凡庸な言葉の花束に
なんの価値があるのだろう?
いくら集めたところで
枯れてゴミになるだけじゃないか
そんなことを考えていると
自分のペン先から流れ出ているもの全てが
所詮ゴミ処理場直 ....
或る糸が……否、
生温い 呼気に似た
細ながく冷たい白さが
頭上から垂れてくるのを
待っている……夜に、私は
その影が たとえば ツルリとした
薬缶のお ....
木陰に座り
目をとじたまま
わたしは笑いたかった
あなたが居なくなったあと
透明な礫の群れが
わたしを通りすぎていく
躰を 穴だらけにしなが ....
151122
7号のクリスマスケーキを注文する
7号は当店の標準品ではありませんから
1ケ月前までに願いますと言われ
うーむと呻る
電話口では顔が見えない
見えなくて良か ....
お前は死んだ方が良い
声が聞こえる
朝の公園
鳩の鳴き声に混じって
老人たちが太極拳をやっている
大佐の言うお前は
俺ではなくて
すこし向こうにいる
日本人の男のこと
両脇を ....
バロックの符号は今も新しく
私を魅了する
彼と私には何の関係もないのに
私は彼に魅了され続けている
彼は神という存在を啓示した
私は仏という人間に指をさす
交わることはあるのだ ....
湯豆腐の季節がやって来た
鍋を挟んで
小学校以来のお前の顔が
ようやく和らいできた
俺は少し安心した
話す言葉はすべて昔の想い出ばかり
繰り返し
繰り返し
語りながらも飽くこと ....
おまえの国をつくれ
おまえの国の国歌を唄おう
いっしょにおまえの国歌を唄おう
オレもいっしょにおまえの国歌を唄おう
おまえの国をつくれ
おまえの国の国旗を振ろう
....
ラッキーワン
ラッキーツー
ラッキースリー
ラッキーフォー
ラッキーファイブ
ラッキーシックス
ラッキーセブン
ラッキーエイト
ラッキーナイン
ラッキーテン
ラッキーイレブン
ラ ....
言葉の森に悩み
その入り口に分け入ると
そこは精霊たちの庭だった
ぼくは言葉を失くし
心の動きがなくなってゆく
言葉を失ってしまった
もう悩むことなどは無いと願う
樹間から空に向 ....
◎アイルランドに落ちてた死体を煮出してこそいで滋養に食わせ
遠くへ出掛けに行ったきりあなたは首しか戻らない
汚濁の髄 その魂の根刈る鎌 溶いた闇かと黒すきり
睡魔正史を剥がすわ侵す なにが時か ....
「そうか、とうちゃん、もう地球には
ボクら以外に宇宙人はいないのかぁ」
「あぁ、そうだ
大震災で原子力発電所が壊れた時に
みんな帰っちまったんだ
もう誰も、こんな危ねえ星、欲しがらね ....
あなたに辿り着いたのは秋
次のわたしは冬から始まる
寒さに耐えられたら
咲けるかもしれない
青い穴の中に白をくゆらせ、
朝と夜、晴れと雨、
春夏秋冬の色に、移ろう空
日の差すを拒まず、飛行機を拒まず、
歓声も、文句もお構いなしの態度の、
世界最大の、偉大な空洞
シャツの襟 ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった
僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
右目が腫れていて
よく見えない
まぁ、そうだよなとか思いながら
薄汚れた道を歩く
遠くの方で
「ボー」と
何かの音が鳴っている
風に煽られて
火照った身体が
冷めて
また温まる ....
猿も木から落ちるかどうか
私が見た 赤い尻は 川下りの最中だった
橋の上だった
木では無かったから 解らないだなんて
想像力の 欠如
ケツをまくっても
欠如してしまった思想は ....
いつか終わる
いつか終わるに当てはまるすべて
はうとぅぷれいざ楽器
つまるところすべてにあてはまるすべて
まだ泣かないで
「叫び」の「b」のはつおんが窓を振動させ誰かを怒らせないなら
....
冬庭は音符を奏でる
花の終わった残骸は
案外気難しく
やっと植木鉢から引き抜けば
無数にめぐらせた白い根は
持てるかぎりの土をかかえこんでいる
ああ うたはここからも
うまれてきてい ....
31才
Paris
血で血を洗い流す人たちがいる
日常に死神が降りたつ場所がある
戦闘機の飛行機雲が
十字架を写しだす
....
針を指先に刺して、
血の花を咲かせるように、
ことばを呼ぼう。
浮かんでは消えていく気配が、
幻聴によく似た囁きに呼応する。
....
もし悲しみに襲われた時は
楽しかった時を思いだして
笑えばみんなが笑う
でも泣いてしまえば
みんな泣いてしまう
どんなに悲しい時が訪れても
笑顔を忘れないで
私は王に伝えなければならない事柄があった。それでまず城の守衛に門を通してくれるように頼んだ。だが守衛は私の頼みを一蹴した。王がお前のような下賤のものを相手にするはずがなかろう、とせせら笑いながら。私は ....
自動車には神が宿っている。そう確信したのは、運転を始めて一年ぐらい経った頃だろうか。自動車が人間とは独立した別の人格を備えていることは、乗り始めてすぐにわかった。自動車は人間の命令通りに動いているよう ....
看取りは二晩続く。その二晩が終われば、二日お休み。そのあとは三日間通常の勤務。そしてまた看取りだった。看取り二日目の日はいつも息子は老人ホームで遊んだ。
「すっかり人気者だね」
同僚の立石さんがぼ ....
眠りから覚めてしばらくのあいだ、ぼくは不安なことのない世界にいられた。息子と公園で遊んでからぼくは家で仮眠をとった。
夕方のひかりがベランダから射している。掛け布団のおもてがすこしひんやりしている。 ....
保育所に息子を迎えに行くと、新しく入所してきたと思われるこどもにじっと見つめられた。ぼくが肌の色のちがう黒人だからだ。
コンビニの明かりに照らされたりしながらぼくは息子と家路をたどる。息子はぼくより ....
朝
おはよう
と言う
それだけでほっとする
朝が来たということ
と
声がちゃんと出るということ
おはようを言わない1日は
もやもやしている
昨日がまだ続いているよ ....
臨界に旅立った母は、すこし痩せたみたいだ
もう、帰りたい。という
ここには団欒がない。という
距てるものは何もないのに
働きすぎたのだろうか
午後十時二分の、電動歯ブラシは
....
母から聞いた遠い日の思い出話です
貧しい農家だった父と母は
農耕馬に馬橇を引かせ
町の市場へ暮れの買い物に行きました
正月のための食材を買い
家族の冬のビタミン源として
おそらく当 ....
1506 1507 1508 1509 1510 1511 1512 1513 1514 1515 1516 1517 1518 1519 1520 1521 1522 1523 1524 1525 1526 1527 1528 1529 1530 1531 1532 1533 1534 1535 1536 1537 1538 1539 1540 1541 1542 1543 1544 1545 1546
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.52sec.