貝のような耳をそばだてて
微かに
波の音をきく
貝は何処にいるのだろう
貝はどこに居ても家を持っているんだ
じっと蹲りながらも
家を持っている
波にさらわれたとしても ....
この暴風の中で
どうしても僕が吹き飛ばされないのが
とても不思議だった
こんなにも無価値で
こんなにも無意味で
泣きそうになるくらい軽く脆いのに
自己分析をして
捜し出した犯人は ....
着いて翌日の朝は
マスタード色の
プラスチックのコップに注がれた
オレンジジュースで始まった
初めて見るプラスチック製のコップに
本物の生のオレンジジュース
九つになったばかりのこどもには ....
久し振り
雨粒 一つ 一つが
ゆっくりと 煌めいて
わたくしに
挨拶をして くれているかの ような
錯覚
それでも
嬉しくて
幾つもの 笑顔が
惑いながら
揺れた ....
ポエジーは
朝の光りだ
目覚めれば
其処に在る
生活に在る
卓袱台にだ
靴を履いて
路傍の歌に
耳を澄ます
空を見上げ
今日を思い
店頭の魚の
記憶を辿り
海を目指し
陽が ....
やさしいくまは
なんにも食べずに
やせている
かつてつややかだった毛並みは
ぼうぼうにとがって
やさしいくまは
そのうちひとかたまりの茶色になって
ちょうどきのうの晩ふきあれた強 ....
「本」という字は一画ひくと「木」になる詩、育てるからには木からと思い立って種を買う。なんの木だか知らないけれど窓辺に置いたプランタへ植えて水をやる。「水」という字に一画たしたら「氷」になるから水やりは ....
諸行無常
是生滅法
生滅滅已
寂滅為楽
宇宙の果てはあるのだろうか
だが
その宇宙の外にも宇宙があると感じている
そしてまた宇宙がある
閉じていながら
解放されていた ....
大根の葉についた青虫を
箸でつまんで地面に捨て
それを踏み潰す
青虫を見つけては
箸でつまんで地面に捨て
それを踏み潰す
そして小さな畑を一周する
朝の仕事を終え
しばし畑を見つめ ....
千円で二冊
手頃なんだから、
、と、擦りきれた本にきれいなままの文庫本
何故か捨てようにも捨てられない
同じような顔をして段ボール箱の中に眠ってる
たまに取り出してページをパラパラ ....
「もう誰も、必要とは思わないのですね・・・・。」と
黄ばんで染みだらけのまま
段ボールに詰められて家を出る文庫本の呟きが聞こえた。
私は
父の遺骨の欠片をぽっけに入れたときのように
読 ....
胃が悪化してきつい朝
今後のことを考えるためにわかばに火をつけた
ほら、また、咲いた、
本の花
読むたびに
ひとつ、また、ひとつ、
書店に種を選びに行き
本棚に種をまく
パラパラと
水をまく
色とりどりの
本の花は
読まれる時を
待って ....
人は
なんどころんだら
上手に歩けるようになるのだろう
人は
なんどないたら
上手に笑えるようになるのだろう
だいじょうぶだよ
まるでごむまりのように
やわらかいきみをだきしめる
....
夜、雪が降り止んだ頃、夜行性のノウサギはいっせいに跳ねだす
カンガルーのように飛び跳ねる後ろ足の腿の筋肉は巨大で
前足と後ろ足は途中で交差し、雪原を跳躍する
むき出した前歯をそっと樹皮にあてがい ....
ふと 空を見上げると
蒼かったのだと気づく
鼓動も、息も、体温も
みなすべて、海鳥たちの舞う、上方へと回遊している
ふりかえると二つの痕がずっと続いている
一歩づつおもいを埋め込むように ....
今日の日も
沈んでいった
まだ
僕たちには日常があって
まだ
僕たちの日は爆発しない
それでも
スライド
カレイド
いつか
二度と二度寝すら出来ない世界になってしまったりするから
....
心夜の域斬れ しんやのいきぎれ
粒焼き喜来 つぶやききらい
火杜離がいいから ひとりがいいから
賭粋 といき
まだ四六もならず まだしろくもならず
南尼もかも酎途犯羽 なにもかもちゅうとはん ....
深夜の息切れ
呟き嫌い
一人がいいから
吐息
まだ白くもならず
何もかも中途半端
寝れず泣けず愛せず
愛されたい
日に日に老いていくならば
鈍くなりたいのは今
幾分もやることは無い ....
ため池は空をうつすが
空はため池をうつさない
涙と呼ぶには
あまりにもふかい緑色のなかを
どこまでもどこまでも進んでいく
16歳の
おのののか似の
女の子が
とてつもなく
可愛いと感じる私は
変態なのかおのののか
(へんたいなのかおのののか
韻を踏んでるのかおのののか)かと
居酒屋の勘定の際
感情的にな ....
あなたの心は
とても広い、白い
とても深い
子守歌の舟を浮かべて
種を撒いていこう
愛しているよ と
抱きしめる
今日いちにち
さみしかったこと つまらなかったこと
傷 ....
白 白い白 白い日
白い目と白い手を
白い夢の白い瞼を白に開き白い壁の白さに列なる白い花瓶に白い花の
白い髪に白く書きつけた白のかわりの白い手紙
白い名は白とは呼ばれずに
....
今日を殺そう、ベッドの上で
首を絞めて殺そう
頭を押さえつけて、喉を掻き切って殺そう
馬乗りになって、もとの形がなくなるまで
殴って、殴って、殴って、殴って、殺そう
....
解体工事中の廃ビルから
鉄材が鳴り響く音が
突然、微かに聞こえた
それは完全に想像
理由も無い幻聴
壊れた仕掛けを隠すハリボテも壊れた
くたびれた様子で
うつらう ....
151001
木を育てるには水を与え植物生育必要な栄養素を与え、日の光に当ててやると良い
そんなの当たり前ジャンと思うのだが、現実はなかなかそうなっておりません。
....
魚を釣りに行きましょうと
手を引かれて行く
氷のように冷たい手である
連れてこられた川辺には
沢山の人がすでに釣りを始めていて
思い思いに竿を上げ下げしている
自分もどこからか
骨のよう ....
小さな子供たちが
毎夜、枕の中で騒ぎ立てる
オキテ、ハヤクオキテ
耳に温かい息がかかって
あまりに生臭いものだから
頭を枕に打ちつけて
子供たちを潰す
何度も何度も打ちつけて
そうやっ ....
地球儀をぐるぐる
世界を静かに確かに巻き込んでゆく
目の大きい宇宙人が「マジヤバイ」と言って
飢え衰えた子供のそばで鳥が死を待っていては
ラーメンの3分を知らせるアラームが鳴っている
....
耐える
この二日続く激痛
脳髄抉られ掻き回され
それでも耐える
独り放逐され
孤立無援で
私というこの存在現実
与えた宇宙の神性
その未知の真意
知らずにして
死ねるものか
....
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