真夜中に映し出された、
渇ききった林の奥の瞳は知っている。
ほんとうは、
誰にも何にも、
降る雨などないということを。
それは与える愛ではなく、
誰の胸の奥に必ず咲いてしまう
甘ったる ....
この世の吹きだまりには
決まったように列車が走っている
結論ばかりが吹きだまり
主張ばかりが吹きだまり
静寂が一向に吹きだまらない
静寂は余りにも遠い
距離の概念が消えるところに
....
夏の灼熱の熱さを
秋の黄昏の温度を
凍てつく冬の露の滴を
桜は見ている ただジッと動かずに
桜はその時、何を感じているのだろうか
辛さか
孤独か
悲しみか
何も語らずに 桜は黙して ....
他に何の才能もないから
一丁、詩でも書いてやるかと
意気込んで書いたものの
そもそも詩なんか読んだことはないし
いきものがかり(ブス一人と
うだつの上がらない男二人のトリオで、
学校で飼っ ....
時は忍び足で通りすぎる
それを知ったのは
先週の水曜日
ぼくは疲れて
回転する部屋の椅子に座った
それから
頬に手を当てて眠った
ひたひたと階段を下りる足音
屋根裏の空を
飛 ....
浅草のそば屋の座敷で、酒を飲む。
年の瀬の店内は無数の会話で、飽和して
向かいの席に数分前、若いふたりが坐った。
隣の机で、三人家族は静かに語らい
幼い息子はパパの{ルビ腿=もも}に、じゃ ....
冬の空の雲は本当に低くて
伯母を見舞った帰り道
北に向かって
車を走れせている
そのフロントガラス越し
遠くの雪かぶるアルプスよりも
先にたどり着いてしまいそうなほ ....
君が手をあげて
頬を打った、訴えた、ギミミミ ミ
海峡も凍る、冷たい身体
薄い刃
三本の裂傷
赤どくんどくんにじむ、さいなむ、
閉鎖した屋上から落ちる夢さえ見せない、見せてくれ、ない、 ....
北
極星のもとに彼は立つ
視界に都市と荒野を広げて
その指先から綴られゆく言葉に
閃く叡智の稲光
西
葡萄色の雲を漂わす
美しい黄昏の瞳
彼は歌う 深々 ....
今年はようやく
雪が画面いっぱいに降ってくれて
忘れた言葉たちみたいに
固く積もってしまった
一足二足
歩くとよみがえる
ぎぎぎぎ
ぼくの埃まみれの靴と靴は
古い苦い音をたてた
わか ....
もしかして
もう1度くらいはあるかも
だからこそ
この身体は
この心象は
今日も張り切って飛び込んでいける
なんとなくでも
勘違いでも
大きくなったり
小さくなったり
....
しあわせになろうと
思っている
大事な人といる時は
喋りすぎず
早歩きせず
気負いせず
気を許しすぎず
しあわせになるために
赤裸々に自分を語ってはいけない
少しばかり
....
ドローンに自分の頭を
括りつけて飛ぶことを
思いついたキンタマ王子は
「それ、ドラえもんのパクリだろ!」
との批判を
持ち前の強心臓で一蹴し
今日、宇宙ステーションに向けて
飛び立ったが ....
幕開けに
ことばを持たずに臨みたい
髪を切って女という味を色濃くしたなら
フリックで弾いた間奏で涙をながして
愛をいただく年の瀬に助走する
底には濁りがある
ひとさじ掬ってわた ....
贅沢な感覚の増す 時を澄ます窮の弓が張る
移ろい四季は何者に身を委ねたのか
とても暖かい
案ずることを止めないが
四季はいつだって研ぎ澄まされた手先からの仰ぎもので
意志を持って ....
記憶体、
ざっく ザックリと 切り開かれます
映像群、
ぽっか ポッカリと 映し出されます
汽笛、
鳴ります 遠い国
流れる流れる追いつけない
洋上の青 浴びる太陽
溶け合 ....
浮きっぱなしのまあるい金魚に
沈下性の餌を落として、愛でた
それからコツンと水槽を揺らして
ストレスを送りこむ
浮きっぱなしの鞠が
いつまでも足掻いていてくれますようにと、
わたしは愛 ....
メダカが逆立ちしている
ふざけない彼がこんな仕草になってる様を僕はずっと恐れてきた
なにも悲しくない
なにせこれは事件でおはなしだった
降りかかったそして固まった
結晶となって値 ....
久々訪れたこの夜の静謐
は、
昼間街中 よろめいてぶつかった男に
謝罪する間もなく殴られ 黙した
その無抵抗の余韻。
東の空に
赤銅の月が昇り
やがて金になり
銀盆となる
やがて夜が明け
月はアルミニウムになってしまった
好物のウイスキーを飲み
夜が更けてゆく
何となく腹がへり
あのネギラーメンが食べたくなった
其処までは100㎞
名古屋の味噌煮込みうどんでも良い
其処までは350㎞
あまりに ....
キンタマ王子は
今年の重大ニュースとして
真っ先に
ミスチル歌詞もろパクリ事件が
頭に浮かんだ
去年のサムラ&ゴウチと
STAPおぼちゃんも凄かったが
今年のサノケン&バスストップも
....
歳が深くなってゆく
面倒な打ち上げも終わり
今夜はゆっくりと眠りに就く
肩の張った一年をもみほぐし
ゆったりと湯に浸かりたい
明日は妻に付き合い
餅と柚を買いにゆき
蒲鉾と伊 ....
くるしゅうないちこうよれと
太鼓腹のクルシミマス
赤服を裏返せば
七福Zineリバーシブル
宝船はリバー渋る
Oh! うなばら漕ぎいだした
大後悔あれもこれも
取り込んで八百万の
片づ ....
アンタガワルイノヨ、
ゼンブアンタガワルイノヨ、
アンタガ、
アンタガ、
三半規管を往来する
嗄れたあなたの声が、
私の耳から喉に谺する。
私は何故か言い返せない。
なぜなら私はあ ....
今日歯医者にいって
長くガリガリ削られていて
それがちょっと痛くて
そういえば祈る神様をもっていないことに気づいた
だって私をつくったのは神様なんかじゃないから
冬らしくない冬の日
....
よきかな、よきかな、
ひつじさん、さよなら、でも、ねむれないときはよろしくね
よきかな、よきかな、
さるさん、あといくつねると、くるさん
よきかな、よきかな、
き ....
151228
天気予報によりますと
参賀日は記録破りの好天気
3月から4月の陽気です
この声に応えて命令が下る
雨漏りする箇所の修理を
手持ちの材料で速やかに
済ま ....
街を歩けば
誰も 知り合いなどいない 街
誰も実家に帰省した 誰もいない
そんな街にいた 私
そんな 昔なら ツタヤで
私はよくアダルトビデオを借りていた
そんな 年末 だけど ....
地球の温暖化はね
だんだん化の兆候であって
地球自身が
だんだん人が住めないように
仕向けているんだよ
人の冷淡化はね
だんだん化の兆候であって
地球自身が
だんだん人が減るように ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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