アリスの部屋にはたくさん引き出しがありました
引き出しにはお菓子の家の入ってる引き出しや風邪をひいたときの気持ちが入ってるのやあじさい畑が入ってるのや牛乳瓶のどんよりした透明が入ってるのや走って ....
子ども扱いしないでよと、と喚いた後で覚えたばかりの拙いマスターベーションを
見せつけたあたしは相変わらず。明日せかいが終わるなら一人で死なずに済むから
きっと幸せだわ、なんて痛々しいにもほどがある ....
つい口から出てしまう
めんどくさい
通勤が2時間で めんどくさい
午前中から会議で めんどくさい
午後来客ありで めんどくさい
アフター5食事誘われ めんどくさい
....
「なんしてんねん?」
「さぼってんねん。」
答えた少女は、まるでトマトのようだった
屋上には風が吹いていて、6月は晴着の上から合羽を纏った
水色と混ざり合った少女は、何者でもなく
....
あれおれごみいかかそっかそっか
うははぐあh
うははぐは
おれにとってはきみやあのこはとるにたらない
きみやあのこにとってはおれはべつにごみかそれいか
うははぐは
うあhあはぐはぐhあ
....
最初は満ち足りてた人生も
時間と共に劣化していく
命はナマモノ
お早めにお召し上がり下さい
酒と煙草と快楽に溺れ
一時の幸福と引き換えに
抜け落ちていく何か
スカスカの脳味噌と頭髪
....
指はきれいなの?
と少女は言った。
お父さんに悪いわ
とも彼女は言った。
少年はなにも応えず
黙々と
決められた作業をつづけた。
闇のなか 荒々しく誰かの逃げ去る足音がした。
....
晴れやかな日々
暑くも寒くもない気候が
活動的にさせる
初夏という言葉の響きが好き
心地良い風が吹き抜ける
新緑が眩い
陽射しを浴びて踊る
葉が生き生きしている
散歩して自 ....
職業は会社員
仕事は数字を殺すこと
会社に入るまで知らなかった
仕事は数字を作ることだと思っていた
ところがそれは間違いで
一年の始まりにはすでに数字が
月の始まりにもやっぱり数字が
山 ....
湖岸に立つ私に風は爽やかで
静寂の中に鳥たちの声が聴こえる。
靄のかかった湖面から小枝が屹立する情景は
私に生命力の尊さを教えてくれる。
静かに歩み寄る初夏の足音に耳をすませ ....
レンズ越し
姿が観たいと願いつつ
何気に覗いた骨壷が
夕日に染まって
血を流す。
裏切りは
地の果てへといずれ続く
人のいない棺
花々でいっぱいだけれど
人間が不在である
次々とメロディーを殺戮していく
華やかな波動
私は人を裏切ったことが
愛する人 ....
寝起きの
かすれた視界でも
はっきりと片腕が
太いのがわかった
昨日
止血したせいかと思う
腕をまっすぐ上げよう
治るかもしれない
すると
タクシーが止まってしまう
横 ....
薬品名:空なくす
無くした空を洗濯した
図書館の本みたいに手垢にまみれていたから
雲はGERRYのダウンと一緒にクリーニングに出した
PM2.5は空気清浄機では手に負えなかった
....
イマはミライを疑わない
風はココを吹きすぎてもなお
そのままソコも吹きすぎるもの
そしてぐるり巡ってきて
おはようと挨拶をする
顔のない明日も顔のない風が
巡ってくる
それは ....
緩くいこう
白糸崩れの消えかけが
ホツレテホツレテ
縮れ弱
張れば切れ
弛めば頼りなげ
かろうじて存在す
左様か
左様か
いかように
ただ置く
一本億千万
眺め悩み諦め気になり ....
まん丸な絶望、の
港にある(いる
アンニュイ、と
月、の、もの
飛び立つ紫、は
海
陰嚢(ふぐり
、を掻き切って
伸びてゆけ蔓たち
伸びてゆけ
潜行する
太陽、の
....
昨年の夏
砂で造ったぼくの城
いつの間にか波に襲われ
音を立てる間もなく崩れ去った
秋になって
城跡が気になり浜辺に行くと
そこにはBBQの炭と花火の抜け殻が転がってただけ
冬の ....
最初は小さな三角形だったはず
たしかしっかり覚えていないが
たまに心許なくて増えた
二つになったときは、もう、嬉しくてうれしくて
そのうち全体が三角形になるように、綺麗に積み上げた
大きな目 ....
マジで俺もうダメだと思った
大学辞めることになった時
退学 病める心 わかった
お前の好きなように生きればいい
なんて言ったってコミュ症なのに
関係切った虚無僧の身
焦がれて枯れて 散って ....
ページを捲っていくと
その先に
廃線の決まった駅がある
名前の知られていない従弟が
ベンチに座って
細い背中を掻いている
とりとめのない
日常のようなものは延々と続き
梅雨の晴れ ....
扉を開いた、棚の中
いつのまにやらトイレットペーパーは
残り数個になっていた。
棚に、空洞のあいた分だけ
僕は日々の栄養を、摂り
少しは成長したろうか――?
黒いしるくはっとの彼は
遠い過去から訪れた
謎の旅人
呆けたように、宙を見る
彼の目線のその先は――
昔々のサーカス小屋
観客席を埋め尽くす
鰯の面した人々は
小さい口をぽかん ....
女性とのキスは
いつだって
舌を絡める
唇をそっと重ねるなんて
皮膚と皮膚とが
触れ合うようなもの
つまり、握手と一緒さ
粘膜と粘膜の触れ合いが
はじめて二人を特別な関係にする
....
女というのは
いてもいなくても
苦になるものだ
と
かつて俺は思っていた
女にはたぶん
心はあっても
精神なんてないんじゃないか
と
なかば本気で思ってもいた
むかしむかし ....
振り返りもせずに愛は逝く
小さな誤解を積み重ねて塔のうえに登る
そこから遠望する世界を胸に抱いて
おびただしいビジョンを想い描いて
立ち止まりもせずに愛は逝く
高邁な殻を脱ぎ捨てて脱皮す ....
わたしは海の月
波間を漂うお月様の影です
仲間があなた達を刺すこともありますが
JAWSほどの脅威でもないので許してやってください
ときどきあなたがたの住む都市という
人工世界を ....
言葉のたりない夕ぐれは
悲しみばかりが増すようで
いのりが言葉にのらないんだ
あたらしい朝でも来れば
疲れはとれて涙はかわいて
たぶん大切なこと思い出すよ
駐輪 ....
きっちがぁいに見えたとしたって
「あっ、普通です。」
って冷静に批判したい
理性で丸め込まれてしまうような
余ったれた感情の降伏点を衝動などと呼ぶのは
いい加減に終わりにしてみた ....
わたしは影だった、窓ガラスに映じた偽の青空に
殺された連雀の影だった。
わたしは灰色の羽毛の染みだった――しかもわたしは
反射した空を、生きて飛びつづけた。
また部屋の中からも、二重に映して見 ....
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