春の袋とじ開けなきゃ雨に遭わなかった
春雨を避けず何年ぶりかに笑ってピースしている写真
カタブツの先生も
優しい牧師さんも
ハンサムな先輩も
ズボンを下ろすときは少し間抜けだ
道の途中の四辻にて
{ルビ運命=さだめ}のように、二人は出逢う
――旅に出るか
――はい
芭蕉と曾良の同行二人は
見送る人々のまなざしを、背に
(川の畔に風は吹き抜け)
旅の小舟 ....
私の投稿の後に
投稿されたモノは
出来が良ければ
作者は絶賛されるが
そうでない場合
作者は3日以内に
不慮の死を遂げるだろう
それを避けるには
24時間以内に
すべての投稿に
....
六本木の美術館に、足を運び
蕪村の水墨画の風景で
「東屋に坐るひと」が聴く
滝の音に――耳を澄ます頃
ポケットに入れた携帯電話がぶるっ…と震え
展示スペースの外に出て
「もしもし」と、 ....
トイレの鰐
骸骨のパンツ
ニラ味のガム、噛む
時間を忘れていた
海の音が聞こえていた
都市の音が聞こえていた
カラスの背に乗せられていた
飛翔していた
5時半の放送が
避難命令を出すときに
僕らは河原で遊ぶ
きっとどこ ....
あなたの中のいくつかを
あの子たちがもっているから
哀しまなくても
そうして
気がついている
ここにいる
と
命も精神も
肉体もつながっていない
あの子たちが
いるって
あたしは誰とも
共感なんてしたことが無い
本当は
誰にも同情なんてしていない
カラスの群れの中に
カモメが迷い込んで
鳩の群れの中に
インコが紛れ込んで
周りの誰とも違う歌 ....
屋上から観る景色
あまり綺麗に思えないのは
五感が鈍ったせいなのか
好きだったはずなんだけどな
出来れば綺麗な景色で締めたい
無責任なやつさ
「どうせいつか終わる」
そんなことに委ね ....
様々な波長のことばに耳を傾ける
舞い散る花びらのように光をもとめて
あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ
羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように
永い水底の想いををうたにして ....
陽射しの暖かさを受け
心の冬が溶けていく
三月、冬と春の間
その月を一喜一憂し
過ごした時をまた来年も繰り返すのだろうが
しかし
この三月は二度と戻らない
感傷的になり
冬に別れを告げ ....
忘れるよ
君の事
君からもらったバタークッキー
君からもらった限定版詩集
君からのメール
君からの合言葉
忘れることにするよ
僕の全身全霊をかけて
津波よりも果てしナウ
こんな夕暮れ ....
家に泥棒が入って 大黒柱にタイマー付きの爆弾を
何ヵ所も日時をずらして 仕掛けて逃げた
百二十年続いた掟や道徳心や慣わしまでも
少しずつ破壊していく
傾き始めた家の 頭は白蟻に食い ....
ちいさな手が
誰に習ったのか
頭をなでる
背中をさする
「おかあさん、だいじょうぶ?」
いつの間に
こんなに上手に
しゃべれるように
なったのだろう
返事を忘れて
見つ ....
私はあの人に恋をした
微笑みだけで私の全てをバラ色に染める
恋とはそういうものなのね
私はあの人を愛した
後ろ姿だけで私の胸を憎しみで満たす
愛とはそういうものなのね
夕方に
高層ビルの向こうに
違う言葉がとんでいる
まるで違う言葉がとんでいる、
少年が好きな色と
少女が好きな色は違うから
文学のように染めて下さい
せめて文学のように染めて下さい
....
傷心の時
人は季節を忘れる
今がいつなのか
ここが何処なのか
茫然として
うわの空
それでも季節は巡る
新しい風が吹いて
花々が咲き
陽の光は注ぐ
あなたの肩越しに
滔々 ....
どのくらい近く
どのくらい遠く
しあわせに触れていられるのか
目に落ちてくる
滴を見つめた
ふたつ ふたつ
ふたつのはざまの
無数の重なり
波のざわめき
....
田植え前のあぜ道や
魚とりする水路でも
好んだ湯浴みも
みんなアトリエ
でしたのでしょうね
日時計花壇のある木立
遠野の橋梁は銀河への旅
オリオンは高くうたい
露と霜とをおとします ....
また沈んでいく
またここに帰ってくる
どうしようもない汚濁に肩までつかり
どうしようもなく青い空を見上げている
どうしようもない汚濁の只中で
私は漸く少しだけ安堵する
薄汚れた ....
あなたに会えたそれだけで
私は明日が楽しみになりました
あなたと言葉を交わすそれだけで
世界は鮮やかに見えました
きっとあなたはその事を
これから先も知る由など無いでしょうけれども
....
今日もあの娘が泣いている
とても暗い雨の中で
黒く濡れたアスファルトの上で
一人声を上げて泣きじゃくっている
いつからか瞼の裏側に張り付いていたあの娘の
笑った顔を恐らく僕は見たことがな ....
返事の無い玄関先。
「ただいま。」と言って
父の姿を待つ。
去年の今頃は/一ヶ月前までは
奥のリビングから父の歩く気配がした。
今は私から靴を脱ぎ
畳部屋の父の祭壇 ....
降りたいときに降る春雨が優しさの向こう側
もう一度寝る水色の桜ばかり
あれはメジロやめたタバコに火
私はトマトじゃないのに
さかさまにしても私だ
栄養も毒もあるよ
たぶん
あなたの1日も
私の1日も
同じ長さなのに
たぶん
長かったな 今日
また夜がきた
今日も死にま ....
カレーを食べようとして
スプーンに写った自分が
逆さまだった
スプーンをひっくり返すと
カレーは食べれないが
自分は逆さまではなくなった
食べるためには
逆さまの自分に
納得しなく ....
1665 1666 1667 1668 1669 1670 1671 1672 1673 1674 1675 1676 1677 1678 1679 1680 1681 1682 1683 1684 1685 1686 1687 1688 1689 1690 1691 1692 1693 1694 1695 1696 1697 1698 1699 1700 1701 1702 1703 1704 1705
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