今日はもう疲れたから遊ぶのやめよう
外が暗くなったからおうちへ帰ろう
おうちに着いたらお風呂に入ろう
おなかがすいたからご飯を食べよう
寝る前に歯をみがいておふとんを敷こう
パジャマに着替え ....
窓の結露を拭き取れば
むこうには霧がたって
ふくらみだした蕾の群れ
まばらにかたまって
微睡みの中のようにぼんやりとある
春は病み、桜は病気を体現する
まだ冷たさを保っている
寒 ....
悲しくないと笑う私
変な奴だと君も笑う
悲しすぎて笑うしかない時
寂しすぎて笑うしかない時
頬をつたう涙を隠れて拭いながら笑う
それでも笑うのは
君が旅立てるようにするため
....
洗い立てのセーターが
残っていた匂いをかき消して
近くに居るはずの存在感をまた一つ
この世からほおむり去った。
庭先で鳴く猫が
「寂しい。寂しい。」と呟いているようで
荒れた畑の片 ....
父の声を聞きながら
新宿駅9番ホームへの階段を駆け上がる。
「早く帰っておいで。」
という会話を終えて、今年最後の電話は切れた。
(山梨行きの特急切符。)
お金と時間を計りにかけて、 ....
東京の地下街から
胸を焦がすような茜空は売ってませんか
そんなことを言ったら 嗤われるだろうが
本当はみんな 自分の町に住む
夕焼け色の切符を手に入れるために
上京しては 行 ....
雪が残る夜の庭先。
これから・・・・
帰宅する父を待っている。
妹二人に連れられて
「ただいま。」を言わないで帰ってくる父を・・・・。
(父が眠りに付き、大きく息を吸った瞬間を覚えて ....
放課後の校舎
夕焼けが差し込んで
そこはあの娘の独り舞台
お辞儀をひとつしたならば
始まりの合図 アン、ドゥ、トロワ
爪先でダンス
上履きが鳴いて
小気味良いリズム
渡り廊下を
....
舌から唾液を出来るだけ
すすろうとして
がっついてたら
もう激しすぎって
嗜められたんだけど
おじさんは鈍感だけど
経験を積んでるから
わかってて
でも、
君は19歳だって言うから
....
木蓮が咲いていた
咲き初めの蕾かもしれない
どこかでミモザも咲くだろう
さくら木も紅く染まるだろう
繰り返し繰り返し
繰り返すことで育まれて
否応もなく育まれて
....
川縁の
丈の長い
草の生い茂る
草むらに
君が入るのを見た
僕も
後を追って
繁みに入ると
パンティを下げ
しゃがんだ
きみがいた
きみは
お尻を
こちらに向 ....
一面のガラス張りの外では
人々が雪のように紅葉のように
はらはらと歩き去っていく
老いも若きも男も女も
それぞれの足取りとそれぞれの心持で
ただ美しい自然の移ろいのように
はら ....
いのちはね
とてもおもいの
でもね
とてもはかないの
だからね
あいしちゃうと
やさしいひとは
いいました
わざわざはかないいのちを
どうしてうばうの
おもうと ....
かわいそうな
きみの背中を
みていたい
みえないリフレイン
くりかえし
くりかえす
飛び回るNO
ありとあらゆる方向に
光を散らす
さようなら
翼があったなら
....
菜虫化蝶
なむしちょうとなる
不思議な夢を見た
とある晴れた休日
ソファーの上で腹這いになって
私は時代小説を読んでいた
時刻はたぶん八つの頃
カーテンから漏れた
....
鉄棒に向かう少女は
自分の重さを知らないので
どんな形ででも
ぶら下がっていられる
空と海の境に重ねあう嘘
酸素なくなっていく口笛さみしい
壁は藍いろに塗った
そしたらソファのよこがとても汚れていたので
そこも塗ろうということになった
そしたら、なんか、気に入らなくて
また白に塗り直すか、そこに絵をかけるか
....
きのこは実は宇宙人なんだと
おじいちゃんが言っていた
きのこ星人は地球人とは
争わない選択をしたが
地球人社会の争いに耐え切れなくなり
植物を見習うことにしたと
おじいちゃんは言ってい ....
四季の間は
言葉に出来ず
続いていく
日常を
区切る
言葉を探す
暁を覚えないのは
全てが曖昧だから
そろそろ
春だと言うのに
咳が止まらない
この身
....
言葉は
人を幸福にもし
人を傷つけもします
たったそれだけの
かんたんな文法です
詩は
幸福、不幸、そのどちらか
ひとつではなりたちません
両方そろって、は ....
あれはもとはケヤキの大木だろうか
月明かりの下、公園のフェンスのわきに
大きな切り株があるのをわたしは見た
雨も降らずにいたものをと、ずいぶん月あかりに光るのを不思 ....
今日もひっきりなしに飛行機が通る
あの人だった人が外を眺めている
「沢山通るね」
あの人だった人は無言だ
体の何処からも表情が消えている
きっと見えないものを見ているのだろう
部屋を見渡せ ....
浴びた夢
急ぎ足
浮き足だった夢
得られぬ夢のまた夢
終わりはどこか
哀しみも
きっとここにあって
苦しみも
消し去ることは出来ない
このまま、このまま、夢のまた夢
....
打ち水をした
石畳をぬけると
居ずまいを整えた
宿の女将さんが
品よく出迎えてくれて
よくいらして下さいましたと
冷えた麦茶をさしだされ
夏陽に火照る体には
愛情注がれたような一滴まで ....
押し入れから出した
春物の
トレンチコート
素肌に
纏って
通学路を歩く
沿道の草花に
陽が当たって
キラキラして
気分がいい
向こうから
聞こえる
少 ....
菜の花の堤防を
あのころが
歩いてくる
とびかかり
叢に引き込んで──
おもいを秘めて
今は近づく
じっと瞳を見つめ
....
はなふぶきのように
紙吹雪のように
空間を埋めて
ゆっくり舞いながら
アスファルトの路面に
散り落ちては消える
そう
こんなやわらかな雪の日だった
長男の
次男の卒業 ....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない
刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
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