眠れなかった
死んでしまうような気がして
眠るどころではなかった
ぼくは安直に薬を探し飲み込んだ
ホメオタシスを待てなかったのだ
バランスなんてあってなきが如くのもの ....
σ
花開き遠く煙りて 桃色の雲と見紛う春霞かな
σ σ
色黒だって匂いだけでつられてく 花の香りを打ち消しながら
σ σ σ
花見酒 宴たけなわで切ったもの 仕舞い ....
(虹が丘はなんで虹なんだろう?
(おじいちゃんに聞いてみなくっちゃ
今日も虹が丘に行くよ
ちいちゃんと早く遊びたい
そしてあの
キラキラ虹のように光って
なめると夢のように甘くて
....
闇色のコートの肩に刺さる
いくつもの銀糸の雨を
拭ってあげることもできないままで
私は冷たい夜を行く
棘のある視線を伏せて
唇だけを動かして見せたけど
今さら何を伝えたかっ ....
一人は売春婦
横浜の地下道にいる
2時間で2000円
一人は
パン屋の店員
フランスパンが
凶器になると信じている
一人は宇宙飛行士
無事に帰って来たら
子供の頃からの夢
....
貫かれた衝動
拍動する心臓
息を切る
カモシカの大群
打ち落とされるナパーム
プラスマイナスの反発
縦横無尽の飛翔
響く雷鳴
ぶら下がった魂
無為のやり取り
くだらない ....
「みんなが俺を蹴りやがる
逃げても逃げても追って来る
囲まれては蹴りまくられて
仕舞には頭突きでふっとばされて
時には拳で殴られて
そんな毎日 地獄の日々―― 」
「みんなが私に夢 ....
雨上がりだから
道がぬかるんでいるだろう
長靴を履いて外に出た
商店街を歩いていると
なんだかクスクス
視線が痛い
美容室のガラスに映してみると
長靴をはいた猫
これは一体
どういう ....
空き箱を捨てようとすると
捨てないでと
声がする
ほうら
よく見て
案外魅力的な箱でしょう
中身がなくなったからって
存在価値がなくなったって
ことじゃないのよ
むしろ
そこか ....
人の企みなど知らぬ大海に
旅の憂いを語る惨月がゆく
人の営みなどしらぬ夕陽に
今日の無言をあずけて
誰かの眠りの時々
遠山にある真っ直ぐな
針葉樹のならびに
あらゆる讃歌を探 ....
とうめい が
好きですよ
漆黒も
好きですよ
漆黒が とうめいな日が 好きなのです
玄武の闇漆黒の岩石の中でケイセキは ちかっと 輝いて
その輝きは あまりに ちいさいので ....
こたつと蜜柑の季節が終わって
それでも フッと食べたくなる蜜柑
蜜柑産地のJAで赤い網袋に入って
300円の値札を付けて並んでいる
{ルビ寒=かん}の間{ルビ室=むろ}に貯蔵されていたものだ
....
生命の芽吹きは死と同義
草木が芽吹いているのではなく
死が咲き乱れている
春に漂う死の破片は極めて正気で狂気のかけらもない
この緻密に計算された春の死に私の感情も巻き込まれる
新しい ....
「父が居なくなって、自由になった。」と言われたので
(縛るものが欲しい。)と
戒律を作った。
心に硬く
心に巻きつけて。
私は目隠しをしてから
自らの全身を巻きつけた。
....
影送りが
色濃く映る空の下
火葬場の入り口では
これから家を見る妹が
父の遺骨を抱えている。
後から来る私は
父の遺影を掲げ
笑った顔に笑い返し
すっぽ ....
夜が桜の木にも降りかかり
薄い色の花びらがしっとりと
闇を含んでいる
あちらには街灯に照らされ
少しばかり暖かそうな
桜の並木道
少し通りを外したここにいるのは
花びらの明るさが ....
また今日をまたいで
何も起きなくても
全部変わっていく
わたしのからだが途切れないように
先端を感じて
信じて
消えてくものばかり
桜の花を憎らしく思う
春の匂いを疎ま ....
どこかで会ったことがある脂身多いウイスキー
春の袋とじ開けなきゃ雨に遭わなかった
春雨を避けず何年ぶりかに笑ってピースしている写真
カタブツの先生も
優しい牧師さんも
ハンサムな先輩も
ズボンを下ろすときは少し間抜けだ
道の途中の四辻にて
{ルビ運命=さだめ}のように、二人は出逢う
――旅に出るか
――はい
芭蕉と曾良の同行二人は
見送る人々のまなざしを、背に
(川の畔に風は吹き抜け)
旅の小舟 ....
私の投稿の後に
投稿されたモノは
出来が良ければ
作者は絶賛されるが
そうでない場合
作者は3日以内に
不慮の死を遂げるだろう
それを避けるには
24時間以内に
すべての投稿に
....
六本木の美術館に、足を運び
蕪村の水墨画の風景で
「東屋に坐るひと」が聴く
滝の音に――耳を澄ます頃
ポケットに入れた携帯電話がぶるっ…と震え
展示スペースの外に出て
「もしもし」と、 ....
トイレの鰐
骸骨のパンツ
ニラ味のガム、噛む
時間を忘れていた
海の音が聞こえていた
都市の音が聞こえていた
カラスの背に乗せられていた
飛翔していた
5時半の放送が
避難命令を出すときに
僕らは河原で遊ぶ
きっとどこ ....
あなたの中のいくつかを
あの子たちがもっているから
哀しまなくても
そうして
気がついている
ここにいる
と
命も精神も
肉体もつながっていない
あの子たちが
いるって
あたしは誰とも
共感なんてしたことが無い
本当は
誰にも同情なんてしていない
カラスの群れの中に
カモメが迷い込んで
鳩の群れの中に
インコが紛れ込んで
周りの誰とも違う歌 ....
屋上から観る景色
あまり綺麗に思えないのは
五感が鈍ったせいなのか
好きだったはずなんだけどな
出来れば綺麗な景色で締めたい
無責任なやつさ
「どうせいつか終わる」
そんなことに委ね ....
様々な波長のことばに耳を傾ける
舞い散る花びらのように光をもとめて
あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ
羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように
永い水底の想いををうたにして ....
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