延々と吸収できると
思い込めるうちは
若さを自覚しなくても
若さを体現していける少年。
永遠に吸収できないと
気づき始めてからは
限界が明確になくても
限界の尊さを実感し ....
寒い冬の夜に
赤い提灯と屋台の車
そこにおじさんひとり。
マンションに囲まれた
住宅地に赤い光と屋台と煙
香ばしい甘い焼き鳥の匂いと
屋台から流れるラジオの音
"いらっ ....
ニュースに続いては経済ナウです
最近「遠慮交際」と言われる
新たな交際が広がっています
これは、誰かとの交際を求めて
お金を支払うのではなく
誰かと交際したくなくて
お金を支払うというもの ....
ちいさい秋見つけた
帰り道
ちいさい秋実をつけた
輝いている
ちいさい秋差をつけた
キミとボク
ちいさい秋目をつけた
羨ましい
ちいさい秋火をつけた
悔しさに
....
とても食えないから
詩人の食事は貧しくて
目玉焼きと納豆が精々のところ
まてまて!
立ち食いの天玉そばを思い出せ
松家の朝定食でもいい
そこに天国があるのだから
貧くともプライドを忘 ....
てのひらに
転がる大粒のガーネット
それは血の色
珠玉は明日を占いながら
許された種族はボヘミアに彷徨うジプシーだけだった
インスピレーション
暗い森の声がする
夜の帳な ....
大きくはない講堂で
詩人の声がしている
詩人の声は講堂よりも小さく
低いところを這うように響くから言葉のつぶは分からない
絨毯だけが分かっている
水を吸い込む時のように、そこだけが深い赤 ....
ヤモリの張り付いた電信柱が
オレンジ色の灯りをともし
夜の歌を静かに歌っている
夜の秒針を刻んでゆく
ぼくは落ち着けないでいた
あの中華そば屋までの果てしない
道のりは
とても遠くて ....
夕暮れがやって来る頃決まって私の腕に止まる君
ねぐらへ帰る途中なのだろう
一羽であることもあるし
友達を連れてにぎやかにさえずることもある
いやもしかしたらきょうだいだったのかもしれない
あ ....
永遠の 青薔薇への妄想は
尽きぬけれども
生身の姿と 写真や動画が違うのは
仕方のないお話だけれども
やはり 蛍のラジウム光のような色合いと
実際見た時の LED光のよう ....
セックスのあとで
歌を 歌ってくれたひとがいたの
シャツを羽織って
煙草をくわえながら
都会の真ん中
小さな
男のひとの部屋
壁や布団に染み付いた
数年間
煙草の吸い殻
立 ....
雪のような歌がある
静かにふってきて
いつのまにか景色を一変する
真新しい一面の白紙を前に
こころ躍らせる者
昨日を忘れてしまい
ペンのように立ち尽くす者
雪のような歌がある
....
テロ云々の前に
アラブ人は
何となく
悪そうに見える
と正直に語ったキンタマ王子が
差別主義者だと
バッシングされていている
しかし、キンタマ王子の親友で
後にキンタマ王子によって
....
また道路に死体がありました
カラスが群がっていました
車たちは知らん顔で通り過ぎるのです
また道路に死体がありました
いつ死んだのかもわかりません
私はみなかった
なんの死体なのか ....
五円玉と五十円玉
出来のいい兄弟みたいに
二つ揃って穴のある
可愛らしい小銭の
五円玉と五十円玉
どっちが兄ちゃんだろうね
そりゃぁ、五十円玉が兄様だろね
五十円玉一つでいい ....
変わり身
噂とは変化した時間によって流れる
人が何年もかけて変わっていくものは
案外人には分からぬものだけど
ときおりそれを見抜く人がいて
やがて噂にならなくても誰もが気づく
真っ ....
死にたいという衝動が一日中私につきまとう
死が人々の中でたらい回しにあっているのか
私が死の中でたらい回しにあっているのか
でも、死にたいと思うたび、私は私に立ち止まる
死を望むに ....
夕陽は波の音を残して
海と空の混沌に溶けていく
松の梢から昼の光が消えると
ぼくの中で映像がうずきはじめる
時を忘れて遊んでいたぼくらに
夕餉を告げる母の声がとどくとき
一日 ....
疼痛発作に昼日中から、
遮光カーテンを締め切り寝込み
激痛が退いた夕に眠り込み
夜陰に突然目覚める
こころ
光 求め
からだ
光 拒絶し
混沌として堪らず枕元のスタンドライ ....
こどもたちか
いい年したおとなたちか知らんが
感受性の制服着て
隠喩を教科書に
無意味の羅列の学校に
隊列なして通っている
氷点下の空から、シャーベット状の月が、地上眺めて苦笑い。
そんなところで寒いとか言うなよ、なんて。
遠くで木星が、白い息を吐くような、夜明け前。
いまこうしていることは
大気のない宇宙で
大声張り上げて叫んでいるのと同じかもしれない
届かない 意味がない
だけどどこかで
同じように叫ぶひとが
いるかもしれない
もし広い宇宙 ....
チカッ チカッ
航空障害灯は
自己主張が激しい
ここには星が無いからって
じゃあ僕が星の代わりになるって
なるほど
星はきらめくけれど
点滅した ....
東海は 知多半島の 里山に
野の鳥かげがうすれるなか
昼夜の区別もとぼしくなって
背の伸びきった「時」はただよい
間の伸びきった「空」が拡がっている
....
ファンタジーが砂一粒になって主人公の手に託されたとき、
私ならどんな願い事をするかなって考えてみたのだったけど、
私なんかの願いでは国はいく度も滅ぶしかないのだった
ほろぶはつまずくとほころ ....
駅のホームやバスの停留所
そこからすべては始まりすべては終わっていく
人生を中継する固定点として
いくつもの人生を交わらせてきた
駅のホームやバスの停留所は
人生の仲人として
....
純白の天使が私の窓辺に降りてきた。
机上の真紅の薔薇を香りもすべて真っ白に染めてしまう。
ここにいてもいいんだよ。
迷う私を優しく光の当たる所へと誘ってくれる。
夜空には眩し ....
気持ちが一つになって
愛し愛されている感覚が
強くなっていく
あなたと見る世界は
いつも綺麗で輝いている
景色の移り変わり
ただぼんやり眺めて
安心感に触れる
あなたと見る ....
高原の爽やかな風が私を撫ぜる。
あなたと過ごしたあの夏は過ぎ去った時の上に浮かんでいる。
ぽーん、ぽーん。
冬が来たのだ。
定宿に置いてきた古皮の手帳にはあの頃の私の言葉が並 ....
父が玄関先に佇んでいる。
綺麗に仕立てたスーツを着て。
奥の部屋から出てきた私に
父は聞いてきた。
「俺は、いつ死んだんだ?」
私は一瞬
間を置いて答える。
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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