もし私が一陣の風ならば
空の窓辺を叩き
君の頬をそっと撫でて
飛び去る、飛び去る、飛び去る
この広い世界に私の行く先がある
低い谷間には降り立たない
冷たい影には触れない
荒れ果てた ....
凡人56歳
大事に大事に
「私腹を肥やす」
確かに腹は大切なのだ
手鹽にかけた人生が詰まつてゐる
そして顔
丸みは年輪なのか
それとも‐
もしも太宰のやうな三十代でピークを迎へた才人が ....
○「失敗損」
失敗は教訓にかえて生きていくしかないね
そうでなければ失敗損になる
○「交通事故」
事故は一瞬で起きる
油断大敵だ
新年早々駐車している車に接触してしまった!
狭い駐車 ....
午前三時
茹で玉子の薄皮のような眠りは破られた
ゆうべ飲んだ珈琲が効き過ぎたのだろうか
迎え珈琲に冷えたTULLY'Sのブラックを飲み
ホールで覚醒を{ルビ促=うなが}した
煙草が ....
なるようになるんでしょう
えぇ、つまり
パパが死んでママも死んで
子供も生まれず僕も死んで
完、ってふざけんなぁっと
またそれは
人類史の終わりでもあった
そんなことが許されるなら
....
炬燵に潜った黒い詩のかたまりを蹴とばした
かたまりは、黄色く悲しい柄の炬燵布団を這い出して
畳に埋め込まれたトランジスタの蜜を指で掬った
雪と雨の雑じった空の涙を、吊し柿はただ見ている
正 ....
学校始まるのがイヤで
宿題もなかなか終わらなくて
現実逃避して
弟と二人で
新春マリオカート大会をしておりました
そして今
はげしく後悔しています
....
偽りを胸に刻んで
悲しみがすこし汚れた
一編の彼の詩に在る
くろいしみ胸に沁み入り
牛乳を朝のむからさ
睨まずに褒めてほしいの
かいわない寒い食卓
白い息ふたりは ....
君の口から花がチロチロ見えて
私は気になったんだ
近頃雨降らないねって言おうとか
唾でも引っ掛けて騙そうとか
生活はうまくいってる?
根気よくいけそう?
呼び鈴が鳴り怒号が聞こえ
あ ....
かつて
グラスから溢れ落ちた
水の音と
いつかの記憶と
夢であり、そのなかの現実であり、
日常と、仮設された風景に。
壊れた右手に接続された眼が、
路地裏に放置された
光の内側 ....
朝にベランダに出、
冬空をゆくり仰げば
ばっと飛び抜ける白鷺
想わずびくりとするに、
黒黄彩の混じり入り
細き足の骨格ぶらんぶらん
羽ばたき優雅に
白く張り付く無音ノ響き 、
....
やわらかな時間は終わり
余韻も断ち切れて
再び張り詰めた糸が交差する
ドアノブの静電気が痛い
痺れたまま社交辞令のご挨拶
感情の伴わない顔の筋肉の動き
心はかつての時間に置き去り
....
冷たい雨の中
{ルビ真紅=しんく}の椿が凛と咲き
冬ざれた街かどを{ルビ細=ささ}やかに飾る
一輪挿しにしたら
殺伐とした部屋も和むだろう
熱い亀裂がずらりとくすねると飽き飽きしたクセが出る。しかし、たためなくていいからおれないようにしてくれ。
風合いの葡萄酒でも鬱積があっと声を上げ。向かい風でも無責任な可能性を地図記号にみたけれど ....
こごえがちの小鳥
手のひらから雪のかけらひらめく
みずうみの果て 赤くしもやけた薬指から結晶化していく蜘蛛の巣をはる
ほんとうのことはどこからわきでてくるのかわからないので何も信じられない
ほ ....
あらゆる刺激も 悲しい真実も
時が積み重なって いつかは日常になる
わたしたちが 終わりに向かっていること
それ自体を ふっと忘れてしまうように
肌を焼いた 斜陽の
あたたかさに 目 ....
ずらかるぜ!
相棒、それは貴女
悲しみを分け合ふ‐
互ひの傷を知つてゐる仲だ
貴女と僕とは赤い糸なんかぢやなく
臍の緒で繋がつてゐるんぢやないか知ら
だから
遁世者の僕も
貴女の人生に ....
僕はこの一家に育ち
一流の何かにならざるを得ず
詩の道を撰んだ
多分間違ひだつたのだらう撰擇
僕自身は髙卒だし甚だ凡庸な男だ
たゞ付いて回る形容が
美々しいと云ふに過ぎぬ
飽くまで形容詞 ....
赤い靴履いてた女の子
異星人さんに連れられて行つちやつた
確かに東京星は異星だつた
それからきみは
情死的なエクスタシーを持つてゐた
と思ふ
叛面とても堅実な生活人だつたのに
不思議な人 ....
今、満員電車の中でログを読んでいたのですが
つくづく思うのは人はヨーロッパのあたりでは
犬がいたから生きてこれたのだろうと思います
新年早々、満員電車のなかで若い男が「クソジジイ」 ....
初夢はいい夢であってほしいから
私まだ今年夢見てないことにしてる
去年の年末
名古屋でAdoのライブ見て
矢場とんうまうま
その夜の夢は
大きくて ....
松本さんは珍来のチャーハンが食べたいという
それにビールが飲みたいと
毎食ペーストと栄養飲料
牛乳だけの食事を希望したのは彼の意志で
病院からの強制ではない
ぼくはレバニラが食べたくて
昼 ....
大
吉
◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
声をやって女を呼び込み、彼女は私のところまで歩いて来た、が、それは{ルビ漠然=なんとなく}どこか真っ直ぐやって来たな、と私に思わせた。まぁ、{ルビ尋常=いつも}はこれほどまでに真っ直ぐやって来たとは ....
血なまぐさい系列の時代があり
生ぬるく溺れる時生続き過ぎ去り
混沌の渦巻きにまた
血なまぐさい系列が打ち寄せつつ
壊滅の前の静けさに
浜辺の優しい潮騒のにほひ薫る
ひたすらに走り廻る
....
ぱっつんに、
切られたつもり 失念さ
よくよく見るとガタガタ
揺られる心と蔑む顔
奈落の底に溜まりゆく辛酸
傾けて 流れ 湖になる刹那
硝子のコップは今 破ける
スワンはまだ ....
小雨降る中ランデブー
雨宿りの階上喫茶ラブでの一コマ
窓際のテーブルで向かい合わせの
コーヒーとアイスクリーム
煙草を吸う?なんて
カウンターへ駆けて行って
灰皿も貰えず
帰って来るとク ....
忘れかけた思い出だけを
抱きしめて君は出ていく
ほのかな想いを抱く女も知らず
憧れだけを頼りに
ベルの音が響くホームで
見送る人の影も無いまま
一人列車に飛び乗ったのは
朝もや立つ夏 ....
爪先を削る
無機質な画面を叩く堅い音
呆れたため息が
私の肺を締め付ける
まぶたと視線と身の振る舞いの速度と何
蛍光色と速度の愉快さが
ずっと続いてたらいいのに
終わる終わる終る
おわ ....
太陽は、くれなゐ
月蒼く
さうあつて慾しいこの繪だ
霧がその色を
奪つて
白けきつた朝
無色の太陽と月
だが繪
現實ではない
さう云つて慰められる
のなら、いゝけれど
貴女の愚痴 ....
128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
0.36sec.