惑星をつなぐ鉄道の中継地
真空チューブが
弦のように延びている
定刻をすぎても宇宙嵐で
発車の目処はない
電気石で火をつけて
炭素を吸う
外壁で散るホログラムの桜
....
蓋然性
籾
御影石
東京は聞いていたより桜がのこっていた
やはり赤茶けたものがだいぶんのぞいてはいたが
もう銀杏がつぶつぶの緑を枝にふやしていた
関西ではそれはまだだ
東京はこっちより二三日はやい ....
雨に濡れ
突っ立ってる
ひとりで
スニーカーで
交差点で
背後から
クラクションと罵声に
刺されると
笑えてくる?
笑ってないけど
笑顔を作る仕草は
カップラーメンがふやける感触 ....
そして春が来て
今年も川辺の並木に
ホタルイカの花が咲いた
日中は褐色に湿り
夜になると仄かに光った
数日でホタルイカは散ってしまう
川に落ちたものは
海にたどり着き
地面 ....
火のガ鳥の生き血を飲めば
永遠に生きられるという
伝説を信じた
自称詩人「籠池さんは今」は
火のガ鳥を捕まえ
その首に噛みつき
ごっくんごっくん
生き血を飲んだ結果
深刻な病に冒され
....
歩いて 歩いて 歩いて 歩いた
道の先には丘があり、その先めざして、
歩いて 歩いた。
会える何かをめざして歩いた。
丘の先には空があり、空の中にはぽっかり雲が
歩 ....
青ざめた処女
乾いた空気に絡みつく熱帯の太陽
千年の年月を経て発見されず輝き続ける金剛石
アヴァドゥよ!
偉大なるゴーラクよ!
鋼鉄の処女よ!
内なる声、その沈黙の ....
竹の子の皮には
小さな産毛が生えていて
まるで針のよう
はがすごとにちくちくする
皮の巻き方は
妊婦の腹帯のように
みっしりと折り重なっていて
はがされたとたんに
くるりと丸くなる
....
ふっと舌打ちをして
音を耳にする瞬間までに
つま先を 膝から上まで飛びあげる作業
骨がパキキと鳴ったり
粒がキリリと噛んだりするのも
承知の上
ふっと横目で見やる世界
はっけよいの ....
おばあちゃんがあけたドアは
いつもあきっぱなし
猫が入る
風が入る
お父さんは怒る
寒いと怒る
家族は怒る
閉めてと怒る
おばあちゃんには見えている
困る家族が
中にいる家 ....
人間は
だれも
信じられなくなったら
生きていけない
飲み込んだ言葉が
胸にわだかまりの
どろりとした沼を作る
沼の中で
人に見捨てられ大きくなった亀が
悠々と泳いでいる
よく見ると
子どもを食ってふくれた金魚の尾が
ひらりひらり
....
おにぎり
かもめ
宍道湖
父、母からの生に自立して
もう己自身がひとつの風土だ
と書いた北の国の詩人がいた
東京育ちのわたしにとって
風土とはどのような意味をもつのだろう
解体され ....
遠くに向かって泣く時は、
空は静寂の中に沈んでいる。
ひんやりとした夜の風が吹く。
私の感情はその風に吹かれて彼方に飛んで消えゆく。
12時の暗闇を回る頃、
諦めの遠吠えが響いている。
....
稀勢の里の本名が
萩原だということを
知っている人は意外と少ない
ショーケンは萩原だが
ショーケンと萩原は何の関係もないことを
知っている人は意外と少ない
ノルディック複合の双子が ....
やっと夜が訪れた
昼日中の肉の激痛修まって
静けさに 魂漂う 夜の深み
はっきりと
感じるのだ、自らの
奥底に未だ燃え盛る
生きる意志を魂を
やっと夜が訪れた
昼日中の肉の激痛 ....
通学時に一緒になる度
話しかける切っ掛けをくれる
君の携帯音楽プレーヤーに
感謝しながら今日もまた
肩先をつついてから聞く
聴きたい気分であろうと
無かろうと私は必ず
イヤホ ....
君が踊れば
ほらもう舞台までもが羽搏きはじめて
宙へ舞いあがってしまうのだ
君の身体から
君の狂おしさがあちこちに飛び火して
つぎつぎ燃えあがってしまうのだ
ほら星々までもが
その位置を ....
○どんな手術でも
最悪というものは
ある
ワイフに眼で
「今までありがとう!」
と言った
○入院前は
美人の看護師が
いいなあ!と思っていたが
入院すると
やっぱりやさしい看護 ....
湯の地に
美しい姫が居て
ゴミを捨てる
美しい姫は
腹を貸して
磯野カツオに会いに行く
じわじわと不治の病に犯されて
じわじわと
笑いがこみ上げる姫の名前は
ナンシーだった
コマを ....
解離体になりたい物はこちらへこいと
それだけしか指導を受けていませんので
役割が違うわたくしは
いつまでも放っておかれている
白いテントを思い浮かべるの
その中に入っていく
わたくした ....
青空の下
部屋の照明を全部つけて
新人女看護師の前で
先輩女看護師が
いきなり僕のマツタケを
左手でぎゅうと握りしめて
「まず尿口のところから消毒します」と言って
右手で尿口をさっと拭い ....
道路のど真ん中に靴をかたっぽ落として行ったのだぁれ
さっきの自転車から落ちた傘はだれがひろうのかなぁ
あなたがすてた空き缶はだれかの畑に転がりおちた
ねぇ君が
蹴っ飛ばした小石 ....
命
たけのこ
鼓
桜のように咲いて桜のように散った
そう言いたいのか
生きてさえいれば何度でも桜は咲くのに
敗けても焼けても国は残り桜は咲くのに
桜花よ
秘匿のために付けられたというその名
....
ありふれた新月も満月も
見上げることもなく家路に急ぐ僕ら
ただいま
とは言うものの
おかえりとは言うものの
すぐにテレビやモニタの光に飲み込まれ
て
朝の目玉焼き
月みたいだね ....
目を閉じると
宇宙と宇宙が対消滅してる
星々が呑み込まれてく
おもちゃをのせた
絨毯を畳むみたいに
カルナ基地から
通信レーザーを送る
はやくそこから逃げて
7 ....
目醒めたとき
夢は夢になる
目醒めなければ
夢は夢でない
夢と目醒めの
あいだはなに
生きてるからこそ
死を憂える
死によってはじめて
生は完全になる
生と死との
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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