪れを
知らせてくれて
おりました

群落の息の緒は
へその緒になり
ゆかしい おぼこが
踊りにひねもす
季節風

ぽっかぽっ ....
冬の冷えた室内で
窓辺から入るわずかな
陽差しの温もりになぜだか
懐かしい気持ちになる

思い出と呼ぶのには
あまりに淡い

その柔らかな温かみは
時間という毛布を
かぶせた記憶の ....
手首をこねて
フライパンを揺らす
生地がもたつく
蓋をしてもう少し待つ
タイミングが肝心

そろそろいい音ぱちぱちと
ふわっふわっと生地が浮く
気持ちが踊るこの瞬間
今だ今こそえいっ ....
自由でありたい
重ねている空気層が
体から 心へ触れる

自分を生きる
思い出せ 思い切り

太古の渦に チカリと開く
無遠慮に 絡まり 呑む眼

告げられるのか 否 告げろ
何 ....
――例へば此の世に幽霊が存在し得るのであれば、其処は「現存在」の背である筈だ!
――それは何故かね?
――何故って、それは、唯一、此の世で「現存在」が裸眼で直接見られぬ処だからさ。
――此の宇宙 ....
身を揺られ目を瞑る
錆びれたバス停を目指せ
あの町へ帰ろう

違っていく俺
変わりはしない風景
ただ少しずつ消えていくんだ
はじめから無かったみたいに

廃線のトンネルも
神社の階 ....
もうすぐ学校は終わりになる
十何回目かのチャイムが鳴って
生徒たちは むやみな言葉を散らばして
風が 折れたラケットを転がして
そしてもうすぐ学校は
終わりになる
終わりだよって 誰か 言 ....
一滴の言葉が零れて戯れる水面
幾つもの円が現れて小刻みに揺れている
小さな痛み
やがて拡がっていく苦しみ
透明な水も湖底の泥に掻き混ぜられ
無邪気に太陽を愛したあどけなかった言葉も
汚 ....
タバコを吸って
煙を吐く
煙が霧散する
青空が見える

背中が冷たい
コンクリートの壁から離れる
肩を回す
伸びをする
グーっと

隣で
ベースボールキャップに
スタジャンに ....
オナホール用
ローションに
愛液のにおい付き
というのがあるんだってな❗

今なら
中学生でも
簡単に手に入れて
「わあ、こんなにおいなんだあ」
とか言って興奮してんの ....
会いたい
少数民族に

どんな衣装を着ているだろう
どんな髪飾りしているだろう
どんな夕食を食べるのだろう
どんな子守歌うたうのだろう

どんなけものの背中から
どんな朝日を眺めるだ ....
はき古した靴を空に放って風を聴く

はだかの馬が雲となって駈ける野に花をさがす

ひかりを混ぜ合わせていろをつくる
まだ名前のないいろを

いつももちあるいている心のスケッチブックに
 ....
あなたがどんな人だったかなんて
忘れたわ
知らぬそぶりで挨拶
できるのよ

都合のいい女でしょ
あなたにとっても
わたしにとっても

ずるいねって
窓の光が笑うわ
(カーテン閉め ....
2014年12月
大義のないと言われた国勢選挙で
集団的自衛権を
閣議決定した政党が圧勝した翌朝
DSで戦闘ゲームばかりしている息子が
「ボク戦争にいかなくちゃいけないの?」
と聞いてきた ....
1km四方のプールの真ん中で
溺れたふりをしている男
水深はせいぜい膝小僧くらい
懸命すぎるバタ足で
足の親指の生爪を剥がしたのは
まったくの誤算だった

プールサイドのデッキチェア ....
たかじんのさくら

すこしだけほんとうの悪意を混ぜておけば

あとはぜんぶ嘘でも善意に見えてしまうのだ


つるりとした少年のような

興福寺の阿修羅像のような顔をしている

た ....
ミルフィーユの中にいる
千の私
ナイフを静かに入れてみる
ほのかに甘い香りがして
作り甲斐があったなと
一応自分を褒めてみる

作るよりも食べるほうが難しい
ミルフィーユ
少しクリー ....
僅かに酒の残った盃が
幾つもの角度から照射されている
すべての目は正午に向かって閉じられ
盃のひびは厳重に黙秘された
この盃にはかつて
動物が開花していた
この盃にはかつて
 ....
どんなに痛いことだろう

わたしにすらこの街は、こんなにも冷たいのに

ましてやお前は、その土に、身を突き刺しているのだから


身を万力で締め付けられて、どこにも逃げられぬお前に  ....
津軽の雪は 太宰の雪だ

無尽にふる、そのひとつ、ひとつに

太宰の言葉が刻まれ

わたしの目の、心の、そのおくに、真っすぐにふり落ちる


「生まれて、すみません」
 ....
真っ赤な夕焼けに羽虫とぶ春のある日、母が泣いていた。父が昼前に家を出ていってから、ずっと押し入れに顔を突っ伏して声を殺して泣いていたのだ。わたしはそれを幼稚園からひとり帰り、見ていた。

そ ....
この惑星にはもう僕の手に届かないものがたくさん
今は届いているものも
かつて届いていたものと同じように
僕の手のひらから消えていく
夜中、月明かりの下で潮が満ちては引き
多くの微生物が生まれ ....
何度見送ってきたのでしょう
何度乗り遅れてきたのでしょう


恋の普通 ゆったりと
愛の快速  しっとりと
恋の急行   あっさりと
愛の特急    しんみりと
恋と愛の超特急   ....
行ったこともない道を

どんどん進む

時空を超えたんじゃなかろうか

一人きりのワクワクと不安が
混じった感覚の

楽しさったらない

世界を相手に
かくれんぼしているくらい ....
賭け(人生)に負けたやつだけが知っている
俺は町の灯りを見上げた
煙草の煙が
因縁に変わる
逃れられやしない宿業
道頓堀に雨が降る
赤い傘のカップルを
黒塗りの個人タクシーが ....
エコ、エコってうるせえんだよ
自分が死んだあと
地球がどうなるかなんて
知ったこっちゃないんだよ

でも、あなたにも
子供さんがいるでしょう?

ああ、娘が一人いるよ
だから、どうし ....
そのことば わすれないでね

きのう あなたがいった そのことば

ゆらゆら さまよう そのことば

わたしが ちゃんと つかまえていてあげるから

あなたも ちゃんと なくさ ....
ひとりでダンス?
いいえ
風がわたしのパートナー
わたしを見つめてください
あの方の姿が
見えてくるでしょう

わたしは木
いいえ
わたしは奇異です奇行です
見えない何かを
可視 ....
ひとを刺すことも

フルーツを剥くことも

できる包丁のようなもの

生き物を潤わすことも

土砂崩れを起こすことも

できる雨のようなもの

行いや物言いや思いとは

き ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
青い部屋草野春心315/3/8 22:52
安波祭(福島県浪江町)〜その瞳をみていたら〜より黒木アン2*15/3/8 22:46
温度佐倉 潮015/3/8 22:30
宙返り灰泥軽茶515/3/8 21:53
燃える杖砂木8*15/3/8 20:51
宇宙開闢以前の《世界》は《存在》する積 緋露雪015/3/8 20:18
思い出症候群捨我115/3/8 20:05
学校が終わるオイタル2*15/3/8 19:52
アラベスク乱太郎12*15/3/8 19:42
HONEYopus015/3/8 19:19
慈善事業花形新次015/3/8 18:09
会いたいやまうちあつ...415/3/8 17:07
梅昆布茶15*15/3/8 16:00
関係中原純乃2*15/3/8 14:03
手段的自衛権イオン015/3/8 13:28
呪縛nonya10*15/3/8 12:02
たかじんのさくら吉岡ペペロ215/3/8 10:09
私はミルフィーユコトバスキー4*15/3/8 10:04
宴のあと葉leaf115/3/8 8:25
春とエレジー月形半分子6*15/3/8 4:10
津軽の雪2*15/3/8 3:54
仏様が降らす雪1*15/3/8 3:31
君に会いたいterada...015/3/8 2:10
恋の普通 愛の加速 変な超特急komase...2*15/3/8 1:59
山登り南川きま3*15/3/8 0:54
夕陽の沈む向こう側オダカズヒコ1*15/3/8 0:05
子供たちのために花形新次015/3/7 23:44
あいしている、と青井とり015/3/7 23:39
ダンスただのみきや14*15/3/7 23:22
肩の力吉岡ペペロ315/3/7 22:43

Home 戻る 最新へ 次へ
1681 1682 1683 1684 1685 1686 1687 1688 1689 1690 1691 1692 1693 1694 1695 1696 1697 1698 1699 1700 1701 1702 1703 1704 1705 1706 1707 1708 1709 1710 1711 1712 1713 1714 1715 1716 1717 1718 1719 1720 1721 

【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.07sec.