祈るように消滅を願った夜、
コンクリートのぬくもりだけが
真実だった。
泣くことは
禁じられていたから
渇いた眸で星を探しても
乱視の視界では
一等星すら心細くて
叫びたくても ....
今日という日に
さよならするために
ため息
一つ
明日という日に
出会うために
頷き
二つ
ここに後悔を
置いていくために
目を閉じて
三つ数える
疲れているのはわかってい ....
彩られた世界
あなたが見る景色
You are born to see tomorrow
この地球の中にいる
一つの存在として
With moving forward with o ....
波間を縫うように
飛んでゆくトビウオになれたなら
ぼくはどんなに幸せだろう
七海を越えてゆく君たちの喜びが
ぼくを透明にしてゆくんだ
やがては鳥に進化してゆく君たちと
ぼくは一緒になり
....
うちのカレーライスはどうも美味しくない
横丁を曲がる瞬間に匂うカレーが誘う
どんな奥さんが作っているのだろう
どんなルーを使い
タマネギをどれだけ炒め
出汁は鶏ガラと鰹節にアゴ出汁だろう ....
夜に濡れたサックスの音色を聴けば
漆黒の街に出かけたくなった
その交差点は左だけが何時も赤だったので
曲がった事はない
カチカチと聞こえる音が脈拍と呼応したので
信号無視をして左に歩いた ....
ぐるり50センチほどの脳裏にある
あの日の、その場所に
もう行くことができない
がらんと口を開けた
灰色の校舎の入り口に立ちすくみ
背中からは夏の午後の日差しが
....
口を開けばこの世におわかれ
結局その理由がわからなかった
全て終わってしまった衛星都市で
いくつものぬけがらだけが
からからと丁寧に掃除されている
野良猫たちはそれでも
誰 ....
少年という瞳によって
護られるものがある
少年という瞳によって
救われるものがある
少年という瞳は
なにをも滅ぼさない
彼自身が
砕かれることはあっても
....
生きるということ
朝陽を受けながら歩き始めること
酒場で仲間たちと宴を楽しむこと
それらはすべて
刑の執行を受けているということ
ただ命が脈打つという基本的なことも
何らかの刑の執 ....
膜に被われた部屋で
日に日に神経だけ鋭くなり
哀しみはいよいよ深くなった
わたしは季節を忘れた
今年も春とやらが来て
幻影のような夏が大きな雲とともに
流れて去った
過ぎた日をそこに ....
自称詩人が
プリンターを
手に入れることによって
自称詩の印刷が可能となったため
それをホッチキスで止めただけの
ゴミくずが氾濫し環境問題化している
しかもその自称詩の中身が
環境破壊に ....
間違いだと思っていた正しさを
意地悪だと思っていた優しさを
蚊の鳴くような祈りを聞いた
僕を守る両の腕を払い退ける勇気を
偽憤を溶かす真実を受け入れる力を
朝の光に赦し赦される勇気を ....
僕の今夜のスケジュール
ぜんぶダメにしていいから
会いにおいでよ
なんて
ほんとは自分が会いたいだけ
なんて
言えない
こんな
煙のようないとしさも
いつか空に吸いこまれる
よ ....
公衆便所の落書きを
ずっとお日様だと
思っていた
だって
アソコだとしたら
デフォルメが
過ぎるじゃない
それに
お日様に向かって
射精する
そんな不敬極まりないも ....
しづかに濾過してゆく月明かり
夢遊病者の溜息みたいに青白く
呼吸がふるえる
澄んだ夜の、 おと。
寝息に上下する胸を意識しながら、
台所の蛇口
水滴が
もりあがり、もりあがり、落 ....
ただしいのか
ただしくないのか
そんなことばっかりきにしてる
だれかの目と
だれかの声ばっかりきにしてる
つまらないけど
いつのまにかそれが基準なんだよなあ
ばかみたいだけど ....
こりゃたまらんって言われるほどグッとくるフォルムの貯金箱になりたいんだっていうのにどうにもお金が貯まらないタイプはぁ〜背が高くてぇ〜隣にいて安心する人かなぁ〜なんてお茶ならぬスープが濁る原因は沸騰に決 ....
本質、つまり
自分の恥部を
人前に晒したいという欲求が
他の人々に比べ
極めて強いという点において
両者は同一と言ってよく
従って自称詩人のハンドルと
AV女優の芸名が
似てしまうのは ....
あなたはゼラチン体質
脳みそが半透明
よくわからない言葉を発する
あなたはゼラチン体質
全体的に粘着質
ねちゃねちゃ音を立てて動く
ゼラチン状態のあなたは
なにを言ってもすまし顔 ....
〈
夜の森に
一人分け入り
いつしか
方向感覚を失い
冷えていく身体
噴き出す脂汗
空気もんわり動かず
渦巻き出す暗闇
意識 拡散し
存在感覚 失い
....
精神科で診察を待っていると
世界の涯てまで来ちまったなぁと思う
しゃがんで煙草を吸う少女
無気力な眼で空を見つめるおばさん
この風景の中に私もいる
悲しんでも悲しんでも
時間はもとに戻 ....
冬が嫌いなのは
寒い夜に
暖かい思い出ばかり
思い出すから
父は
猫と一緒に
いつまでも
コタツに座っててくれると
ずっと信じてた
換気扇がぶっ壊れて
機関車みたいな音がする
台所であなたと目を合わせたら
困ったような笑顔がどこかへ旅立つ
暮らした年月を
思い出させるすべての劣化
年をとったわね
夜
....
真夏の鳥取砂丘には
ただ一本の樹さえなく
にぎわう人と数頭のらくだの黒い影を
その茶色の肌にゆらしていた
運動靴を履いてきたけれど
砂に足をとられて歩きにくい
切れる息
額から滴る汗 ....
少女の形は生まれたままに
触れれば崩れる可憐な花の
可憐を装う自己愛のままに
私の形は生まれたままに
触れれば煤ける奇妙なかさの
可憐に為れない泥臭さを愛した
わらうことを忘れれば ....
成る可く期待しない
成る可く絶望しない
成る可く夢を見ない
成る可く流行りを気にしない
紙クズのような逃避の欠片を
無理矢理貼り合わせたそいつを夢などと呼んでくれるな
ぽろぽろ零れる口 ....
がんがんがん、
ぐぉーん、ぐぉん、ぐぉん、
薄紫色の法衣を着た僧が
正座し
鵺のような奇声を発して
バタラ経を詠む
向かって正面の祭壇は、
ぐちゃぐちゃのアルミ箔で飾られて
蟹 ....
ひとつまみで
一生を切られてしまう虫けらは
気の毒だがね
わたしら人間の縄張りに
勝手に入り込んでしまったのが
運のつき
虫けらと
わたしらの共通点は
命のあること
早い ....
(即興1)
一編の詩を絞り出して一杯のオレンジジュースを飲み
コートを羽織って散歩に出ると
何故か月はいつでも山の端ぎりぎりのところに飾ってあった
研ぎすまされて
あまりに細く
落 ....
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