蝉の鳴声があらゆる方向から聞こえてくる。
土用の丑の日とかいう頃になると毎年同じことを考える。
蝉は1年とか、3年、5年、あるいは17年、
土の中にいる種がいて、ほとんど同時に地上に出て ....
誰も言わなかったことがある。
私を食べたいと。
けれどもあの、
煙草で黄ばんだ刃は
少しずつ私の頭に浸透した。
そうして私に似合わな ....
股関節にくるまれた
まるい歩みが
つや消しの宇宙に
冷却する。
(恥ずかしげ、に
船賃六文
、なんて
いまどき
、ないから。
(百五十円、でどう? 船頭さん
二年まえに ....
あつい夜
きみはかんたんに
きみを脱いだ
なにも覚えていられないくらい
美しい夢が終わって
抜けがらとぼくは朝を迎える
そうしたらもう
どっちが思い出なのかわからなくなっているん ....
アイツの頭に
火災報知器とサイレンを着けて
戦火の海に投げ入れてやれ
砲弾の雨のなか
ピーピーウォンウォン鳴らしながら
逃げ惑うアイツを
腹抱えて笑ってやらあ
Mが、優しかっ ....
わたしたちがあんまりゆっくり歩いたので
街はどろどろに溶けてしまった
間にあわなかったね
でもべつによかった
まだ潮や空はのこっていて
わたしたちはもっていたパンにそれをつけて ....
想いを切り刻んで 記憶は泣く
スマートホンもデジタルカメラも 人の目に映らなかった頃
思い出を自販機で買い取った彼女の空は
空白のまま歳月を渡る
数年前傍にいたはずの笑顔は カラカラに ....
穴を二つ穿ちます
そこには明らかに風が吹き始めます
黒く二つ塗ります
そこにはぼんやりと意思があるように見えます
背景から切り出したところで
モチーフが現れます
背景から見つけ ....
赤い火を見つめながら、暗い夜のことを思うだろう、濁流のような呑気な日常に飲み込まれ息も絶えだえ、そして訪れた僅かな休息の前の静かな真夜中には、騒がしい自分の心が ....
伝えんとする意志が世界をきりとるとき
言葉が生まれるのかもしれない
飲みにさそった結婚前のきみに
きちんとこれからのぼくの計画を話そうと
想ったがなにもなかった
あなたの推薦をうけな ....
花火シーズンがやって来る
海岸沿いに住む人間にとっては
いつにも増して
頭の悪そうな若者や
ギャーギャーうるさいガキを引き連れた
馬鹿家族が
至るところから集まって来て
電車は満員
....
あたためる
凍えた心
あらためる
歪んだ夜
ほとばしる
今現在
先走る
未来予想
いくつもの
思いの片々
いつくしむ
世の端々まで
いのちの選択 ....
硬い殻の中に無理やり閉じ込められ
手も足も出せず
約束も果たせない
知らないうちに
他者の無関心による距離に埋もれ
書籍から著者の血液を大量に浴びた
俄かに近い人のまな ....
幸せにはじまりましたとさ。
幸せにもらいましたとさ。
幸せにあげましたとさ。
幸せに分かち合いましたとさ。
幸せに歩きましたとさ。
幸せに休みましたとさ。
幸せに走りましたとさ。
幸せに ....
おい 悪魔
尻尾フリフリ
片唇吊り上げて
“出来たの? ....
ホモになりたい
ものすごくハレンチな
モーホーに 、
「ひとおもいに断行してみるか」
「ひとおもいに断行してみるか」
男子はみんな一度ホモになるべきだ
いやすべて ....
俺の領域に 入って来るな
ぽっぽー
汽笛を鳴らすな 五月蠅いぞと
がなる灯台 睨みつけて 三分停止
自動扉が 開いたら
また 駆け出せる
硝子張り
外からは 丸見え
....
僕が目指す場所は、確かにその壁の向こうにあった。
僕は10年掛かってその壁を超克した。
すると目の前には、レンガが描かれた壁が立ち塞がっていた。
僕はまた10年掛けて大きくなり、その ....
鏡のなか
ひどい顔した女がいる
って思えるだけ
まだ冷静なのかな
フラれた女
みっともない女
マスカラぐちゃぐちゃにして
泣いてるフリして
ウソ泣きじゃない
ちゃんと目一 ....
スカートの裾を一枚、縫い合わせて閉じると、追い出された可能性としての空洞が、床に投げだされた他の萎れたスカートを花咲かせてしまうのではないかと、一枚、また一枚と、縫い合わせては閉じていく。鱗みたいな、 ....
武力放棄を
天安門広場で
訴えようとして
中国当局に拘束され
未だ音信不通の
東山田敏夫さん(53)を救うため結成された
「中国当局に拘束された東山田敏夫さんを救う会」
代表の八洲守人氏 ....
思い出すとかなしくなるからと
思い出さないようにしていたら
いつしかほんとうに
思い出さなくなっていた
本当に忘れたわけじゃない
あの日あのときの鋭利なうずき
もう世界が終わればいいと ....
我々は遣って来た
静かに踊る草木
仄かに香る蜜
ジャングルから遣って来たのだ。
転がる砂石から、森の王者まで、
横たわる樹木を避け、
動物達の営みはすべからく道から外れ、
初めからこ ....
海が
光の海が
広がる狭まる
明るみ眩んで
暗まり遠退き
揺らぎ揺らいで
静まる感覚
奥まる意識
秘かな降臨
気づきの一瞬
凝視の息切れ
いつもの ....
スマタの方が好き
という人もいる
書き出しは
こんな感じで良いと思います
挿入が
到達点と考えて
彼女に執拗に要求する
あなた
繋ぎも
こんな感じで良いと思い ....
めぐりめぐらされた
想いもいつか星になる。
そんなことはわかっていても、
手をふる指の後れ毛を追いかける。
私をのせた小舟はどんどん ....
150722
中三の音楽の授業中のことでしたが、
子守唄を教わっていた。
と言っても教科書の楽譜を見ながら
皆で合唱するだけなのだが
理論はともかく
一度唄えば覚 ....
白濁する森で。
蜘蛛が
雨糸をゆらすと、
針の穴ほどの
光たちが
きらきら
溶けあい、
うっすらと
午前十時五十分の星座が
現れる。
欲情する樹々が。
目覚めている
....
ここ二日でひと山越えた感のあるわたしたちは
次の山あるいは谷を想像できないでいる
見上げる山 天辺が雲に隠れて見えないほど
見下ろす谷 闇へかき消えるほど底なしの
....
左手のスマホから 右手へ「淋しい」と送る
右手のスマホから 左手へ「元気出せよ」と返す
LINEで一人芝居をして バランスを保っている
スーツの着こなしはスマートに ロンジンの腕時計が光 ....
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