放課後の校舎
夕焼けが差し込んで
そこはあの娘の独り舞台
お辞儀をひとつしたならば
始まりの合図 アン、ドゥ、トロワ
爪先でダンス
上履きが鳴いて
小気味良いリズム
渡り廊下を
....
舌から唾液を出来るだけ
すすろうとして
がっついてたら
もう激しすぎって
嗜められたんだけど
おじさんは鈍感だけど
経験を積んでるから
わかってて
でも、
君は19歳だって言うから
....
木蓮が咲いていた
咲き初めの蕾かもしれない
どこかでミモザも咲くだろう
さくら木も紅く染まるだろう
繰り返し繰り返し
繰り返すことで育まれて
否応もなく育まれて
....
川縁の
丈の長い
草の生い茂る
草むらに
君が入るのを見た
僕も
後を追って
繁みに入ると
パンティを下げ
しゃがんだ
きみがいた
きみは
お尻を
こちらに向 ....
一面のガラス張りの外では
人々が雪のように紅葉のように
はらはらと歩き去っていく
老いも若きも男も女も
それぞれの足取りとそれぞれの心持で
ただ美しい自然の移ろいのように
はら ....
いのちはね
とてもおもいの
でもね
とてもはかないの
だからね
あいしちゃうと
やさしいひとは
いいました
わざわざはかないいのちを
どうしてうばうの
おもうと ....
かわいそうな
きみの背中を
みていたい
みえないリフレイン
くりかえし
くりかえす
飛び回るNO
ありとあらゆる方向に
光を散らす
さようなら
翼があったなら
....
菜虫化蝶
なむしちょうとなる
不思議な夢を見た
とある晴れた休日
ソファーの上で腹這いになって
私は時代小説を読んでいた
時刻はたぶん八つの頃
カーテンから漏れた
....
鉄棒に向かう少女は
自分の重さを知らないので
どんな形ででも
ぶら下がっていられる
空と海の境に重ねあう嘘
酸素なくなっていく口笛さみしい
壁は藍いろに塗った
そしたらソファのよこがとても汚れていたので
そこも塗ろうということになった
そしたら、なんか、気に入らなくて
また白に塗り直すか、そこに絵をかけるか
....
きのこは実は宇宙人なんだと
おじいちゃんが言っていた
きのこ星人は地球人とは
争わない選択をしたが
地球人社会の争いに耐え切れなくなり
植物を見習うことにしたと
おじいちゃんは言ってい ....
四季の間は
言葉に出来ず
続いていく
日常を
区切る
言葉を探す
暁を覚えないのは
全てが曖昧だから
そろそろ
春だと言うのに
咳が止まらない
この身
....
言葉は
人を幸福にもし
人を傷つけもします
たったそれだけの
かんたんな文法です
詩は
幸福、不幸、そのどちらか
ひとつではなりたちません
両方そろって、は ....
あれはもとはケヤキの大木だろうか
月明かりの下、公園のフェンスのわきに
大きな切り株があるのをわたしは見た
雨も降らずにいたものをと、ずいぶん月あかりに光るのを不思 ....
今日もひっきりなしに飛行機が通る
あの人だった人が外を眺めている
「沢山通るね」
あの人だった人は無言だ
体の何処からも表情が消えている
きっと見えないものを見ているのだろう
部屋を見渡せ ....
浴びた夢
急ぎ足
浮き足だった夢
得られぬ夢のまた夢
終わりはどこか
哀しみも
きっとここにあって
苦しみも
消し去ることは出来ない
このまま、このまま、夢のまた夢
....
打ち水をした
石畳をぬけると
居ずまいを整えた
宿の女将さんが
品よく出迎えてくれて
よくいらして下さいましたと
冷えた麦茶をさしだされ
夏陽に火照る体には
愛情注がれたような一滴まで ....
押し入れから出した
春物の
トレンチコート
素肌に
纏って
通学路を歩く
沿道の草花に
陽が当たって
キラキラして
気分がいい
向こうから
聞こえる
少 ....
菜の花の堤防を
あのころが
歩いてくる
とびかかり
叢に引き込んで──
おもいを秘めて
今は近づく
じっと瞳を見つめ
....
はなふぶきのように
紙吹雪のように
空間を埋めて
ゆっくり舞いながら
アスファルトの路面に
散り落ちては消える
そう
こんなやわらかな雪の日だった
長男の
次男の卒業 ....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない
刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
恵みの雨降る穀雨は卯月二十日の頃、その前に日本では甘い飴が降ります。えいたろさんちのダイヤは四千円もあれば買えますから、決戦の白い日にはうってつけかもしれません。私はといえば、膝を打ってもつける薬はご ....
何年か前
村娘ということばを
書きとめておいた筈の紙に
もうなにも書かれていない
のど飴のにおいのする部屋
朝の間、わたしたちは
買ってきた果物をかじっ ....
高い虚空が深呼吸するなか
近くで鴉がわめいている
広い大地が共鳴しているなか
遠くで街宣車が叫んでいる
それなのに 無聊に甘えながらも
「時」の深さを知りたくて ....
日の暮れる校門
慣れたそぶりで君を待つ
涼風に揺れる松
過ぎゆく気配がしてる夏
西日の差す帰り道
君は途切れず喋ってる
空洞の瞳で語る空想は
半壊してて難解だけど
君はたとえ話 ....
一行 一行 紡ぎながら
なんとか こうして 続けている
という大袈裟( という予防線 )
一作 一作 繋ぎながら
なんとか こうして 放っている
という誇大表現( と ....
メザメロメザメロとわめくけれど
わたしはとうに起きている
いちばんねぼけているのは誰か
ゆめの中でだけほんとうの自分でいられる
さまつなことが捨象され
円をふちどる線は消える
残るは小 ....
あらゆる調和は○を目指している
宇宙も
交通標識も
林檎も
なぜ○を目指しているのか考える
物理や化学の法則?
社会や自然の流れ?
理性だけではない
....
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