乾いている
鼓膜に打ち寄せる波に温度はあるのか
でも 飲み込んだ言葉はひび割れていた
靴音から調律までが一番好きだ
酔っていれば君を見つめていても
秘密のまま 鍵は手の中 ....
どうしてひとは死ぬのか
でも
恐竜やマンモスたちが死んでくれなかったなら
わたしたち、居なかったね
どうして父さんは死んだのか
十余年がんを繰り返して
苦労したから痛かったから我慢はた ....
スズや、スズ、と 呼べば白猫が一匹
呆けてしまった昭和の頭に 鈴の音だけでやってくる
年老いて逝く者の生きがいのために 孤独死を恐れてか
「アパート一室につき猫一匹飼育可能」、の高邁な ....
人より一本多い肋骨を
左胸に隠してる
きみがテストを丸めて
ロトの剣にしてた
くらいの大きさ
家に呼ばれなかった子供たちが
二階の窓にはりついている
メリーゴーランドの
オルゴールがみえるかい
メカトリル鉱石で
千年先も残るんだ
窓を開けると秋葉が舞い込んでくる
夜になれ ....
一人でいる方が楽だから大丈夫 という声が小さい
大勢の中に入ると面倒 という声を出すのが面倒
私は何をしているんだろう
なんで私はこんなに辛いんだろう
思えば 私は私のことしか考えてき ....
未来
くたびれた大きなバスが
大袈裟に息を吐き出して発車した
窓ガラスに映るのは
やはり同じようにくたびれた顔たち
拝啓、エメット・ブラウン博士
ここにはタイムマシンもなければ
そも ....
いやなけはいにみあげればすいたばかりの和紙みたい月が五線紙のような電線にひっかかっていてシがなっている苦い昼を閉じるため視線をずらしてソラみたことかとならしてみる今夜はおでんにしようかとわたしと大 ....
夜の粒が
とけだしてゆく
空の底は
うすむらさき色にゆるみ
未来が滴らした
おれんぢが
静かに攪拌されてゆく
ここは
宇宙の果てなのだ
あるいは
巨大なグラスに注がれた
....
初めてってなんだろう。
わたしの父は、父を初めてしているような感じのひとだった。人生を初めて経験しているようなひとだった。
わたしだってそうだ。小学校の頃、いつもふしぎに思っていた。放課後はまいに ....
死にたい時がある
別に構って欲しいわけじゃない
だれかにすがりたいわけでもない
誰も聞かなくていい
誰にも届かなくてもいい
ただ、そういう時自分は
死にたいんだな
....
溢れてしまう君への想いが歌になる
早口で唄うのは照れ隠し
美しさを突き詰めれば君になる
記憶ってもんは
会えないあいだに美化されていくはず
リアルな君は常に成長中?
直に見りゃまた世界 ....
キンタマ王子という名が
全国的に知られてしまったため
今までのように自由に行動出来なくなった
キンタマ王子は
東横インにチェックインする際に
生まれて初めて偽名を使った
中島みゆきの大 ....
あなたはいつも 視線の先に
ねこじゃらしの房が
朝日に照らされ
柔らかな光の珠になった
そのままとんでいって
しまいそうだった
抱き枕じゃ足りなくて
誰かに思い切り甘えた ....
目が覚めると、私は小さな部屋にいた
殺風景な部屋だった。
真っ白な壁。部屋の四隅を示すように、上部の硝子が嵌め込まれた窓から差し込む光が唯一の光源だった。
家具などはなく、代わりに、部屋の中 ....
あの頃 人間花火に成るんダ! って
本気で 信じてた
大きなダリアの花模様は
ほんのちょっと 仰々しかったけれど
其処に 空白の 心なんて
存在 しなかった
トレンディードラマ ....
毎週の水曜日は
たまご10個で100円だ
妻が自転車のタイヤに空気を入れて
スーパーに走ってゆく
ぼくからしてみれば
どうこう言うことは無いのだけれど
妻は走ってゆく
ぼ ....
夕月が
悲鳴をあげているような赤
骨の色に似た電柱の上で
闇のようなカラスが羽を休める
よどんだ、生温い空気の
送り主を忘れた鎮魂歌のような始まり
血液は半睡の眼と同じ ....
ああ素晴らしき日常
私と君とを繋ぐのは
もう一筋の電気しかないのか
引き裂かれるほどの痛みを持って
私たちは寄り添うのだろうか
そもそも痛みとは何か
私の痛みと君の痛みは
同 ....
黒髪で
すらーとしてる女の子
15歳らしく
元気で明るいんだけど
じーっと静かに
こちらの話を聞いている
その顔を見ると
何だか何を考えているかわからない
その子の右目は二重で左目は一 ....
ナイフを手に入れろ
くすんだ景色を切り裂くために
ほら こんなに青く 世界は
青く燃えて たゆたい――
ナイフで胸をえぐれ
にぶい痛みを消し去るために
ほら こんなに紅く おまえは
....
ぼくは何処までも往きたくて
ありったけの大枚の札を払い
列車に乗った
河を越え
トンネルをくぐり
何処までもゆく列車に乗った
車窓を開けたなら
緑色の空気が
車内を満たして ....
片側二車線の国道に車に轢かれた
猫の死骸が横たわっていた
電線に横並ぶカラスたちの視線は
一点に集中している
ひっきりなしに通り過ぎる車の間隙に
猫の死骸は潰れて
薄くなってゆく
や ....
いつか
きみとぼくしか知らない季節があった。
8月は32日あったし、
クリスマスは2週間くらい続いて、
だいたいが春。
気温だっていつも3度、
高かった気がする。
....
貴方を包むに
私の腕は小さすぎて
夜に溶け込んで
星や月と共に
貴方を抱きしめてしまいたいのに
どこもかしこも
ひとりぼっちだらけ
右も左も
ひとりぼっちだらけ
老いも若きも
ひとりぼっちだらけ
都会も田舎も
ひとりぼっちだらけ
戦争が終わっても
ひとりぼっちだらけ
民族が同 ....
かぜが およいでいる
広場のベンチの端っこで
ひかりが ねころんでいる
更地の草かげのしたで
とある日曜のショッピングで
おとこたちは とまどっている
目移 ....
答えのない戦争が笑っている
錆びた原子炉が急な坂道を転がって
色とりどりの女たちの股ぐらを
獣じみたつよい風が通りすぎてゆく
右のポケットには
ちょっと水色のビー玉一個と、
アーモンド ....
築十八年になる
カステラハウスと呼ばれる
小さな三階建ての家に住んでいる
毎週日曜日になると
潔癖症の夫と二人で掃除をする
掃除機を抱えて 嬉々と
バトルスーツをきた戦士のように
家 ....
砂時計の砂が一粒落ちる音にすら
倒されてしまう早朝
脳漿が社会の至る所まで飛び散っていて
もはや社会の全てと自分は関係している
関係という依存と懐疑
私には初めから自由などなかっ ....
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