ここ二日でひと山越えた感のあるわたしたちは
次の山あるいは谷を想像できないでいる
見上げる山 天辺が雲に隠れて見えないほど
見下ろす谷 闇へかき消えるほど底なしの
....
左手のスマホから 右手へ「淋しい」と送る
右手のスマホから 左手へ「元気出せよ」と返す
LINEで一人芝居をして バランスを保っている
スーツの着こなしはスマートに ロンジンの腕時計が光 ....
グルーヴをください、グルーヴを
大事なこととそうでないものとを
一緒に放り込んでグルグル回して
全部大事なことにしてしまいたい。
グルーヴをください、グルーヴを
優しいウソで足腰が鍛えら ....
真理を見たのです
燃えて輝く光を
そうして心は石と化し
硬く刻まれて死の使者となりました
冷たい墓石のセールスマンが
来世を高らかに謳うように
ある日ミミズが降ってきて
声のよう ....
万物流転 諸行無常
そんな言葉を
ヘナタトゥー
幸せとすれ違ったら
今度こそ職質なしで
手錠で連行
どこともしれない場所で
いまがいつなのかもわからないままうずくまっている
うすいはいいろをした水を飲み込む
立ち込めた霧を食べているような気分になる
青と灰とが入り混じる
薄暗い湖の ....
大体が何時も、終わりも近くに気がつく
或いは思い出す
何々がしたかった、
何々をみたかった、
はっとするたび
ゆるやかな喪失とともに
探る腕がふえてゆく
....
いつかわすれたうたが
君のくちびるにのぼったら
一艘の舟がこぎだすだろう
夕陽の海へ 雲のかなたへ
(そして、振り返ることもなく)
いつかわすれたうたが
君のなみだにかわ ....
人の輪郭ばかりがまばゆく降り積もり
忘却される往還は歌として刻み込まれて
歌は正確に人のさざ波を導く
正しさに先立つ正しさは愛欲に似て
幾つもの河を集めては飛び立たせる
人生がすべて ....
complete
demand
encourage
allow
describe
concern
compare
include
involve
....
夢が時を忘れさせてくれる間に
現実が時を数え続けてる
夢から覚めた時
私は何を得たのだろう
あるひとは写真を見て灰色と
あるひとは訪ねて来てエメラルドグリーンと
イメージしたのは東京のほんとの空の色
それで決めた部屋の壁紙
灰色って聞いて眩暈
エメラルドグリーンって聴いて
ど ....
雨の雫色の時間を
一緒に過ごしてきた猫も
居なくなって久しい一人暮らし
いまもまだ雨の雫色の日日
…そんな歌があって名づけた
雨の雫色 って日本語もきらきらと
思い出なら懐かしく整えて ....
じっとして
まっしろな大きな雲
空の下
流れる大きな影は生きている
山々は深く静まる
生き物たちは
じっとして
私の影は深く沈むように
そして
シャボンのような日々の私が
ふわふわ ....
目を瞑っていても
追いかけてくる足跡の靴音を
遮るためにドアを閉めても、
靴音が追いかけてくる。
とくとくとくと ....
いじめをなくそうとするのは現実的ではない
いじめはなくならない
九電の原発を停止させたままにするのは現実的ではない
九州がブラックアウトしてしまう
現実的ではないことをすると
....
絡まりながら生きている
街を歩いて上を見れば電線が通り
地下も配線だらけらしい
僕たちは“ライン”でやりとりしながら
タップで網を手繰り寄せる
繋がったまま生きている
誰かと誰 ....
床屋のオヤジは
元新左翼の過激派で
今でも怪しげな連中
(主に元中学校の教師)と
月曜日にオルグを行っている
そんなオヤジの
素性を知らずに
客がうっかり
「安倍内閣良いねえ
積 ....
最近なんだか疲れるなと思ったら
光を食べましょう
悲しい霧や
苦しい雨に降られて
体に染み込んでゆくようなら
光を食べましょう
私は君に食べさせてあげたい
手 ....
収穫もできずに
ただ腐らせるしかないような
果物を育てるひとはいない
いたとしても続かない
両面の鏡なんだ
鏡のなかのまたその鏡なんだ
自分だけ棚にあげておくな ....
花が住み
朧気に見る
槍ヶ岳
先切る春も
哀れぞと
かなしみは降り積もる
綿雪のように
歓びは萌え出づる
泡沫のように
さみしさは染み透る
五月雨のように
怒りはさんざめく
木漏れ日のように
苛立ちは ....
こんな暑さを生み出すなんて
太陽はとんでもない偽物だ
それだけではなく
空も海もすべて偽物で
言うまでもなく
実は私も偽者である
では本物は一体どこに?
偽者の私の本物はどこ ....
*
白いシーツが晴々とはためく青い午後
大きな風にのって君の嬉しそうな声が疾走る
思い切り抱きしめればまるでお化けのようなカタチ
くすぐったいと笑う君をすっぽりくるんだその存在を
ぎ ....
泥まみれの夕立一粒に願懸け命懸け
立ち上がろうと 己に跪き独眼に見渡す
屍の点描
永遠の夕立 その隙間で呼吸を呼吸を途絶えないように
大事に大事に膝に触れ 感触の泥まみれを皮肉にも このだ ....
大切な
ひとり息子や
ひとり娘が
路上に
打ちすてられている
もちろん
レイプの後で
それが
政治だから
ラの音ではじまる
骨をかかえて
演説をしにいく
....
ぼんやりとニュースを眺める
オナニーを終えて暇だからである
ニュースは、事件と事故がばかり放送する
あとは天気か
つげ義春の漫画に出てくる朝鮮人の李さんは鳥語が話せるが
それでも鳥は脳が小さ ....
世界は膨張していく
それは進化だとか進歩だとか
そんなことではなくて
ただひたすらに、
闇雲に、
手に触れるものすべてを
引き寄せて飲み込んで
不格好でもなりふり構わず
雪だるま式 ....
ジュラ紀 白亜紀 吐く息 といき
おととい以前のことは
みんな みんなおなじです
忘れた。
2156年 第四次世界大戦
氷河期 歯みがき ゴシゴシ
あさって以降のことは
みんな ....
む おん
移動していくモノの影、
独り在る茫漠の床で
眠りの底から掻き分け掻き分け
異界の異様な感触を
意識の触手、体に刻む
ム オン
夜陰にひっそり回帰し。
1592 1593 1594 1595 1596 1597 1598 1599 1600 1601 1602 1603 1604 1605 1606 1607 1608 1609 1610 1611 1612 1613 1614 1615 1616 1617 1618 1619 1620 1621 1622 1623 1624 1625 1626 1627 1628 1629 1630 1631 1632
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.33sec.