私は弱いから
重たい物は持てないし
何かを壊す事は出来ないけど
暇なら潰せる
高層ビルの屋上
この世とあの世の境目に放り出した片足
目を閉じ 胸に手を当てて 聞く最後の独奏
目を開けると美しく没する夕日
カサカサと音がして視線を下に逸らすと
この ....
Night worker /帰り道
新しい日付の刷られた朝刊が駅の売店の前に置かれる
深刻な顔で今にもつり革で首をつりそうなサラリーマンが車内で揺れてる
パンパンに人がパックされた環状線 ....
こんなに晴れているのに
こんなに暖かい朝なのに
激しく雪が降っている様子がはっきりと幻視される
今日は真冬
すべてのものは明らかに死んでいる
ただ物質が動いているだけなのに
....
言葉を強いるのは
きっと
言葉の持つ力
が怖いからだ
だれかにそう言われても
ぴんとこなかった
ただ
大丈夫って思わせてほしい
それだけ
気になってた人が
フォローして ....
不都合な夏の陽に
白い肌は 非情にも灼かれ
沈黙を借りて 何か云おうとしている
あえかな蕾 文明の摘んだ失語症
こんな不条理があっていいのだろうか
うれしさの対概念としての ありった ....
おにぎりを握るてのひらで
詩を書いた
いつか
おにぎりのように
なるように
補色の皮膚にくるまれた
みずみずしい
くれない色の球体、に
浮遊する
ありふれた夕暮れ
しゃりしゃり、と
浸食される空から
ふきだす
涙形の星が、
しゃぶり尽くされて
裏葉緑青 ....
一面のハーモニカ畑で
郵便ポストが
風に揺れている
記憶を失った大砲の欠片は
小川の水底に涼しく沈み
命は
とても容易い
お互い皺が増えたね
僕らは最近特に
そのよ ....
青い葉が何枚か
あなたの肩に貼り付いている
後れ毛に似た愛おしい季節
小石たちが燻らすモノクロームの薫り
雨が降りそうなことは 少し前から
私にだって ....
血が流れた
宇宙のはずれにある
名もない心臓が
包丁で抉られて
抉り返されて
名もない心臓は
他の名もない心臓を愛していたし
他の多くの名もない心臓も
名もない心臓を愛して ....
私の投稿で
貴女が性的に
興奮しているのは
分かっているんです
たまらず
パンティの中に
手を忍ばせていることも
そんな自分を
ごまかすために
私に批判的な発言をしていることもね
....
私は、耳にイヤホンをして
二輪車に乗るのは危険だと思います
人間は耳に自然な方向で入る音と
平衡感覚を保つ三半規管で
二輪車の操作を成立させています
自ら交通事故に遭う確率を高めていますよ
....
もういない君のことばかり考える
借りたばかりのアパートの窓辺に座り
煙草を吸っていた君の横顔の向こうに
自死した夫への邂逅があっとととか
台所用品を百均で最低限揃えて
最初につくった ....
脳の白質が壊れているらしい
溶けて甘いキャラメルの匂いがした
振るとカタカタと音がした
右脳と左脳が別々のことを考えて
感情のシナプスの可塑性が壊れ
涙を流してわんわん泣いている
....
幼なじみの恭子様が
私の手に
おもちゃの手錠をかけて
「おまえは私の奴隷よ」
と宣言したとき
私のM人生は始まりました
手首に残った小さなアザ
恭子様は
今、大塚で
女王様と ....
震え続けるコンパス指針
粉々に壊され砂塵となったあの頃の自信
ああ ここはきっと例の樹海
ルービックキューブのようにバラバラにされた東西南北
あの頃の想いはもう迷宮入り
何度 ....
卵はひとつの理想形だ
人間もまた卵から生まれれば
これほど母親との確執に苦しむことはない
乳と血の繋がりはどんな病的恋情より
互いを束縛しその愛は動物並に遠慮がない
その点 卵は完璧だ
無 ....
子供の頃夏休みになると
家族みんなで川原でキャンプ
開放的な気持ちになれた
川原で釣りを楽しむ
父に教えてもらいながら
すぐに釣れたり
すぐに釣れなかったり
その繰り返しが子供に ....
足音が響く焼き場の通路
父の姿が見えないものか?と何度も見渡した。
手帳に忍ばせた写真の中では
父と幼い三姉妹が
ディズニーランドではしゃいでいる。
進学時
家を離れる前の晩
....
バレンタインにもらった砂利みたいな
チョコレートうれしくってポケットに
突っ込んだ手で握りしめてもぜんぜん
溶けなくってへんだな一粒口に入れて
みたらこれっぽちも甘くないってやつ
ぼくの片思 ....
ぼくは緑色だと誰かがいう
植物ではない
ぼくはぼくで
琥珀色だと自信をもっていたのだけれど
誰かが緑色だという
琥珀色で在るために
琥珀の酒を毎日注入しているのだけれど
誰かが緑 ....
150612
カニバリズムを連想する社会
兵士は食料を持たない
現地で調達するのだ
後方支援の乏しい旧日本軍兵士は
さぞかし、苦労をしただろう
現地調達て言 ....
クスノキの枝に吊るされたブランコから
洋紅色の貨物船が大きく小さく見えていた
船の食堂ではカレーライスかステーキを想像した
船員というのは美味しい物を食べると思っていた
あの日の昼はホ ....
他の児童の2倍のからだだったため
担任の女教師が
二人分食べていいと言った
デザートや人気のおかずではなく
余ってるコッペパンと牛乳をだ
私は腹に溜まるものがよかったので
喜んで食べた
....
生きるか死ぬか
どちらがいい?
生きたいなら
生きればいい
死にたいなら
死ねばいい
たった二択
何故迷う?
人に死ねと言われたら
死ぬわけじゃない
生きろと言われたら
....
今、 ひとつの 朝が 生まれでる
やわらかな 光りに つつまれて
きみの頬が 耀く
朝露に 濡れた きみの睫毛に
そっと 唇を あてて
まだ すこし寝ぼけぎみの きみを
目覚め ....
忘れかけた 遠い思い出は
もう すっかり 忘れよう
かすれてしまった 幼な子の 夢のように
もう そろそろ
砂に 埋めて しまおう
かなしみの色に 染まった
遠くかすんだ あこがれ ....
どうしようもない感覚
紡ぐの雲から白い糸
改宗に改宗を重ね
病的な自信ね
飽きず歌い続ける狂信者
音もなく騒ぐ子供達
正論まみれ
目が回る
無意味は不必要なんて
想像力はドラッグ
....
ポケットの中で繋いだ
華奢な手が汗ばんでいる
コンビニの明るさに吸い寄せられるけど
欲しいものは売ってないない
君はバンドエイドを買う
何かをつなぎとめるため
意識がうつろぐの ....
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